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九話

なにもない無の空間にぽつりと自分がいる。なぜいるのかは分からない。気がついたらここにいた。体を動かすことができない。体がないみたいな感じがする。すると自分の体のなかと思わしき所にボッと火がつき始めた。熱さも感じないしパニックになることもなかった。一つだった火が二つ三つとだんだん増えていって体の外にもつき始める。パチパチと音をたてて燃えている。一体これはなんなのだ。これも魔法だとしたらいつかとけるはずだ。そう信じて待つことにした。しばらく待っていると体の中にあった火がほとんど外に出ていくような感じがした。もとから外にあった火と合体して一人の人間の形を作り始めた。さっきは龍だったのに形を変えられるのか。何て便利なんだ。俺ももっと容姿が優れた風になりたい。そしてマルセラにいいところ見せたい。そう強く思っていると相手は形を完成させた。

「龍の姿では君は驚いてしまっていたからな。この人の姿で話すとしようか。」

わお。しゃべったね。まあ人の姿をしていたからそんなに驚きはしなかったけど龍の姿だったら腰は抜かしていたね。リアルでドラゴ○ボールに出てくる龍かと思っちゃって願っちゃう説もあるね。

「あ、あのー?」

「ふむ。なにかね?」

よかったよぉ。日本語通じたよぉ。そういえばナットとかマルセラにも通じていたから日本語が主流なんだな。文字はどうだろうな?戻れたら確かめたいね。

「あなたはなんなんですか?龍?人?本当の姿は?」

最初の質問としては明らかにおかしいがしょうがない。気になるんだもん。

「わしは龍でもなければ人でもない。強いて言うなら契約霊といったところかな?」

答えもおかしいね絶対。まあいいけど。契約霊?なんだそれは聞いたことがない。守護霊とかならあるんだけどね。

「それがなぜ今僕の前にいらっしゃるんでしょうか?」

まあここも敬語になるよね。相手の契約霊さんなんかお偉いさんっぽいし。

「ふむ。それはだな、、、そうだナット。ナットとかいうやつにわしの攻撃が当たらなかったか?」

「ええ。まぁあの赤い龍ですよね?」

避ける暇もなく当たりましたとも。

「間違いなくそれが原因じゃろうな。ああいう攻撃が当たるのは初めてじゃな?」

「はい。というか剣を振るわれたのも最近が初めてですし。」

「なんじゃと?じゃあなぜ仮にもわしの一時的な契約者であるナットと闘っている?勝てるわけがなかろう。」

ええ。僕も強くそう思っていますよ。だけどなんだろう?ナットに少しばかり冷たくはないだろうか?仮にもとか一時的なとかそんなにナットが契約者というのが嫌なのだろうか?しかし思い違いかもしれないし、気のせいかもしれない。なんなら契約者皆が嫌いなのかもしれない。なのでそんな疑問も頭の中からすぐに消えてしまった。理由を説明することに集中する。

「僕はあの屋敷に少しの間住まわせてもらうために剣士みたいな人と対決をして、引き分けになったので、ナットさんに鍛えてもらってるということです。

「ふうむ。なるほどな。じゃがなぜあやつが本気をだすほどお前は追い詰められたんじゃ?」

「それはナットさんが僕に本気でかかってこいといっていたので本気でいかせてもらって、ナットさんも本気を出す状況まで追い込んだってことですかね?まあそんなのとはないと思うんですけど。」

「当たり前じゃこんなひょろいやつに負けてるようなら契約なんぞとっくに解消しているわだからそんなことは間違いなくないぞ分かったな。」

「は、はい。」

なんだこの異常な念のおしかたは。まあ分かっていたけどさ。じゃあなんのためだろう?そう思っていたら契約霊さんが答えてくれた。

「恐らく次の契約者の候補としてお前をあげたんじゃろうな。」

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