表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/36

第31話:悠久の狭間と、絶望的な逃亡

1. 概念の臨界点と世界の悲鳴

祭壇の広間は、ゼラスの暴走した儀式により、終焉の光と闇の渦に包まれていた。


蓮は、激痛に耐えながら、自身の**『概念の否定』**の術式を維持するが、ゼラスの制御を離れた概念の波は、世界へと向かって噴出していた。


その瞬間、広間に、銀色の鎧を纏った三体の概念管理者が出現した。


「我々は概念管理機構。最大の不完全要素イレギュラー。コード:オール・エンハンスを排除する」騎士の一人が、無機質な声で告げる。


彼らの攻撃は、**『絶対的な秩序』として蓮の『存在』**そのものを消し去ろうと迫る。


2. 絶望の檻と仲間の喪失

蓮は、管理者たちの攻撃を避けながら、仲間たちに脱出を促した。「リサ、ユリア、セラフィナ!僕の左手に触れて!緊急脱出する!」


仲間たちは管理者たちの猛攻を避け、蓮の元へ駆け寄る。しかし、管理者たちの速度は、蓮の**『強化された知性』**の予測を超えていた。


ユリアが蓮の元へ辿り着く、その一瞬前。


管理者の一体が、**『時間』と『空間』**の概念を同時に操る、無慈悲な術式を発動した。


「排除不能なバグは、**『永遠の固定』**を以て封印する」


ユリアの周囲の空間が、硬質なガラスのように軋み、時間の流れが停止した。彼女の騎士の鎧と、その瞳に宿る蓮への忠誠心が、そのまま**『檻』**として具現化された。


「神崎殿……っ!」ユリアは、最後の力を振り絞り、蓮の名を叫んだ。


管理者たちは、その時間停止されたユリアの存在概念を、**『悠久の狭間エターナル・リム』**と呼ばれる、時間の流れない次元の牢獄へと、容赦なく押し込んだ。


ユリアの姿は、目の前で、音もなく、光の粒子となって消失した。


3. 永遠の不在と逃亡

「ユリア……っ!」リサの悲痛な叫びが広間に響き渡る。


「許さない!管理者め!」セラフィナが怒りに震え、剣を振るうが、管理者たちの壁を破ることはできない。


蓮は、右腕の激痛を忘れ、左手でリサとセラフィナを強く掴んだ。彼の心は、**『概念的切断』という傷とは比べ物にならない、『永遠の不在』**という絶望的な痛みに襲われていた。


(僕の絆の概念が、彼女を守れなかった……!彼女は、死ぬこともなく、生きている限り永遠にあの狭間に閉じ込められる……!)


蓮は、このままでは残りの仲間も失うと悟り、理性を奮い立たせた。


「リサ、セラフィナ、フィーネ!立て直す!彼女を救う概念を、必ず見つける!」


蓮は、涙を流すフィーネに、脱出の術式の構築を急いだ。


「リサ、セラフィナ、フィーネ、僕の左手に集中して!生存の概念を優先する!」


蓮は、心の中で**【全能化】**の術式を最大に叩き込んだ。存在の瞬間的移動を最大強化!


蓮たち三人とフィーネの身体は、不安定な光の粒子となり、広間から消失した。


4. 旅路の変貌と誓い

蓮たちは、不完全に発動した儀式の影響で**『概念の異常』**が発生した、荒涼とした大地に転移した。


蓮の左手は、ユリアを救えなかったという**『後悔の概念』で、熱く震えていた。彼らの旅は、単なる逃亡ではなく、『悠久の狭間に囚われた仲間を、概念の力で救い出す』**という、新たな、そして絶望的な使命を背負うことになった。


蓮は、その場で木の枝を地面に突き刺し、誓いを立てた。


「ユリア殿……!僕の**『Eランクのチート』は、必ずあなたの『忠誠心』**という概念を、永遠の狭間から救い出します!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ