ゲーム開始
私は西宮 月
身長165㎝、体重「あぁぁぁ」、趣味は寝ること。
平和を愛する17歳のいたいけな少女だ。
世界が平和なら、私も平和。世界が悲しんでいるなら私も悲しいという
なんとも涙がちょちょ切れるほどのいたいけさ。それが私。
そんなけなげな私も世にいう”華のJK”なのだよ。
”平和を愛する少女”の称号に加えて”華のJK”のブランド
もう私はただの少女ではない。国宝級の少女なのだ。
いや、まぁ。何故か悲しくなってくる自己紹介は置いておいて。
高校生活2年目。
毎日、学校以外は寝て過ごす私は飽きていた。そう、飽きていたのだよ。
だって!!毎日!!何も変わらないんだよ!?
起きて、飯食って、学校行って、寝て、帰ってきて寝て起きて寝る。
流石に寝ることが趣味な私でも、この毎日は飽きてくる。
だからな。買ったのだよ。
聞いて驚くなかれ。このいたいけなJKが、僅かな貯金を切り崩して買ったもの。
そ・れ・は!
自作PC!!!!!
自作だよ、自作!
何度も何度も専門店に足を運び、徐々に増やした機器たち。
もうほんとわが子のように愛おしい。
CPUからマザーボード、メモリ、クーラーなどその他諸々を地道に買い揃えましたよ。
高校生のお財布事情からお分かりのように一気に全部は無理だからね。
よくやったよ、流石形から入る系JK。
そんなこんなで長かったがやっとこさ揃い、これからゲームを始めるところさ。
そのゲームは、今この世界で最も人気な、地球ではない星が舞台なオンラインゲームである。
自分で作ったアバターを使い、ギルドに加入しクエストをこなしていくようなもの。
”面白さNo.1”その売り文句だけで即決を決めたので詳しくは知らない。いやだってやっぱり人気があるってことは面白いということだろ?
面白ければいいんだよ、それで。
楽観的で面倒くさがりな私は、手ごろな価格で人気No.1のオンラインゲームを買い、その上説明書すら読まずにゲームを開始した。
だから、
気づかなかったのだ。
ゲームの初めから、これが”自分が買いたかった人気No,1のオンラインゲームではない”ということに。