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過去 -28-
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壁の向こうで、お姫様は怪物の身を案じて泣いているようでした。怪物はそのことに心を痛めながら、この無慈悲な壁を打ち崩そうと必死でした。
他にもっといい方法があるかもしれません。
もっと便利な道具があって、それを使えばいいのかもしれません。
しかし怪物には、もっといい方法を思いつく知恵も、この体以外に使える道具も、持ってはいませんでした。
できるかどうかではない。
せねばならないことです。
あなたの涙を拭うことさえできぬというなら、
私がここにいる意味がない。
怪物はそう呟くと、満身の力を込めて、再び壁に挑みました。
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