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八話

「うぉぉ!!!」

練習試合とは思えない気迫と威力で押してくる。シュバルツさんよりも力があるのは明らかだ。一振り一振りがとても重い。当たったら骨折ではすまないと思う。相手は木刀なのにだ。それに当たらないように身体をよじりつつ隙をうかがう。勿論こちらも木刀なので相手を傷つけてしまうかもしれないという心配は無用だ。しかし異世界に来てからまだ三日。とてもじゃないけど日常的に剣を振るということに慣れていない。というか慣れることはないと思う。こんなの僕の空想上か岡島龍大先生の再現ビデオを見ているときしかない。僕はこういう再現ものが嫌いだ。だって絶対剣と剣が拮抗しているときに喋ったりしないもん。まあそんなことはおいておいて今この状況が大切だ。しかし相手とは本気で命を取り合うわけではない。血走った目でみる必要もなくひたすらに打ち合っていた。(ほとんど避けてるけど)五回くらい続けていたときだった。いきなりナットが加速して木刀を胴体に降り下ろした。命中しとてつもない威力が胸を襲う。

「が、、はぁっ、、!」

息が全く出来なくなり反応も勿論できない。これをチャンスとみたか素早く何回も強く振り下ろしてくる。二、三回当たったくらいの時にやっと避けることができた。今までとはとても比にならない速さと強さで襲ってくる。これも何かしらの魔法だろうか。この異世界は本当になんでもあるんだなぁ。

そう感慨を噛み締めていても相手をちゃんと見据えて隙を与えないように努めていた。

「俺を殺すぐらいの気持ちでこい。アサシ。」

「え、、え?」

不意にそんな声を投げ掛けられて返事に困ってしまった。殺すつもりだって?殺してしまったとかなんとかいっていたけど、そこまでいかなくたっていいじゃないか。言い方が悪いかもしれないけど所詮は練習試合だ。僕の剣技を見てくれればそれでよかっただけのはずなのに。そんな重い気持ちではやりたくなかった。だか相手がこう言っている以上答えなければ失礼にあたる。そこで複雑な気持ちを抱えながら

「そこまではしたくないけど頑張るよ。」

と返した。するとその返事に満足したのかしてないのかよく分からないが数回頷いて、剣を右手から左手にもちかえた。一体何をするつもりだ?と疑問に思っていると、

「今ここに至るまでに繰り返された惨劇の血よ!この向かいうる相手に背かぬよう、少しの力を分け与えてくれたまえ!必要分量は殺さない程度だ!」

と叫んた。すると剣にどこから現れたか赤色のまがまがしい雰囲気を発するものが回りに付き始めた。次第にそれはとある形を作り始めた。それは

「りゅ、龍?」

赤色に輝くその龍はこちらを一瞥すると後ろにすこし下がってこちらに突進するかのように突っ込んできた。目視することもできずにズドンと言う音と共に意識がだんだん消えていった。今度こそ死ぬのかな等と思いつつ、できれば現実世界に戻ってほしいとか思っていたり、やはりこの異世界で死ねたのはよかったのかな?等と最後に思うことができたがどうすることもできず、最後の意識も消えていった。

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