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「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生
第一部「復讐と奪還編」

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第46話:聖なる処刑と、偽りの神具

1. 革命軍の遺産

パラガスの案内で、蓮たちは地下都市のさらに奥、革命軍が隠していた司令室へと通された。そこには、地上では失われたはずの旧式の魔導通信機や、都市の配管図が広げられていた。


「来るぞ。教会の『浄化部隊』だ」


パラガスが通信機からのノイズ混じりの報告を聞き、地図の一点を指差した。


「奴らの狙いは、カイル君が集めた『廃棄指定者』の一斉処分。そして、イレギュラーである貴方の排除だ」


セラフィナが地図を覗き込み、顔をしかめた。


「部隊長は誰ですか? この配置……ただの騎士団ではありません。魔導師を後衛に置かず、散開させている。これは『広域結界』を展開する時の陣形です」


パラガスが答える。


「指揮官の名は、ガラルド。聖堂騎士団、第十三独立部隊長だ」


その名を聞いた瞬間、セラフィナの表情が凍りついた。


「ガラルド……。彼は、かつて私の剣術の師でした。信仰心など欠片もない、教会が飼う『処刑執行人』です」


蓮は、自身の漆黒の右腕を撫でながら言った。


「師匠か。因縁めいてきたな」


「はい。ですが、感傷はありません。彼は教えてくれました。『騎士とはシステムを守る歯車だ』と。今、私はそのシステムを壊す側にいます」


セラフィナは迷いなく剣の柄を握った。


2. 聖域という名の檻

地上への通気口から、純白の鎧を纏った一団が降りてきた。


彼らはスラムの住人を見つけると、問答無用で杖を掲げた。


「汚物は消毒せよ。神の御意志である」


彼らが持っているのは、黄金に輝く杖。そこから放たれる光は、スラムの住人たちを焼き払うのではなく、彼らの体内にある魔力を暴走させ、自壊させるものだった。


「ぎゃああああ! 身体が、熱い!」


「助けて! 誰か!」


蓮たちが駆けつけた時、すでに数人が光に焼かれて倒れていた。


「……趣味が悪いな」


蓮が低く呟く。


ガラルドと呼ばれた巨漢の騎士が、倒れた住人を踏みつけながら笑った。


「おや、ネズミの親玉か。それに……セラフィナ、落ちたものだな。魔王の手先になるとは」


ガラルドは、手に持っていた黄金の杖を地面に突き立てた。


「展開せよ。『聖域サンクチュアリ』」


瞬間、空間が白く歪んだ。


リサが苦悶の声を上げて膝をつく。フィーネも呼吸が荒くなる。


「身体が……重い。魔力が、上手く練れません」


「これは……教会秘蔵のアーティファクトによる『能力制限結界』です! この領域内では、教会に登録されていないスキルの効果が半減します!」


セラフィナが叫ぶ。これが、教会が数千年にわたって支配を維持してきたからくりだった。圧倒的な武力ではなく、システムそのもので相手を弱体化させる卑劣な罠。


3. 古代のガラクタ

しかし、蓮だけは平然と立っていた。


ガラルドが眉をひそめる。


「ほう? Eランクごときが、なぜ立っていられる? 神の威光の前では、貴様のようなゴミは這いつくばるはずだが」


蓮は、ガラルドが持っている黄金の杖を、冷ややかな目で見つめた。


そして、かつて地下の廃棄場で見た光景と、この杖の構造を重ね合わせた。


「神の威光? 笑わせるな」


蓮は一歩踏み出した。


「その杖……古代遺跡から掘り出した『魔力制御装置』のガワを変えただけじゃないか。しかも、メンテナンスもされていない、ひび割れだらけの代物だ」


「な、何を……」


蓮の『強化された知性』と、廃棄場で得た知識が繋がった。


教会が崇める「聖遺物」の正体。それは、かつて神話大戦で使われ、そして廃棄された「古代文明のゴミ」を、彼らが理解もせずに使い回しているだけのものだった。


「お前たちが信じている『システム』の正体なんて、そんなものさ。過去の遺産にすがって威張っているだけの、墓泥棒だ」


4. 概念の粉砕

「黙れ! 異端者が!」


ガラルドが激昂し、杖の出力を上げた。白い光が蓮を押し潰そうとする。


だが、蓮は漆黒の義手『虚空の右腕』を掲げた。


この右腕は、その古代文明が「危険すぎて捨てた」最強の廃棄物だ。制御装置ごときで抑え込めるレベルではない。


「……消えろ、ガラクタ」


蓮が右手を握り込む。


バキィッ!!


ガラルドの手元で、黄金の杖が何の前触れもなく爆散した。


「なっ……!? 国宝級のアーティファクトが!」


「国宝? ただのゴミだよ」


蓮の義手が、空間に漂う『聖域の概念』そのものを握り潰したのだ。


結界が消滅し、リサとフィーネに力が戻る。


「リサ、右翼を崩せ! フィーネは負傷者の治療を! セラフィナ、お前の師匠だ。引導を渡してやれ!」


「御意!」


セラフィナが、迷いのない剣速でガラルドに肉薄する。


「ガラルド隊長! 貴方が守っていたのは神ではありません! 過去の亡霊です!」


「小娘がぁぁぁ!」


剣戟が交差する。


蓮は、その光景を見ながら確信していた。


この世界の支配者たちは、自分たちが使っている「力」の正体すら理解していない。そこにはつけ入る隙があり、そしてユリアを救うための「世界の裏側」への鍵も隠されているはずだと。


パラガスの革命軍部隊も、影から一斉に射撃を開始した。

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