39番目の戯言:子供
掲載日:2018/09/15
気が付くと、私はそこにいた。
真っ白い部屋だった。
鼻をつく匂いがした。
ガラス越しのテレビ。
水色と白色の機械。
無数のコード。
大きなガラス張り。
ベッドの隣にあるトイレ。
この部屋に来る誰も、私を外に出してくれない。
ある日、女の人に聞いてみた。
「なぜ、私は外に出られないの?」
彼女は答えてくれた。
「いつか、生きて外に出るためよ」
部屋を出るとき、彼女は私に「頑張ろうね」と言ってくれた。
私は嬉しかった。
それから何年か経って、自分が病気だったことや、お父さんやお母さんも、私と同じ境遇にあることを知った。
悲しかったけど、二人に負けないように、私も頑張った。
ある日、一人の男の人が私の部屋に入って来た。
「やぁ、こんにちは、お嬢ちゃん。君をここから連れ出しに来た」
私は、戸惑った。
彼の言っている事が、分からなかった。
でも、私は外に出たかった。
彼は私に言った。
「君の、力が必要なんだ」
私は嬉しかった。
「さぁ、実験を始めよう」




