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「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生
第三部「神葬と黎明編」

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182/185

第182話:空虚の逆流、あるいは神の飢餓

1. 観察者ガルの確信:奪われた「祈り」

ミディアム北域の街は、かつてないほどの静寂に包まれていた。 だが、それは死の静寂ではない。規則正しく回る水車の音、石畳を叩く荷車の響き、そして広場で議論を交わす人々の活気に満ちた「生活の音」だ。


巡回を終えたガルは、丘の上から自分の故郷を見渡した。 そこにはもはや、天を仰いで救いを乞う者の姿はない。皆、自分の足元を見つめ、自分の手で明日の糧を掴み取っている。 蓮が徹底して教え込んだ「神に頼らない作法」は、住人たちの魂から「信仰」という名の寄生虫を完全に駆逐していた。


2. 土の隠者の警告:貯蔵庫の異変

蓮は、街の地下に作られた巨大な石造りの回廊を、土の隠者テラと共に歩いていた。 ここには魔力など一切ない。ただ、蓮が知識として持ち込んだ物理法則と、ミディアムの堅牢な石材が組み合わさった、巨大な「排魔の盾」としての機能を持つ構造体だ。


「蓮殿。大天の連中が、いよいよ気づき始めましたよ。……彼らにとって、この土地はもはや『不毛』どころではない。自分たちの存在を維持するためのエネルギーが、この地から一滴も供給されなくなったのですから」


隠者の言葉通り、神々にとって人間からの「信仰」や「劇的な感情」は、生存のための食料である。 蓮がミディアム全域に広めた「自立」と「退屈な秩序」は、神々への配給を完全に遮断する、精神的な兵糧攻めとなっていた。


3. 大天のパニック:空っぽの酒蔵

その瞬間、大天の最上層では、悲鳴にも似た怒号が響き渡っていた。


「……あ、あわわ!? 何これ! ミディアム北域からの『収穫量』が、ゼロを通り越してマイナスになってる!」


ファンタズムが、手元にある空っぽのグラスを床に叩きつけた。 彼らが「最高級のヴィンテージ」として熟成を待っていたはずのミディアムの領土は、今や神の権能を一切受け付けない「絶対的な空白地帯」へと変貌していた。


「……私のコレクションが、消えているわ。あそこの住人たちの魂から、私への『恐怖』も『依存』も、一欠片も感じられない。……あの子、ただ農作業をしていただけじゃなかったのね」


ヴェスペラは、震える手で漆黒のモニターを見つめた。 彼らが「退屈」として切り捨て、監視を放棄していた数年の間に、蓮はミディアムという土地そのものを、神のシステムから完全に「デリート(消去)」していたのだ。


4. 傲慢の終焉と、真の脅威

神域の最前線では、派手に暴れ回っていた「傲慢」が、数千の守護騎士に包囲され、ついに膝を突いていた。 だが、彼を仕留めようとした騎士たちは、大天そのものが激しく揺れ始めたことで動きを止めた。


「ふん……。ようやく気づいたか、無能な神ども。私がここで暴れていたのは、貴様らの目を逸らすための『露払い』に過ぎん」


血に染まった傲慢は、空を見上げて嘲笑った。


「真の絶望は、破壊の中にはない。貴様らが最も軽蔑した『泥臭い平穏』の中にこそ、貴様らを殺す刃が隠されていたのだ」


5. 終局への幕開け

神々の飢餓感が限界に達し、大天の空が大きく裂けた。 ついに、痺れを切らした四神が、自らの食糧を奪い返すためにミディアムへと直接降臨しようとしていた。


蓮は、荒野の入り口でそれを静かに待ち構えていた。 隣には剣を構えるユリア、そして薬草の袋を背負ったアルマがいる。


「蓮様……来ます。神々の、本当の怒りが」


「ああ。だが、ここはもう奴らの庭じゃない。……俺たちが知恵と礼儀で作り上げた、俺たちの『国』だ」

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