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「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生
第一部「復讐と奪還編」

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第44話:虚空の右腕と、概念の掌握

1. 神々のゴミ捨て場

教会の騎士たちを退けた蓮たちは、カイルの案内で、都市の最下層にある重厚な封印扉をこじ開け、地下深くへと潜った。


そこは、広大な空洞だった。


天井は見えず、ただ腐敗した魔力の燐光だけが、山のように積まれた残骸を照らしている。


「うっ……空気が、重い」


リサが獣の耳を伏せて呻く。


そこに捨てられていたのは、ただの生活ゴミではない。かつての神話大戦で使われた兵器の残骸、暴走して制御不能になった魔導具、禁忌とされた生物実験の成れの果て。


世界にとって「危険すぎて処理できない」からこそ、この地の底に蓋をして封印された『最悪の廃棄物』たちだった。


「ここにあるものは、触っちゃダメだって言われてるんだ。魂が溶けるから」


カイルが震えながら言う。


蓮は、そのゴミの山の中心にある、一際異質な気配を放つ黒い金属塊の前に立った。


それは、人の腕の形をしていたが、サイズは倍以上あり、禍々しい漆黒の光沢を放っていた。かつて神を殺すために作られ、使い手を次々と狂わせた末に廃棄された『魔神の腕』の残骸だった。


「これだ……」


蓮の『強化された知性』が、この素材のポテンシャルを見抜いた。


「蓮様、それを……身体に?」


フィーネが青ざめる。その金属塊からは、触れるだけで精神を侵食するような呪いの波動が出ている。


「ああ。僕の『右腕の欠損』という虚無と、この『失敗作の兵器』を融合させる。普通の修復じゃない。概念ごとの結合だ」


2. 激痛の儀式

蓮は、残った左手を金属塊に押し当てた。


「……良く、なれ」


能力が発動する。


しかし、それは今までで最も過酷な作業だった。蓮は自身の「右腕がない」という概念を、「あらゆるものを飲み込む虚無」へと定義し直し、そこに「神殺しの兵器」の概念を無理やり流し込んだ。


「ぐ、ぎあああああああああっ!!」


蓮の絶叫が地下空洞に響き渡る。


肩の切断面から、黒い泥のような魔力が溢れ出し、骨と神経を侵食しながら再構築していく。それは、溶けた鉛を血管に流し込まれるような、魂を直接焼かれる激痛だった。


「蓮様!」


三人が駆け寄ろうとするが、発生した衝撃波がそれを阻む。


「来るなッ! ……これは、僕が背負うべき『業』だ!」


蓮は血の涙を流しながら、意識を保ち続けた。


痛みに負ければ、精神が兵器の呪いに乗っ取られ、ただの殺戮マシーンと化す。


(耐えろ……。ユリアが味わっている『永遠の孤独』に比べれば、こんな痛みは……! この腐った世界をひっくり返す腕だ……こんなところで!)


3. 虚空の右腕

数時間にも感じる、永遠のような数分間が過ぎた。


光が収束し、蓮の荒い呼吸だけが響く。


蓮の右肩には、漆黒の金属光沢を放ち、赤い亀裂のような紋様が脈打つ、禍々しくも美しい『義手』が装着されていた。


指先は鋭利な鉤爪のようで、掌には小さなブラックホールのような闇が渦巻いている。


「はぁ……はぁ……」


蓮は、全身から冷や汗を流しながら、新しい右手をゆっくりと握りしめた。


物理的な肉の感覚はない。だが、空間そのものを握っているような、恐ろしいほどの全能感があった。


「成功……しましたか?」


セラフィナが恐る恐る尋ねる。


蓮は、近くにあった巨大な鉄骨の残骸に右手を向けた。


掴む動作をする。だが、触れてはいない。


「……『圧縮』」


瞬間、数トンある鉄骨が、音もなく飴細工のようにひしゃげ、ビー玉ほどのサイズに圧縮された。


物理干渉ではない。空間の座標と、物質の密度という『概念』を直接握り潰したのだ。


「これが、『虚空の右腕』……。物理法則も、概念も、全てを握り潰すゴミの力だ」


4. 最初の国民

「凄い……」


カイルが目を輝かせて見ていた。彼は、その禍々しい腕に恐怖ではなく、希望を見ていた。


蓮は、その右腕の力を解き、カイルに向き直った。


「カイル。君の足、治してあげるよ」


「え? でも、生まれつきだし……。それに、教会の人は、これは罰だって……」


「関係ない。僕にとって『治せない』なんて概念は、ただのゴミだ」


蓮は漆黒の右腕を、カイルの欠損した足にかざした。


「良く、なれ」


義手の能力で、カイルの運命に刻まれた『欠損』という概念そのものを握り潰し、そこに『完全なる再生』という概念を上書きする。


さらに、カイルが持っていたハズレスキル『泥遊び』を、この地下の豊富な資源を活用できる『錬金創造』という上位スキルへと強化した。


光が収まり、カイルがおそるおそる目を開けると、そこにはあるはずのない健常な足があった。


「た、立った……! 僕、歩ける……!」


カイルが泣きながら飛び跳ねる。


蓮は、その様子を見ながら、仲間に告げた。


「これが始まりだ。この街にいる『捨てられた人々』全員を、僕の力で治す。そして、彼らに新しい力を与える」


蓮は、漆黒の右腕を高く掲げた。


「王国が捨てた『ゴミ』が、王国を凌駕する『黄金』に変わる瞬間を、世界に見せつけてやるんだ」


それは、腐った世界への反逆であり、蓮たちによる『理想郷アヴァロン』建国の第一歩だった。


地下の暗闇の中で、確かな革命の火が灯った。

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