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騎士と姫君  作者: 曲尾 仁庵
はじまりとおわり
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過去 -13-

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 あなたはだれ、そう問われて、怪物は言葉を失いました。怪物は名乗るべき名前も、自分が一体何者なのかということも、何も分からなかったのです。名前は、それを呼んでくれる誰かがいなければ必要のないものです。自分が何者かなんて、それを説明しなければならない誰かがいなければ、考える必要はありません。怪物には、名前を呼んでくれる相手も、自分のことを伝えたい相手も、一度もいたためしはなかったのです。


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