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騎士と姫君  作者: 曲尾 仁庵
はじまりとおわり
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過去 -29-

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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 痛みをこらえるようなかすかな呻きが、壁の向こうから届きます。お姫様は冷たい石壁に駆け寄り、手を当てて、涙を流しながら、再び叫びました。


 お願い、もうやめて!

 ごめんなさい。

 私が諦めればそれでよかったの。

 私が口をつぐんでしまえば、

 誰も傷つくことはなかった!


 お姫様の言葉をかき消すように、壁の向こうの誰かが大きく唸り声をあげました。

そして、骨の軋むような音とともに石壁を揺らせた、その瞬間。


 大地が、大きく揺れました。


_____________________________________

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

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