王女様の来訪
一応、ルイさんは禿げてはいません。アルバートに振り回されているためお疲れ気味なのです。
「失礼します。陛下」
「何かあったか?」
「あのセキリョク国シェリリィ王女様が陛下とお話ししたいと仰って、こちらにいらっしゃっているのですが如何致しましょうか?」
如何致しましょうもなにも来てるっていうのを追い返す訳にもいかないだろう、側で話しを聞いていたルイの顔を見たがどうしようもないって顔をしているし、そもそも王女様は何の話をしに来られているのか?
「シェリリィ王女はどういった話か仰っていたか?」
「いえ何も、ただ少し困ったというか、思い詰めたご様子ではありましたが」
「わかった隣の部屋へお通ししろ、すぐに行く」
近衛兵は返事をすると、礼をして下がっていった。
「さて、どうしたもんか…」
「あまりいい手は思い付きませんが、これは相手の出方を見るいい機会かもしれませんし、シェリリィ王女の人柄を知るいいチャンスかもしれません。何分陛下があんな一文を書いたと知ったのは、こちらへ転移してきた時だったもので、情報があまりにもすくなすぎますしね。」
ルイの顔には自業自得ですと書いてあったが、これが幼気な少女の運命を左右する事でもあるので、軽はずみな事は出来ないとルイの頭を悩ませるのは明白だった。アルバートはルイに申し訳ないと思い自国に帰ったらよく効く毛生え薬をプレゼントしようと心に誓うのだった。
「来国されたばかりでお疲れのところに急に来てしまい申し訳ありません」
「いえ転移魔法で来たので特に疲れたという事はないですよ。お気になさらずにどうぞお掛けください」
「お気遣いありがとうございます」
そう言ってソファに腰掛け迎えに自分も腰を下ろし、シェリリィ王女を観察してみると確かに兵士が言ったように何か思い詰めたように見える。まだ幼い王女様は小さく、人形のような外見と淡い色のドレスがあいまって、触れたら壊れてしまいそうである。
アルバートは出来るだけ優しく問い掛けた。
「お話しとは?」
問い掛けてみたもののシェリリィ王女は言い出しにくいのか、言い出そうとして顔を上げては、すぐに俯いてしまう。暫くそうしていると俯きがちに王女様が話し始めた。
「あの、、とても言いにくいのですが、今からお話しする事はあくまで確認といいますか、不快に思われるかもしれませんがよろしいでしょうか?」
「不快に思うかどうかは、お話しいただかないと分かりませんが、お話し頂いてシェリリィ王女様を私が何か害しようという事はありませんと約束致しましょう」
そう言わないと話が進みそうにないし、先程ルイにロリコン疑惑をかけられた事もあって俺が虐めているような気になって居た堪れない気なるのだ。
シェリリィ王女は小さく一息つくと意を決したように話し始めた。
「それでは、アルバート陛下は言いづらいのですが、私のような子供がその、なんというか、対象になるお方なのですか?」
「・・・そういう対象???」
言われた意味が分からず考えていると理解してもらえなかったと思ったのか問い掛けたと思ったのかシェリリィ王女が爆弾を投下した。
「えっと、なんて言うんでしたっけ…幼女趣味なのでしょうか?!」
王女様やっと喋ったと思ったらまさかの発言ww