プロローグ おかしな履歴書
初めまして。初めて投稿させていただきます。なにぶん、初心者なので、文章力が皆無です。国語の成績も壊滅状態でした(泣)。
なので、おかしい所や、直したらいい所などがございましたら、コメントにてよろしくお願いします。
少しでもクスッと笑っていただけたら幸いです。
国立魔法高等学校『ミルズ』。ここは、多くの生徒が魔法というものを学ぶ学び舎である。
その理事長室に向かう、1人の女性がいた。見かけからして教師だろうか。いかにも魔法使いという感じの黒いローブを着、腰まで届く長い黒髪を揺らしながら、走るとまでは行かないが、その一歩手前の速さで、理事長室に向かっていた。
「リンダース理事長!メルがやられたって本当ですか!?」
理事長室の扉を音を立てながら勢いよく開き、唐突に彼女は理事長に歩み寄った。
それに対し、リンダースと呼ばれた老人は、落ち着きながら、手の仕草で彼女を椅子に座らせ、丁寧な口調で話しかけた。
「そのことでアルフォリア君に話をしようと思っていたところだ。・・・結論から言おう。メル君は・・・負けた。よって、今日から、新しい教師を招くこととなる。」
「そ、そんな・・・あのメルですよ!?魔法戦闘実技科の講師ですよ!?あのメルが負けるなんて有り得ません!どうせ相手がインチキとかナニかしたに決まってます!」
この学校には、ある校風があった。それは、『実力主義』だ。その校風の元、いくつかの校則がある。
まず、一つ目。講師が生徒に決闘で負けた場合、その講師をその生徒が望むのならば、解雇する。ただし、決闘は、両者の合意によって行うものとする。
そして、二つ目。講師が学校の者以外と決闘し、これに負けた場合、相手が望むのなら、その講師を即刻解雇とし、その講師の職をそのまま勝者に譲るものとする。
最後に、三つ目。一つ目、二つ目の決闘で講師が勝利した場合、その講師の給金に、ボーナスを付けるものとする。
といったものだ。
この話で出てきた『メル』という講師は、この決闘に負け、なおかつ相手が望んだことにより、退職する。という話になっていた。
「理事長っ!どうしても納得がいきません。まず、メルを負かした人はどうゆう人なんですか!」
「まあまあ、コレを見たまえ。まあ、まともじゃないのは分かるがな。」
先程、アルフォリアと呼ばれていた女講師がリンダースに詰め寄ると、彼は、3枚ほどの紙を取り出してきた。
「何ですか?これ。」
「先程送られてきた履歴書じゃよ。そこに、今度来る講師の詳細が書いてある。・・・読むのはとても疲れたがな。」
「?」
読むのが疲れる履歴書ってどういうものなのか。
そう思いながら、アルフォリアは、その紙を声に出して読み始めた。
「ええっと・・・なになに?名前・・・・・・バジット・メルクリウス・ブラック・・・・・・(仮)?何ですか?(仮)って」
「本人に確認したところ、偽名です!と、ハッキリ言いおった。もう何がなんだか分からんヤツじゃったわい」
「お会いになったのですか?」
「ああ、現に、君が来るまで面接のようなことをしておったからのう。まあ、ただ疲れるだけじゃったが。」
名前からしておかしいだろう!何故履歴書なのに偽名なの!?
そう思いながら、彼女はどんどん読んでいく。
「ええと・・・年齢・・・・・・彼女いない歴=年齢・・・・・・・・・いや、何歳!?え!?この人本当に何歳なの!?」
「・・・いちいち突っ込んでおったら進まんよ・・・」
「は、はい・・・」
正直、ここまでの1行で疲れていたアルフォリアだったが、ここで辞めるわけにもいかず、心を引き締めて、続きを読む。
「・・・体重・・・・・・『書く必要ありますか』・・・・・・身長・・・・・・2m×4×8÷0+160・・・・・・最初の四個の文字絶対いらないでしょコレ・・・・・・・・・」
他にもおかしいところだらけだったが、ようやく一枚目が終わった。
「一枚目でこれって・・・・・・理事長、コイツ、本当に雇うんですか?」
「・・・仕方ないじゃろう・・・校則なんじゃから・・・」
さらに二枚目に行く。ここには、経歴などが書かれているはずなのだが・・・・・・
「あの・・・理事長。紙が真っ黒なんですけど・・・」
「ワシもそれが気になったんじゃよ。そこで、新任講師に聞いてみた所・・・」
「所・・・?」
そんなに明かしてはいけない事なのか。とアルフォリアは、唾を飲み込みながら、リンダースの言葉を待った。
「・・・・・・『黒歴史です。』と言われ教えてくれんかった・・・」
「待てぇいっ!何!?この黒って黒歴史っていう意味だったの!?イヤイヤイヤッ!この履歴書、履歴書でも何でもないじゃないですか!こんなの要らないでしょっ!」
そう言って、その紙を破り捨てようとするアルフォリアに向かって、理事長が慌てて止めた。
「待て待て待て!待つんじゃアルフォリア君!最大の謎は、その三枚目にあるんじゃよ!」
「・・・三枚目?三枚目ってたしか・・・」
「そう。魔法適性や、得意属性、魔力容量、さらに固有魔法などが書かれた紙なのじゃが・・・」
その履歴書が破かれなかった事にホッとしつつも、リンダースは、三枚目を読むよう、彼女に催促する。
それを読んでいくうちに、彼女の家顔はだんだん驚愕の表情に変わっていった。
「これって・・・冗談ですよね?」
「・・・いいや、これはウチの計測チームが、計測した結果じゃから、唯一まともな結果なんじゃが・・・」
「・・・これのどこがマトモ何ですか・・・魔力容量『計測不能』?さらに、得意属性無し、魔法適性、『ほぼ無し』?固有魔法も計測できず・・・・・・魔力が測れないって・・・しかも、それで魔法適性ほぼ無し!?じゃ、じゃあ・・・・・・」
「ああ、ワシもそれを見て同じことを考えたよ。」
そう言って、2人は、何の打ち合わせもなく、ただただ純粋に、心の中から、こういったのだった。
『なんで、コイツが勝てたんだ?』
と。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は3月1日の午後7時に投稿予定です。