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騎士と姫君  作者: 曲尾 仁庵
はじまりとおわり
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過去 -22-

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 たくさんの召使に囲まれ、お姫様は鏡の前に立っていました。純白の婚礼衣装を身にまとい、その頭上にはティアラが、胸元には首飾りが、手には指輪が輝いています。召使の一人がお姫様の肩に手を置き、無機質な声で言いました。


 よいですか、お姫様。

 このティアラも、首飾りも、指輪も、国王陛下が手を尽くして取り寄せた、この世に二つとない貴重なもの。我が国の王族として恥ずかしくないよう、装飾に負けぬ堂々とした態度で式にお臨みください。


 お姫様は鏡に映った自分姿を、どこか他人事のようにぼんやりと見ていました。結婚をするということは知っていても、結婚をするということの意味を、お姫様は理解できずにいました。不釣り合いなティアラも、似合わない首飾りも、無駄に輝く指輪も、空疎な自分を浮かび上がらせているだけ。まるで滑稽なお芝居の登場人物のようです。

 反応を返さないお姫様に、イライラした様子で召使は語気を強めました。


 しっかりなさいませ!

 明日には城を出て、旦那様の待つ館に入るのですよ?

 そこで貴女様は、貴族の妻として、使用人たちを取り仕切らねばならないのです。そのようにぼんやりとしておいででは、誰も貴女の言うことなど聞きませんよ?


 そうなれば王家の恥だわ。召使は吐き捨てるようにそう言いました。お姫様はゆっくりと召使のほうに振り向くと、呆けたように呟きました。


 城を、出る?


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