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「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生
第三部「神葬と黎明編」

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第168話:神への請求書

1. 氷の交渉

神域に漂う芳醇な酒の香りが、蓮には吐き気を催す腐臭にしか感じられない。彼はファンタズムが差し出した「淫らな誘惑」を、汚物を見るような一瞥で切り捨てた。


「勘違いするな。お前たちが弄んできた命を、禁忌を犯してまで呼び戻すつもりはない。死者を冒涜するのは、お前ら神だけで十分だ」


蓮の言葉は冷たく、そして重い。彼は自身の右腕に宿る白銀の炎を静かに鎮め、傲慢の制止を受け入れた上で、神々に真っ向から対峙した。


「俺が要求するのは、三つだ」


円卓に座る神々が、興味深げに身を乗り出す。少女の姿をしたファンタズムは、空中に浮かせた足をぶらつかせながら、楽しげに目を細めた。


「へえ、何かな? 金かな、権力かな。それともやっぱり、僕の……」


「一つ、お前たちがこの十日間で行った残虐非道の行いによって、壊滅した開拓地と全ての大地を、お前たちの力で今すぐ復興させろ」


蓮の声が神域に響き渡る。


「二つ、お前たちが撒き散らした混乱のせいで起きた治安悪化と魔物の暴走、これら全てをお前たちの責任で解決し、秩序を戻せ。……そして最後だ」


蓮は一歩踏み出し、最奥に座る神を指差した。


「賠償責任として、お前ら四神全員の首を今ここで差し出せ」


2. 傲慢な受諾

一瞬の静寂の後、神域を揺らしたのは、ファンタズムの鈴を転がすような笑い声だった。


「あはは! 傑作だね! まさか自分を強くしろじゃなくて、壊したおもちゃを直せって言うなんて。君って本当に、どこまでも『不純物』で、どこまでも人間臭いんだね!」


ヴェスペラもまた、愉快そうにグラスを揺らして微笑む。


「復興と治安の解決、ねえ。いいわよ。私たちにとって、この世界のことわりを少し書き換えるなんて、飲みこぼした酒を拭うよりも簡単なことだもの」


断罪の秤を持つ神が、静かに天秤を揺らした。


「承知した。最初の二つは、即座に履行しよう。お前たちが守りたがっていたあの矮小なコミュニティは、今この瞬間、お前たちの記憶にあるよりも美しい姿へと再構築された」


神が指を鳴らした瞬間、蓮の脳裏に、開拓地「ゼロ」が瞬く間に再生され、傷ついた人々が光に包まれて癒えていく情景が流れ込んできた。それは神にとっては「修正」に過ぎないが、人間にとっては奇跡そのものの光景だった。


3. 却下された終止符

しかし、三つ目の要求に対して、神々の反応は一変して「軽い」ものとなった。


「でも、最後の一つだけは却下だね」


ファンタズムはいたずらが成功した子供のような顔で、舌をペロリと出した。


「だって、僕たちが今ここで死んじゃったら、せっかく仕込んだお酒を誰が飲むの? 君がもっと美味しく熟成されるまで、僕たちは死ぬわけにはいかないんだよ。あはは!」


「……だろうな。最初から、お前らが素直に首を差し出すとは思っていない」


蓮は吐き捨てるように言った。その隣で、傲慢が鼻で笑う。


「ふん。当然の回答だ。だが蓮よ、最初の二つを飲ませただけで十分な成果だ。これで我らは、背後を憂うことなく、この外道どもを殺すことに専念できるというものだ」


ユリアもまた、剣を握り直し、神々への闘志を燃やす。


「復興は貴方たちの義務です。ですが、私たちの手で貴方たちを裁く権利までは、譲りません」


4. 遊戯の再開

神々は蓮たちの敵意を、最高級の贈り物を受け取るかのように、満足げに受け止めた。


「いい顔だ。責任、賠償、復興……そんな倫理に縛られた君たちが、どこまでその『正しさ』で僕たちを追い詰められるか。……さあ、始めようか。君たちが望んだ以上の『力』を与える、特別な時間の始まりだ」


ファンタズムが再び指を鳴らすと、神域の景色が急速に遠ざかっていく。


次に蓮たちが目にしたのは、先ほどまでの黄金の楽園とは真逆の、色も音も存在しない「虚無の荒野」だった。


「ここが、君たちの新しい教室だよ。……死なない程度に、頑張ってね!」

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