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過去 -19-
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お城は、一つの噂でもちきりでした。あの、たいして美しいわけでも、特別頭が良いわけでもない、気弱で、泣いてばかりいる、あの三番目のお姫様が、夜ごと自分の部屋を抜け出し、誰とも知れぬ相手と逢瀬を重ねているというのです。お城の人たちはまず、人嫌いのお姫様が誰かに関心を持ったことに驚き、そして地味で何のとりえもないあのお姫様を見初める誰かが現れたことに、さらに驚いていました。
王族に連なりたい野心家の若者かな?
賭けで負けた罰ゲームさ。
いやいや、世の中には思いもよらない趣味の人間がいるものだ。
人々は面白おかしく、憶測と誇張と、そして十分な悪意を取り混ぜて、お姫様とその相手についての噂を囁きあいました。そして、その噂はやがて、王様の耳にも届くようになりました。
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