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「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生


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第4話:追放された獣人少女と新たな絆

賑わうギルドにて 蓮とフィーネは、ダンジョンで得た素材を換金するため、中規模の街の冒険者ギルドを訪れた。


蓮が持ち込んだ素材は、コボルトやレッドゴブリンのものばかりだが、なぜかその品質が異常に高い。これも、蓮が【全能化】で素材の『品質』を強化し続けていた結果だ。


ギルド職員は目を丸くした。


「こ、これは素晴らしい品質だ!これなら通常価格の倍以上で買い取れます!それにしても……あなた方、冒険者登録は?」


蓮たちはその場で登録を済ませ、Cランクから冒険をスタートさせることになった。Eランクスキルしか持たないはずの二人の異例のスタートに、ギルド内はざわついた。


そのざわめきの中、蓮は一人の少女に目を留めた。


リサという名の不遇 少女は、きらめく黒い耳と尻尾を持つ獣人族だった。彼女は隅のテーブルに座り、粗末な食事をしながら、周囲の冷たい視線に耐えているようだった。


その視線には、侮蔑と警戒が入り混じっていた。


蓮はフィーネに尋ねた。


「あの少女は?」


フィーネは声を潜めた。


「あの方はリサさん。腕の立つ前衛アタッカーですが、少し前にSランクのパーティーを組んでいたのに、裏切られて追放されたと噂されています。獣人族というだけで偏見を持たれ、どこのパーティーも受け入れてくれないんです」


蓮はその話を聞いて、ある種の既視感を覚えた。自分とフィーネも、スキルのランクだけで価値を決めつけられた。そして、Sランクのパーティー、追放というワードが、彼の脳裏に、佐野瑛太の顔を浮かび上がらせた。


(Sランクのパーティー……もしかして、あの光の勇者の取り巻きか)


蓮はためらうことなく、リサのテーブルへ向かった。


「あの、少しお話ししてもよろしいですか?」


リサは警戒心剥き出しで蓮を見上げた。


「……何よ。嘲笑いに来たの?私はもう、どのパーティーにも入るつもりはないわ」


追放者の共通項 蓮はリサの対面に座り、フィーネも優しく微笑んで隣に座った。


「嘲笑うつもりはありません。僕たちも、『不要』と見なされて追放された身ですから」


蓮は静かに自分のEランクスキルと、王都を追放された経緯を話した。フィーネも、自分の【微小治癒】が笑われ、パーティーから弾かれていた過去を明かした。


リサの瞳に、わずかな動揺が見えた。


「Eランクで、あのゴブリンロード級の素材を持ち込んだあなたが……追放?」


「はい。僕の力は、コネと権威を持つSSランクの勇者には理解できなかったようです」


蓮の言葉に、リサの瞳の色が変わった。彼女は低く、怒りに満ちた声で呟いた。


「SSランクの勇者……光の勇者、佐野瑛太のことね」


蓮は首肯した。


「もしかして、あなたも彼と関わりが?」


リサはテーブルを拳で叩いた。


「あいつのパーティーにいた!私は最高の戦力だったのに、気に入らないことがあるとすぐに罵倒してきた!あいつの傲慢な作戦のせいでピンチになった時、『獣人は使い捨てで十分』と言われ、全ての報酬を奪われて追放されたわ!」


瑛太の横暴は、王都を離れても、多くの人間に傷を与えていた。


「裏切られたのは、スキルランクの低い僕だけではなかったのですね」


蓮は共感を示した。リサの表情から、瑛太への深い憎しみと、人間に対する不信感が読み取れた。


誘いと可能性 蓮は真剣な眼差しでリサを見つめた。


「リサさん。僕たちと一緒にパーティを組みませんか?」


リサは驚いた。


「……どうして?あなたたちの力があれば、もっと優秀な人材を選べるでしょう」


「優秀かどうかは、ランクや種族では決まりません。フィーネさんのEランクスキルが、無限強化で【治癒の聖域】に変わったように、あなたの力にも、無限の可能性があるはず」


蓮は、【全能化】の無限強化を、リサ自身の身体能力に試してみるつもりだった。


フィーネが笑顔でリサの手を握った。


「私たちは、神崎様の力で、『本当の自分』になれたんです。リサさんも、私たちと一緒に、新しい道を歩きませんか?」


リサは迷った。しかし、自分を利用ではなく、可能性として見てくれる蓮とフィーネの優しい眼差しに、心が揺さぶられた。そして、瑛太に追放された者同士の絆に、何か特別なものを感じた。


「わかったわ……。私は剣を振ることしかできないけど、全力であなたたちを守る。ただし、光の勇者に報いを受けさせる時は、私も必ずいるわ」


蓮は笑みを深くした。


「それは約束します」


こうして、Eランクの無限強化使い、元Eランクの治癒師、そして追放された獣人の前衛という、異色の3人パーティーが結成された。


「それでは、パーティー名は……そうですね、『エンハンサーズ(強化者たち)』なんていかがでしょう」


「素敵です!」フィーネが賛同した。


リサも、久々に心から笑って頷いた。彼らの旅は、さらなる強さと、光の勇者が引き起こすであろう騒動へと向かっていく。

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