表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/39

第19話:聖域からの警告と、国家の危機

1. 聖域を襲う闇の概念

蓮たち四人は、フィーネの故郷であるエルフの隠れ里「聖域」に到着した。しかし、里は奇妙な病によって生命力を蝕まれ、不穏な空気が漂っている。


蓮が到着した際、里のエルフの衛兵たちは、憔悴しきったフィーネを責めていた。


「フィーネよ!お前が里を出たせいで、治癒の力が弱まった!この病は、お前の能力が失われた時から始まったのだ!」


「違います!私の【微小治癒】は、弱まったのではなく、変化したんです!」


長老たちが現れ、事態はさらに深刻だと告げた。


「人間よ、静まれ。この病は、すでに里だけの問題ではない。この数日、里の結界をすり抜けた**『闇の概念』**が、近隣の国境の町まで広がり始めている。通常の治癒魔法は一切効かず、このままでは、国家的な疫病へと発展する!」


蓮は事態の緊急性を理解した。佐野瑛太の汚染された力が、特定の場所の治癒の概念を破壊し、病として世界に拡散し始めている。


蓮は即座にフィーネの妹と里の病人を**『強化された鑑定』**で分析した。


「これは、生命力そのものの**『概念』が汚染されています。『光の勇者』の闇の残滓**と同じ性質。通常の治癒では治せません」


蓮は懐から**『治癒の根源』**の宝珠を取り出した。


2. 苦渋の決断

蓮は、宝珠とフィーネの**【治癒の聖域】を【全能化】**で融合させ、里の病人を治療した。圧倒的な浄化の力に、里のエルフたちは跪き、蓮を救世主として認めた。


しかし、長老は告げた。


「病は治りましたが、闇の概念が里の魔力源を汚染した影響は残っている。そして、この病はすでに国境を越え、王都方面へと向かっている。追うには、手遅れです」


蓮は苦渋の表情を浮かべた。


(僕たちがこの里の汚染源を完全に除去するには時間がかかる。だが、病はすでに王都へと向かっている。国が危機に瀕すれば、僕たちの居場所も、フィーネの故郷も、全て失われる!)


蓮は、**『強化された理性』**をもって、最も冷徹で、最も正しい判断を下した。


「フィーネさん。あなたは、この里に残ってください」


フィーネは絶望したように顔を上げた。


「なぜですか、神崎様!私が、あなたの**『治癒の概念』**として、一番必要なのではありませんか?」


「必要です。ですが、里の魔力源の汚染を除去し、この病が再発しないように見張れるのは、**【治癒の聖域】**に進化し、里の魔力に精通しているあなただけだ」


蓮は、**『治癒の根源』**をフィーネに託した。


「この宝珠は、あなたに預けます。僕たちは、この病の源、**『闇の概念』が向かっているという東方の『神の塔』**へ向かう。そこで黒幕を叩けば、病の拡散は止まる」


3. 残された誓い

フィーネは、蓮の瞳に宿る国家的な使命感と、仲間を守る決意を感じ、自分の自己犠牲が、蓮の重荷になることを悟った。


「わかりました……神崎様。私はここで里を守り、あなた方の勝利を待ちます。必ず、無事に戻ってください。そして、私が里を守りきった暁には、必ずあなた様の傍に戻り、私の『忠誠』と『絆』を、改めてお示しします」


フィーネは涙を流しながら、蓮の手に唇を押し当てた。その行為は、『特別な制御』によって固く結ばれた、誰にも侵されない忠誠の誓いだった。


「必ず戻ります。フィーネさん」


リサ、ユリア、セラフィナも、この苦渋の決断を見届けた。彼女たちの心には、フィーネへの友情と同時に、蓮という主の傍にいる優越感が交錯していた。


「フィーネ。安心しろ。私たちが、神崎を誰にも渡さないよう、最強の護衛を務めてやる」リサが力強く告げた。


蓮は、フィーネの里を後にし、闇の概念の痕跡が向かう**東方の『神の塔』**へと馬車を走らせた。


4. 王都の混乱と不穏な影

蓮たちが旅立った頃、王都では**『闇の概念』**による病が急速に広がり始めていた。


王城の騎士や魔術師が次々と倒れ、機能不全に陥る中、王女エリシアだけは、蓮が施した**『特別な制御』と『強化された理性』**によって正気を保っていた。


「佐野瑛太が作り出した汚染が、ついにこの王都まで……!」


エリシアは、闇の概念が、『光の勇者』の汚名と共に、この国を崩壊させようとしていることに気づく。


その混乱の中、王宮の一室で、幽閉されていたはずの佐野瑛太が、禍々しい黒い光を放ちながら、監視の目を逃れて姿を消した。


「神崎蓮……全て、お前が悪い。お前のせいだ……」


瑛太の心は、『闇の概念』に完全に蝕まれ、憎悪の傀儡となっていた。彼の目的は一つ、「自分を底辺に落とした神崎蓮への復讐」。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ