始まり。
始めまして。初めて投稿させてもらう捨て猫といいます。
高校生の駄文ですが、少しでも目を通してもらうと嬉しいです。
読者への警告としては、少しグロテスク(残酷なシーン)を入れる予定ですので、苦手な方は飛ばしてもらいたいです。
その点を考慮し、作品を書いていきます。
煙草の煙とともに、嫌になる程に綺麗な朝日は昇った。
タバコの煙で茶色に染まったカーテンは、どうやら太陽を遮らないらしい。
フィルタギリギリまで吸いきった煙草を吸殻に押し付け、重い体をお越し、キッチンへ足を運んだ。
焦げ付いたフライパンに、何枚もの洗ってない皿に嫌気が差す。
「誰かあらっ・・・と・・・・」
狭いリビングに目をおいたとたん、体の中にある何かがきょとんと落ちたようなきがした。
僕は一人だった・・・。
なんだか、こんなシーン昔にもあったような・・・。
顔を洗う事を忘れ、重いため息とヤニの詰まった喉に意識が回る。
今日も辛い。
地方国立大学 哲学部 偏差値は・・・あえて伏せておこう。 そして中退だ。
でき過ぎた最悪の学歴だ。
親元を離れ、東京の隅っこに住む。 仕送りは、少しもらっている。
ニートにでもなりそうだ。
ただ、俺は地を這うねずみやゴキブリではない。
光を求める蛾だ。
たとえは酷いが、光を求める。
そして、その光とは・・・
バイトの面接だ。
高校生の時、中堅のファーストフード店にアルバイトとして入ったが、当然。
コミュニケーションがとれないわけだ。
対人恐怖症とでも言うのだろうか、キッチンで接客もないと浮かれていたが・・・
重度のコミュニケーション障害だ。
面接も挨拶もままならなく、仕事の説明を聞いていても、落ち付かずにいた。
一週間もしないうちに、ばっくれをしてしまった。
ただ、今日は違う。
高校生の時は、ただの小遣い程度と働いてみようと、興味だけで動いていたが・・・
今の身分、ただのフリーターだ。
生活が掛かっている。 といっても仕送りをもらっているのだが・・・。
重い腰を上げ、仕度をする。
「さて、服を着て・・・」 外へ・・・
足は意外と重かった。
今時は不景気だ不景気だ。 汚い馬鹿なおっさん達が言っているがどうだろう。
よほどの見た目に、性格でなければ・・・と俺は対策を練っていた。
まず、きれいな服に・・・挨拶から・・・履歴書だ。
真っ白な履歴書を見て、無力になる。
暗い気分のまま、事前に連絡を入れておいたラーメン店に行く。
「も、もうすぐで時間だ・・・ 5分前ぴったりにか? うむ・・・」
少し足が重い。 働くなんて久しぶりだ。。。
店に入り、ビクビクと足と手を震わせ、命いっぱいの力で店員に言った。
「あ・・・あああっあの、てん・・てんちょ・・」
戸惑う俺に、綺麗な女店員は言う。
「お客様どうなされましたか?」
もう駄目だ。周りに人がいすぎる。 出たい。 早く出たい。
「ごめんなさい!!!!」
言いなれた言葉は絶対に噛まない。
女店員が何か言おうとしたとたん、俺は無意識に走って外に出ていった。
ドアも半開きだったし、あまりに大きい声だったため外に漏れていたようだ。
俺の大嫌いな他人がいっぱい見ている。
顔になんともいえない苦味が走り、人なんてどうでもいい。 走り去った。
走っている途中、走馬灯というべきではないが、昔の嫌なことを思い出した。
無駄な事なのに。
ざわついた心が落ち着き、公園のベンチに缶コーヒーを飲み、残り少ないグシャグシャの箱にあるタバコ一本を吸って休憩する。
自分の中での設定は、職を無くし、ただ呆然としている若サラリーマンだ。が、職は元からない。
なりきり、と思うもつかのま、昨日降った雨の水溜りに自分の姿が映る。
薄汚れていて、ちょっと髭も生えすぎではないか?
心も老化していっているせいか、自分がふけて見える。
公園のベンチに座るなんて事がなかったせいか、ベンチの汚さに嫌気がさす。
「うぅ・・・ガムついてる・・・」
鼻の横に変なシワがよる。
さて、これからどうすべきだろうか・・・
もうバイトの面接なんてこりごりだ・・・ 一軒しか言ってないけど(笑)
自分で自分をつっこんだせいか、笑いがこみ上げてくる。
ただ、現実が俺を飲み込む。
20なのに、親元を離れて一人・・・ さらに学生ではなく立派なニートだ。
と、とにかく街をあるいてみよう。なるべく都心部の方に・・・
とぼとぼと歩いていた俺は、少し脚が早くなっていったような気がする。
ネガティブな俺がこんなに元気出しているんだ。 うまくいかないはずがない。
グレーの心に、少し色がついた。 なんとも言えない幸せだ。
だが、一人だ。
東京の都心部。 名前は分からない・・・ ここは新宿なのか、池袋なのか・・・上野か?
まぁとにかく、看板のない家が建つ辺鄙な場所ではなく、華やかなところだ。
自分には華やかな所がないと言っていたのもつかのま、案外中央の線を外れただけで、アスファルトは汚れ、排気管が目立つ。排水溝なんて一番ひどく、黒いガムがこべりついている。
「どっかアルバイト募集広告はっと・・・」
数人人がいたが、気にもせず独り言を漏らすと、一人ぐらいであろうか、視線を感じた。
「ちょっとそこの兄ちゃん、話相手になってくれないかぁん?」
汚れたジャンバーに、埃まみれの帽子、ズボンだけペンキがついた変な格好に鼻が曲がる。
「え・・・っと・・・」
つい癖で手をちらつかせてしまう。
だが、乾いた唇のこの爺さんは一向に話をやめなかった。
「いいじゃないか、いいじゃないか兄さんや! そんな若いのにこんなはずれで歩いてるとは面白い身分じゃないか。 酒でも飲むか? タバコは嫌いじゃなさそうだなぁ~ 持ってるみてぇだしのぅ」
ストライク。 実に俺の嫌いなタイプに入る。 どこまでもうるさいやつ。
「あ、あの・・・ええ・・・」
素っ気無い返事を返す。
「まぁそこに座りなさんな~兄ちゃんよ!」
ビールケースをポンッポンッと叩く。
それにしても、墨のように黒ずんでいる。
「え、えぇ・・・」
「そんでさ、兄さんや、ここで何しとるんかいの?」
痛い言葉だ。 どう言葉を返そうか迷い、手がチラチラと動く。
「そ、その・・・ちょっと仕事探しに来たんです。」
まごついた口調で言う。
すると、待っていたかのように言葉を放った。
「兄ちゃん、ちょっとこっちこないかい? ほれほれっ」
黒ずんだ手を振る。
排気管が入り組み、華やかな舞台裏。
後書きって感想でいいのでしょうかね・・・
2・3回見直したのですが、やっぱり変な所がちょこちょことある・・・。
ほかの人の作品を見て、今後も努力していきたいです。
何か感想がありましたら、ご遠慮なくご感想を!