表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生
第二部「大罪と新国家編」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/172

第87話:逆巻く業火と、帝都の門

盾の処刑台


蓮の背後に浮遊する無数の巨大な盾。それは本来、皇帝を守るための絶対防御の壁だった。 だが今、それは蓮の意思一つで動く、巨大な質量兵器へと変わっていた。


返してやるよ。お前たちの忠誠心の重みを。


蓮が指を弾いた。 その瞬間、浮遊していた数百枚のタワーシールドが、持ち主である近衛兵団に向かって殺到した。


なっ、馬鹿な!? 盾が制御できない! ぐわぁぁぁッ!!


重装甲の騎士たちが、自分たちの盾に挟まれ、押し潰されていく。 鉄と鉄がぶつかり合う凄まじい音が響き、最強と謳われた近衛兵団王の盾は、文字通り鉄屑の塊へと圧縮された。


防御を攻撃に転用するとはな。 カイルが呆然と呟く。 彼らが誇る絶対防御は、蓮の概念書き換えによって、逃げ場のない鉄の処刑台となっていた。


真理の凍結


おのれぇぇッ! よくも陛下の兵を!


第五将炉が激昂し、背中の焼却炉を臨界点まで暴走させた。 彼の全身が白熱し、周囲の地面が溶岩のようにドロドロに溶け始める。


我は真理の器! この世の全てを焼き尽くす熱量そのものだ! 貴様も、その盾も、分子レベルで分解してやる!


第五将が両手を突き出すと、太陽の表面温度にも匹敵する白い熱線が放たれた。 それは防御不可能な、純粋なエネルギーの暴力。


だが、蓮は動かなかった。


熱いな。少し冷やしてやる。


蓮は漆黒の右腕を、迫りくる熱線にかざした。


良く、なれ。


蓮が定義したのは、熱の奪取ではない。 第五将の周囲におけるエントロピーの逆転、すなわち熱運動の完全停止だった。


キィィィィン……!


耳鳴りのような音が響いた直後、世界から赤色が消えた。 第五将が放った極大の熱線が、蓮の手前で瞬時に凍りつき、光の彫刻となって砕け散った。


な、に……? 火が、凍っただと……?


砕ける炉


馬鹿な! ありえん! 我は数万度の熱を持っているのだぞ!?


第五将が後ずさる。だが、彼の体からも急激に熱が失われていた。 背中の焼却炉が、冷気によって白く霜を帯び、ピキピキと音を立てて亀裂が入っていく。


急激な温度変化には弱いみたいだな。


蓮がゆっくりと歩み寄る。 第五将の体は、超高温から絶対零度への急激な変化によって、熱衝撃を起こしていた。装甲強度が限界まで低下し、ガラスのように脆くなっている。


貴様……何をした……! これは魔法ではない!


ただの物理現象だ。お前の真理とやらも、虚無の前では焚き火以下の価値しかない。


蓮が、凍りついた第五将の胸を、デコピンのように軽く指で弾いた。


パァァァンッ!!


第五将の巨体が、粉々に砕け散った。 肉片も残らない。微細な氷の塵となって、風にさらわれて消滅した。 帝国が誇る第五将、そして神の座真理の器候補は、皮肉にも自らの熱を奪われて敗北した。


鉄の都


邪魔者は消えた。行くぞ。


蓮の号令と共に、アヴァロン軍が再進撃を開始する。 焦土と化した戦場を抜け、煙が晴れたその先に、ついに敵の本拠地が姿を現した。


あれが……機甲帝国ゼノン。


ユリアが息を呑む。 地平線を埋め尽くす巨大な工場群。空を覆う黒い排煙。 そして中央にそびえ立つのは、城というよりは巨大な機械仕掛けの塔だった。 無数の歯車とパイプが絡み合い、都市全体が一つ生き物のように駆動音を上げている。


歓迎されているようですね。


カイルが指差す先、帝都の巨大な正門が、重々しい音を立ててひとりでに開き始めた。 罠か、それとも余裕の表れか。


皇帝からの招待状


門の奥から、増幅された声が響き渡る。


よくぞ参った、虚無の器よ。そしてアヴァロンの有象無象ども。


その声には、圧倒的な威圧感と、底知れぬ知性が宿っていた。 ゼノン皇帝の声だ。


我が第五将と第八将を退けたこと、褒めて遣わす。だが、これはまだ選定の儀式の前座に過ぎない。


帝都の内部、広大な広場に、残る将軍たち八神将の生き残りと、未知の巨大兵器が整列しているのが見える。


中へ入れ。真の神を決める闘争は、この帝都という闘技場で行われるべきだ。私が直々に、貴様らの絶望を『裁定』してやろう。


蓮は、開かれた門を見据え、不敵に笑った。


いい度胸だ。その玉座、僕が座るまで温めておけ。


全軍、突入! 蓮の叫びと共に、アヴァロン軍は開かれた顎のような帝都の門へと雪崩れ込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ