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騎士と姫君  作者: 曲尾 仁庵
はじまりとおわり
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 お姫様の手を引いて、怪物は夜の森を駆けていました。お姫様がけがをしないように、草をかき分け枝を払いながら、できる限り早く、遠くへ。ふたりの後ろには、ちらちらと松明の灯りが揺れています。お姫様をさらった怪物に、追っ手が近付いているのです。


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