謎の少年
いきなり女教師から少年に変わったことに、指さされた3人を含め、クラス全員が驚愕している中、その少年がいきなりまくし立てた。
「何が女教師だ!こんな幻惑魔法すら破れない46マイナス3人に俺がやれるとは思えないね!大体なんだよ!いきなり入ってきた事に驚くのはまだいい。だけどな、なんで、自己紹介の後にすぐ拒絶に入るわけ?そこの銀髪ツインテール、お前は俺の何を知っている?そんなにメルっていう前の担任のことが好きだったのか!?レズなのか?ああっ!?俺は勝ったからここにいるんだよ!それ以上でもそれ以下でもねぇ!」
そうまくし立て、教室が完全に静かになり、数10秒が経過した時、ある生徒が手を挙げた。
「あ、あのぅ・・・ブ、ブラック先生?」
「ん?なんだ?青い髪の奴。」
「いや、青い髪の人このクラスに2人いますし。私の名前はマリス・ブルムクと言います。」
それは、銀髪の少女の隣にいた、青い髪の少女ーマリス・ブルムクだった。
「マリス・ブルムクね。で?そのマリス君、何か言いたいことが?」
「はい。今のはどう考えても言い過ぎではないですか?教師ならば、生徒のことを考えて発言すべきだと思うんですが。」
マリスがそのもっともな正論を言うと、ブラックという少年は少し唸る仕草を見せてから、少し頭を下げた。
「その通りだな。すまなかった。少し言いすぎたのかもしれないな。」
その様子にクラスがざわつく中、ブラックはさらにこう続けた。
「まあ、俺の掛けた軽い幻惑魔法を三人とはいえ、抵抗したんだ。このクラスはまあまあ、いいクラスらしいな。・・・そこの突っかかってきた銀髪は置いとくとして」
「っ!私には、リリィ・マーセナルというれっきとした名前があるのよ!」
その言葉に噛み付く銀髪ーリリィ・マーセナルがまたしても怒鳴った。
それに対し、ブラックは冷酷な表情でー
「じゃあ、これにて、終礼終わりっ!各自解散だな。自己紹介は、明日の朝礼にやると思うから、みんなちゃんと考えてくるように〜」
完全にスルーして勝手に教室から出ていってしまった。
「・・・なんなんだ?あの教師・・・」
「知らね。そんな事より、メル先生のこと学園長に聞きに行こうぜ。」
「ああ、そうだな。」
そして、生徒達もいつも通りとは行かないが、各々行動していた。
「うぅ・・・私の名前は・・・リリィ・マーセナルだって言ったのに・・・あの教師スルーしたし・・・」
「あはは・・・どんまい?」
「・・・決めた!あの教師の居場所突きとめて殴り込んでやる!」
「ああ・・・始まっちゃった。リリィの執念深い報復活動が・・・」
こんな変な事もいつもは無い、とても珍しい光景だったのだった。
次回は8月6日の7時に投稿予定です。