ロリコンじゃなくってよかった
ほぼ説明回です。
「どうにか乗り越えましたね。」
「まあな、あれは将来が楽しみだな。単身他国の王の元へ乗り込んで来る度胸もあるし、あの美貌だ将来"傾国の美姫"なんで称賛されるに違いない。是非、うちの息子の妃に欲しいと思わないか?」
カップに残っている少し冷めたお茶を飲むと冷めてもセキリョク国のお茶は美味しいななどといっているアルバートをみながら、ルイは、また厄介事を思いつつどっちにしても王女がギョクラン国にくる以上そういった事になるのだろうとシェリリ王女を気の毒に思うのであった。まだ、あの儚げな王女様が8歳というのに知らない土地で生きていけるのだろうか…。しかし、王女の将来を思うと確かに内のような国に嫁いだほうがいいような気がする。3人いる王子様達もまだ誰も正妃はもらっていないのが良かったのか悪かったのか。
「確かに、将来が楽しみではありますし、あの容姿じゃさぞセキリョク国王も気苦労が多い事でしょう。その点我が国でしたら警備も万全ですし、王女様をと我が国を敵に回すような事もよっぽどの馬鹿ではない限りありえないでしょうからね。王女様と王子様との婚約も匂わせてみたらどうでしょうか?セキリョク王も内ほどの優良物件はないでしょから少しは懐柔的になるのではないでしょうか?」
「何分情報が少ないからな。」
ちょうどそこへノックの音がして、近衛兵士が一人入ってきた。
「イート何かわかったか?」
「一応今の所わかった範囲でご報告いたします。セキリョク国国王は現在王妃様と側室様お一人だそうで、シェリリ王女は前王妃様のお子で第五王女になられ、第三王子で王太子のジュエル王子とは同腹の兄妹でいらっしゃいます。因みに、先日ランセン王国のエドワード様のところに嫁がれたのは現在の正妃様のご息女でらっしゃます。」
「シャルル妃とシェリリ王女は母親が違うのか?どちらの姫もなかなかお目にかかれないぐらい綺麗だったが」
「はい、今の王妃様のルビィ様は太陽の姫と言われ、前王妃のリーゼ様は月の姫と謳われた絶世の美女だったそうですが、元来のあまり身体の強い方ではなかったそうで、シェリリ王女が4歳の時に亡くなられたそうで、幼くして母親を亡くされてしまった事と、リーゼ前王妃に生き写しのようなシェリリ王女は王族皆から溺愛されているそうです。リーゼ前王妃を慕うものも多かったそうであまり公の場に出る事のないシェリリ王女を心配する民も多いそうです。現在の正妃様も太陽の姫っていうだけあってかなりの美女って話です。側室は元はリーゼ前王妃の侍女をしていた方でお身体の弱かったリーゼ前王妃の後押しもあって後宮に入られたとの事です。特に確執とかそういった事は王族の方については聞かなかったですね。なにせ、セキリョク国は精霊信仰で直系の王族は碧の精霊を使役してるそうですから」
「精霊は争い事を嫌うからな、そういえば、碧の精霊はセキリョク国の直系の王族だけが契約出来る術をもっているって聞いた事があったな」
「それなんですけど、以前に精霊の力を欲したどっかの国が王女を無理やり嫁がせた事があったそうなんですが、あまりの悲しみに草木も生えない土地になったそうで、その国は滅んだという言い伝えがあるってことみたいですね。」
「ということは、下手に王女様をくれとも言えないし、意に沿わない結婚などしようものなら、国が滅ぶ危険があると」
アルバートはトントンと差し指で机を叩きながらルイの意見を聞いていた。
出来ればこの報告は早く聴きたかったのだが、自分の浅はかな行動によっての事どうしようもないし、もし王女様を手に入れることが出来れば碧の精霊の恩恵まで付いてくる。王女が8歳と聞いたときはどうしようかとも思ったが、書簡を送って当たりだったのではないだろうかもおった。王女が訪ねて来られたときは焦ったが、王女の誤解が早いうちに解けて良かった、一歩間違えば、危うく国の危機に陥いっていたところだ。自分がロリコンじゃなくてよかったと思うばかりである。
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