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濁流の中で  作者: 一宮 沙耶


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8話 再会

「どういうことなの? どうして花音さんと結婚なんてことなるのよ。」

「ごめん。花音と街中で偶然会って、飲みに行こうとなって、よく会うようになったんだ。」

「だから、このところずっと遅かったの・・・」

「それでね、この前、出張と言っただろう。あれは、花音との旅行だったんだ。そこで、プロポーズした。だから、もう乃愛とは一緒にいられない。」

「二股かけていたってこと?」

「そうなるかな。でも、もう僕の心には100%、花音しかいないんだ。」

「ひどい。」

「だから謝っている。今夜は、僕は外のホテルに泊まるから、乃愛は、荷物をまとめて、明日の昼までに出て行って欲しい。カギは、ポストに入れておいてくれ。じゃあ、これまで僕の彼女でいてくれてありがとう。」

「花音って、裏表がある人なの。隆一は騙されてるの。」

「そういうのは醜いから、やめた方がいい。そんなこと言える立場じゃないけど、最後のアドバイスだから。花音はそんな人じゃない。」


どうして花音なの?

隆一と別れて生活することなんて、今まで考えたことがなかった。

この家には、隆一との思い出の品ばかり。

涙で前が見えなくなってる。


でも、私のことを捨てた隆一に、よりを戻してなんてことは言えない。

持ち物を整理すると、手提げ袋一つにまとまった。

この家で、私の存在って、こんなに小さかったんだ。


夜中2時にタクシーを呼んで自分の家に戻ったの。

同棲を始めたばかりで、まだ自分の家を解約していなかったから。

しばらく誰もいなかった部屋は寒かった。


でも、どうして花音は、隆一と結婚なんてことになったのかしら。

たぶん、私に自分の方が魅力があると見せつけたかっただけだと思う。

私と別れたと知ったら、隆一をあっさりふるんじゃないかしら。


私への嫌がらせ。本当にひどい人。

私をあざ笑っている花音の顔が浮かんだ。

そして、ふった隆一のことをすぐに忘れる花音の顔も見えた。


それから1年が経ったの。

隆一からの連絡もなかった。

本当に結婚したのかもしれない。

私が邪推しただけだったのかしら。


そんな事を考えていた私の仕事は順調だったの。

でも、グローバルコンサルファームでも、女性の立場は弱かったの。

クライアントは、女性なんてとバカにされることも多かった。

やっぱり、会社が変わっても、ここは日本だものね。


クライアントとの飲み会で、偉い人が、なにげに触ってくることもある。

足に手を置かれた時なんて、本当に気持ちが悪かった。

でも、そんな気にさせてしまった私も悪いと反省したわ。


取引に悪い影響を与えるのも良くないし、黙ってるのがいい。

でも、そういうことで日本は変われないのかもしれないわね。


一方で、男性たちは、笑顔で一つになって前に進んでいく。

バカだと思うこともある。

だけど、あんなに子供のように無邪気に信じ合い、一つになれるのは羨ましい。


女性どうしでは、あんな純粋な関係にはなれないから。

男性のときになにも考えずにやっていたことができないもどかしさも感じていたの。


そんな事を考えて過ごしていた時、衝撃的なニュースが舞い込んだの。

花音が殺されたって。

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