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「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生
第三部「神葬と黎明編」

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第112話:凍てつく凱旋と、虚空の宣告

1. 亡霊たちの帰還

七つの爆心地を巡る旅を終え、蓮とユリアはアヴァロンの地下シェルターへと帰還しました。 出迎えたのは、蓮を信じて待ち続けていたリサ、フィーネ、そしてセラフィナの三人でした。


「蓮! おかえりなさい!」 リサが尻尾を振り、駆け寄ろうとして――その足を止めました。 蓮の放つ、かつてないほどにどす黒く研ぎ澄まされた虚無の気配。そして、その後ろでボロボロの鎧を纏い、感情の死んだ瞳で立ち尽くすユリアの姿に、戦慄したのです。


「……王。帰還報告を完了しました。補給と修理に移行します」 ユリアの声には、再会の喜びも安堵もありません。ただ、使い古された道具が置かれた場所に戻ったかのような、無機質な響きだけがありました。


2. 卑怯な王の防壁

(……ああ、やっぱり俺は、救いようのないクズだ)


蓮は、自分に向けられるリサたちの温かな、そして心配そうな視線から逃げるように、わざとユリアの隣に立ちました。 リサたちの瞳を見れば、彼女たちの愛に、優しさに、縋りたくなってしまう。自分を忘れていない彼女たちに甘え、この地獄から逃げ出したくなってしまう。


(ユリア、お前が俺を忘れてくれたおかげで、俺はまだ『非情』でいられる。お前のその空っぽな瞳だけが、俺の弱さを拒絶してくれるんだ)


自分を愛する者たちを遠ざけ、心を失った者だけを側に置く。その卑怯な自己防衛を、蓮は心の中で何度も罵倒しました。


3. 非情な宣告

「……状況を報告する。アレックスは裏切った」


蓮の冷徹な一言が、会議室に氷のような静寂をもたらしました。 カイルが絶句し、フィーネが胸を押さえてよろめきます。


「そんな……アレックスさんが……? 一緒に神を倒すと誓ったはずなのに……」 「あいつは神を倒し、自分が新しい神に成り代わる道を選んだ。これからは、神と、アレックス。その両方を屠る戦いになる」


蓮は感情を一切排し、淡々と事実を告げました。アレックスとの決別を惜しむ間さえ与えない、効率重視の報告。それは、仲間たちの心を思いやる余裕さえ失った、あるいは捨てることを選んだ男の姿でした。


4. 三人の嘆きと、一人の静寂

「信じられません……。私たちは、これからどうすれば……」 セラフィナが震える声で問いかけますが、蓮は彼女の顔を見ようともしません。


「やることは変わらない。七つの結晶フラグメントのうち、六つ半は手に入れた。カイル、セラフィナ。これを使ってアヴァロン・ギアの最終調整に入れ。天界へ昇る翼を完成させるんだ」


一、信じていた絆の崩壊。 二、迫りくる終末の足音。 三、独り、深淵を歩む王。


「ユリア。お前は休め。……明日から、最終兵器の『核』としての適応試験を始める」 「御意。……指示があればいつでも」


ユリアは機械的に応じ、部屋を出ていきました。リサたちが彼女に声をかけようとしましたが、その背中には、言葉が届くための「心」がもう存在しないことを察し、誰も言葉を紡げませんでした。


5. 九十九日目の夜に向けて

会議が終わった後、蓮は一人、未完成の巨大ロボット、アヴァロン・ギアを見上げていました。 かつては希望の象徴だったこの鋼鉄の巨神も、今や神への復讐を果たすためだけの、呪われたひつぎに見えました。


(ごめんな、リサ。フィーネ。セラフィナ。……お前たちの前では、俺はもう『蓮』ではいられないんだ)


残り七十五日。 蓮は、自分を忘れた騎士の背中を、唯一の拠り所にして、決戦への準備を加速させます。 愛を捨て、信頼を断ち、独りになった王の虚無が、ついに神の座を揺るがし始めようとしていました。

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