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騎士と姫君  作者: 曲尾 仁庵
はじまりとおわり
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過去 -30-

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 その揺れは強く、一度だけ起こり、そしてすぐに収まりました。

 お城の食器棚のお皿が割れ、広間に立つ彫像の幾つかが倒れ、そして裏庭の石壁の一部がガラガラと音を立てて崩れました。長年放置され、伸び放題だった裏庭の雑草たちは、石壁にも根を張り、少しずつ少しずつ、石壁を脆くしていたのです。怪物とお姫様を隔てていた壁は消え、そして今、ふたりは初めて互いの姿を見つめました。


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