表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生
第三部「神葬と黎明編」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

127/194

第127話:簒奪の残滓、裁きなき終焉

1. 黄金の抜殻、冷徹な現実

アルマが蒼い糸で編み上げた新世界。その大地の片隅に、かつてアレックスであった「黄金の残骸」が転がっていた。それは人間としての形を保つことすら許されず、神の機構に食い荒らされた、ただの輝く泥。


蓮は、ユリアを背後に庇いながらその残骸を冷たく見下ろした。 右腕の傷が疼く。アレックスの裏切りによって流された血、リサたちが流した涙、ガイウスの命を賭した突撃。それら全てを、蓮は一秒たりとも忘れてはいない。神を屠った虚無の刃は、同時にこの裏切り者の野望をも粉砕したのだ。


「……死んだのか、アレックス」


蓮の声には、慈悲も、かつての戦友に対する哀悼もなかった。


2. アルマの宣告、簒奪の行方

「彼は、自らが望んだ『神』の一部になった。……正確には、神の排泄物としてこの世界に吐き出されたのよ」


歩み寄るアルマ。彼女の白い髪が風に揺れ、蒼い瞳が黄金の泥を射抜く。 アルマが世界を再構築する際、アレックスの「簒奪」の力もまた、材料の一部として消費された。だが、彼の醜い意志だけは、この新世界のルールの中に組み込むことを、アルマは断固として拒絶したのである。


「蓮、彼を許す必要はない。彼はこの世界のどこにも帰れない。……けれど、彼の『力』の残滓だけは、私がこの世界の底に封印した。……それが、いつか私の言った『赤く染まる糸』の原因になるかもしれないけれど」


3. 消えない呪詛、裏切りの代償

蓮は、腰に差したガイウスの折れた剣の柄を強く握りしめた。 アルマの言葉は重い。アレックスという男は消えたが、彼が求めた「完璧な支配」という欲望の種は、この不完全な新世界の深淵に、毒として沈んでいる。


「……あいつがまた這い上がってくるなら、その時は俺が、今度こそ完全に虚無に還すだけだ」


蓮の視線は、もはや黄金の残骸にはなかった。 隣で自分を見つめるユリア。その瞳に宿る、温かな光。 アレックスが「弱さ」だと笑った人間の情愛が、今、自分たちを立たせている。一方、神になろうとしたアレックスは、自らが愛した「黄金」の中に閉じ込められ、永遠に目覚めることのない孤独へと堕ちた。


4. 泥濘の門出、決別の荒野

「往こう。……ここにはもう、俺たちの知っているアレックスはいない」


蓮は背を向けた。 リサが、フィーネが、セラフィナが、それぞれの想いを胸に、その黄金の残骸を一度だけ睨みつけ、蓮に続く。 裏切りの代償。それは、再構築された輝かしい未来の中に、名前すら残されないという「絶対的な忘却」。


残り、零日。 神は死に、簒奪者は堕ちた。 一の虚無と三の救済が、二の裏切りを足蹴にして、不自由な自由の荒野へと踏み出す。


5. 地に這う予兆

一行が立ち去った後、黄金の泥が、ピクリと不気味に震えた。 それは再生の鼓動ではない。 アルマが封印したはずの、アレックスの「簒奪」という名の呪いが、新世界の土壌に染み込み、静かに毒を育て始める予兆。


神殺しの余熱は、まだ冷めてはいない。 裏切りの連鎖は、形を変え、アルマが危惧した「赤い糸」へと繋がっていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ