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「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生
第三部「神葬と黎明編」

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第170話:静かなる簒奪、虚無の玉座

1. 歳月の堆積

境界世界「ミディアム」に降り立ってから、蓮たちの時間感覚はすでに摩耗していた。 この世界での一年が下界の一日に相当するのか、あるいはその逆か。確かなのは、蓮の白銀の髪がさらに透き通り、その瞳から人間らしい揺らぎが完全に消失したという事実だけだ。


大地はかつての混沌とした魔力の暴走を止め、蓮が歩く先々で「秩序」という名の静寂が広がっていた。それは神々が望んだ「占領地」としての安定そのものであった。


2. 中間体の臣従

「蓮様、西の領域を彷徨っていた中間体の一団を鎮圧しました。彼らもまた、貴方の『無』に帰す力を恐れ、傘下に加わることを誓っております」


報告するユリアの姿もまた、かつての可憐な令嬢の面影を脱ぎ捨てていた。彼女の纏う空気は鋭利な刃そのものであり、その背後には神を殺すためだけに磨き上げられた「断絶の剣」が、静かに鞘の中で唸りを上げている。


かつて蓮たちを襲った異形の中間体たちは、今や蓮を「空無の王」と呼び、畏怖をもって崇めていた。蓮が中間体を倒し、その不協和音をデリートして統治するたびに、この世界は神々の法が浸透しやすい「綺麗な器」へと造り替えられていく。


3. 傲慢の予見

「……神々の筋書き通りだな、蓮。貴様がこの世界の王に近づくほど、大天の連中はこの土地を自らの庭として容易に収穫できるようになる。奴らにとって、貴様は最高の『開拓代行者』というわけだ」


傲慢は、巨大な魔獣の骨を椅子代わりにして座り、蓮を見つめた。 彼はかつて、自分の仲間たちを蓮に皆殺しにされた。その絶望の深さを知っているからこそ、蓮が今、神という巨大な罠の中に自ら沈み込んでいる状況に、かつてない危うさを感じていた。


「わかっている。俺が強くなるほど、あいつらの酒は美味くなる。俺がこの世界を治めるほど、あいつらの領土は広がる。……だが、それも想定内だ」


蓮が右腕をかざすと、その周囲の空間がガラスが割れるようにパキリと音を立てて崩落した。そこには白銀の光すらない。ただの「穴」だ。世界の理そのものが欠落したような、絶対的な虚無。


4. 神域の乾杯

真なる大天では、少女の姿をしたファンタズムが、かつてないほど上機嫌で巨大な酒樽を抱えていた。


「あはは! 見てよ、この熟成具合! 蓮くんが境界世界を『浄化』すればするほど、そこから抽出されるエーテルがこんなに澄み渡っていくんだ。もうすぐ、この世界は完全に僕たちの占領地……ううん、最高級の『醸造所』になるよ!」


ヴェスペラもまた、蓮によって平定されたミディアムの地図を眺めながら、満足げに喉を鳴らす。


「皮肉なものね。神への復讐を誓った男が、その手で神の領土を広げている。彼が最後に絶望する瞬間、この酒は神域の歴史上、最も美しい輝きを放つでしょうね」


神々にとって、蓮の成長も、中間体たちの臣従も、すべては予定調和の遊戯に過ぎなかった。

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