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騎士と姫君  作者: 曲尾 仁庵
はじまりとおわり
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過去 -26-

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 怪物は、お姫様の言葉をじっと聞いていました。そしてお姫様が辛さを、悲しさを、寂しさを、虚しさを、ひとしきり吐き出したとき、怪物は自らの為すべきことを悟りました。この目の前に冷たくそびえる石の壁こそが、お姫様を囚える檻。そして怪物は、その檻を打ち壊すために、今、ここにいるのです。


 わかりました。


 怪物はお姫様に壁から離れるように告げると、大きく息を吸い、息を止めて、石壁に肩から身体ごと、その身を打ち付けました。どしん、という大きな音を立てて、城壁がわずかに揺れました。


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