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 是枝監督の「万引き家族」を見てきました。以下、ネタバレします。


 結論から言うと、「優れた作品で、秀作であるが、傑作とは言いたくない」という事になります。「傑作とは言いたくない」というのは、あの作品には、満たされたものがあって、その部分が満たされているとは監督も、作中の人物も気付いていないようなので、自分自身に対する課題としてその部分は残しておきたいという気持ちで言っております。これに関しては後で触れます。


 作品全体の印象はこれも秀作の「この世界の片隅に」に似た印象を持ちました。まず、「生活」というものを作品の一番根底において、これは庶民的な、貧困の生活ですが、この生活が何か巨大なものによって押し潰されていく様を写実的にえがいていく。「この世界」で生活を押しつぶすのは戦争ですが、「万引き家族」の生活を押し潰すのは、暗示されている箇所を考えれば格差社会という事になるかと思います。

 

 先に雑感を述べると、リリー・フランキーが車上荒らしをする場面があるんですが、あまりにも車上荒らしが似合い過ぎていて、ツボでした。もし街中でリリー・フランキーを見かけたら「あ、車上荒らし!」と思ってしまう気がします。


 後、松岡茉優という役者は、よく知らなかったので、ただ明るくて可愛いタレントだと思っていて、佐々木希や堀北真希などの、はっきり言ってしまえば「よくできたお人形さん」的な人かと思っていましたが、思いの外、際どい役を演じきっていて、意外でした。女優魂を見せてくれたというか、「役者」だったのだなと思いました。

 

 それから樹木希林はもう死にかけているものだと勝手に思っていましたが(すいません)、しっかり演じきっていて、凄い存在感で、樹木希林が違う役者だったら、映画も違う印象に変わったと思います。他の役者も良かったと思います。


 後、関係ない事を先に言っておきます。「万引き家族」を見た後、感想をネットで検索した所、宮台真司の感想が比較的早く見つかったのですが、何を言っているのかさっぱりわからない文章でした。頭でっかちの、抽象的なこじつけの文章で、ああいう人の名前が売れて、フォロワーが沢山いるというのは、批評の衰退というか、批評が単なる知的遊戯に堕した状況の象徴と思います。(業界の繋がりやら何やらがあるのでしょうが) 例を上げていってもいいのですが、ここは宮台真司批判ではないので次に行きます。



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