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騎士と姫君  作者: 曲尾 仁庵
はじまりとおわり
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過去 -6-

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 お城の裏庭は、かつては庭師によって立派に手入れされた素晴らしい庭園でしたが、いつの頃からか誰も近付かなくなり、荒れ放題になっていました。名も知らぬ雑草がはびこり、大人の腰の高さまで伸びています。しゃがんでしまえば雑草にすっぽりと覆い隠され、誰からも見つからなくなってしまうほどです。だから、お姫様はよくこの裏庭を訪れていました。この荒れ果てた庭だけが、お姫様を人の目から、人の声から、人々の悪意から、守ってくれたのです。


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