ほわいとのいず
眠気を誘う
淡い雨音
体を叩く滲んだリズム
なんて嘘
本当の鼓笛隊は
分厚いコートの向こう側
白く潰した能面の
うすく彫られた瞳の後ろ
耳が痛くなるくらい
キーンと張ったホワイトノイズ
どんな大きな音よりも
頭の奥を刺激して
どんな小さな音よりも
よっぽど心底耳障り
アルカイックスマイルのまま
大きな屋根がにらんでる
ファンタスティックな換気扇
部屋の空気を掻き出せない
誰だっていい
もう少し刺激的
何だっていい
身を任せて
どこだっていい
空の向こうまで
いつだっていい
いっしょに
消える
ありがとうございました。
おやすみなさい。