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騎士と姫君  作者: 曲尾 仁庵
はじまりとおわり
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現在 -21-

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 太陽が山の向こうに姿を隠し、空は藍色に染まっていました。怪物とお姫様を乗せて走ってくれた木は、


 ……無事で。


という言葉を残して、日没とともに物言わぬただの木に戻りました。怪物とお姫様は木の幹にそっと手を当て、感謝の祈りを捧げると、森の奥へと再び歩き始めました。森の奥のさらに向こうには、険しい山がそびえたち、人の侵入を拒んでいます。そしてその山は、お姫様の国と北の国との国境でもありました。国境を越えれば、追っ手は追跡をあきらめざるを得ないはずです。まだはるかに遠い国境にかすかな希望を見出し、ふたりは足を速めました。


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