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騎士と姫君  作者: 曲尾 仁庵
はじまりとおわり
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過去 -28-

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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 壁の向こうで、お姫様は怪物の身を案じて泣いているようでした。怪物はそのことに心を痛めながら、この無慈悲な壁を打ち崩そうと必死でした。

 他にもっといい方法があるかもしれません。

 もっと便利な道具があって、それを使えばいいのかもしれません。

 しかし怪物には、もっといい方法を思いつく知恵も、この体以外に使える道具も、持ってはいませんでした。


 できるかどうかではない。

 せねばならないことです。

 あなたの涙を拭うことさえできぬというなら、

 私がここにいる意味がない。


 怪物はそう呟くと、満身の力を込めて、再び壁に挑みました。


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