はじまりのおわり
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いくつもの槍をその身に受けて、怪物は膝をつきました。
兵士たちが一斉に槍を引き抜くと、傷口から溢れた血が流れ落ち、地面に血だまりを作ります。ぐらり、と怪物の身体が揺れ、そしてついに、怪物は地面に倒れました。
お姫様がハッと息を飲みます。その顔からは血の気が引き、真っ青になって震えていました。兵士たちは、かすかに上下する怪物の心臓に狙いをつけて、もう一度槍を構えました。
このままでは死んでしまう!
お姫様は騎士の手を振り払うと、
もうやめて!
地面に倒れた怪物に覆いかぶさるようにしながら、叫びました。
私はお城へ戻ります。
もう逃げ出したりもしません。
だからどうか、これ以上この方を傷つけないで。
騎士は戸惑いました。怪物にさらわれたはずのお姫様が怪物をかばうなんて、もしかしたらお姫様は恐怖のあまり、おかしくなってしまったのかもしれない。しかし騎士はすぐに、それは大した問題ではないと思いなおしました。お姫様が生きていて、無事に貴族の許へ嫁ぐことができればそれでよいのです。お姫様と貴族の結婚に、心は必要ないのですから。
これほどの傷を受けていれば、そのうち勝手に死に絶えるに違いない。
こんなにみにくい化け物だ。命を奪えば呪われるかもしれぬ。
我らの使命は果たされた。姫を連れ、一刻も早く城へ戻るこそ大事であろう。
騎士はそう言うと、お姫様の腕をつかみ、無理やりに引っ張ってお城へと連れて行きました。お姫様は何度も後ろを振り返りながら、心の中で必死に祈っていました。
どうか、どうか、生きていて。
どうか、どうか、死なないで。
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