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 安藤サクラは取り調べで、「誰かが捨てたのを拾ったんです。捨てた人は、他にいるんじゃないですか」と言います。これは、今の社会に対する批判で、おそらくあのような境遇の人は言わないような事でしょうから、監督が言わせたと考えていいかと思います。


 僕は、こういう点はもっとえげつなくえがいても良かったと思う。言ってみれば、スウィフトの「ガリバー旅行記」のように。


 具体的には、家族全員で、花火を見る場面があります。と言っても、狭い家でまわりも塀に囲まれていて、花火は見えず、音しか聞こえない。それが家族の位置の象徴でもあるわけですが、もっと嫌らしく描いても良かったと思う。


 何を言いたいかと言えば、「金持ち連中は、花火を見る為に良い場所を金で買っている」とかでいいと思います。万引き家族が花火を見る為に、良い場所を朝から取っているんですが、時間が来ると、裕福な人達に力と金で丸め込まれて、自分達はすごすごと退去して、家で花火の音だけ聞いている、など。


 僕はーーこの物語における優れた点と不満な点は同一の箇所にあると思っていて、この家族は非常によく描けているし、これが今の日本のリアルである事も感じられる。しかし、もし彼らの疑似家族を法律で認めてやり、金銭をあげて、一緒に暮らせるようになったとしたら、ある程度の問題が解決してしまう気がする。そこで、己の生き様に対する誇り(固執)というほどのものは感じられないので、あくまでも「状況の物語」となってしまうのではないかという気がします。


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