表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ゴミを良くする能力」と笑われたEランクの俺、無限強化で神を超え、光の勇者を踏み潰します  作者: 限界まで足掻いた人生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/37

第10話:夜の相談と光の勇者の罠

1. 治癒魔法の相談(夜)

夜も更けた頃、蓮の部屋のドアがノックされた。開けると、顔を紅潮させたフィーネが立っていた。


「神崎様、夜分に申し訳ありません。その……【治癒の聖域】について、どうしても相談したいことがあって……」


フィーネは声を潜め、部屋の中へと入ってきた。部屋の扉が閉まると、途端にフィーネの体の震えが強くなった。


「あの、神崎様……」


蓮の部屋の空気が、彼女の鋭敏化された感性に強く作用している。蓮が彼女のスキルを強化した際、無意識に『蓮の近くにいるほど治癒効果が増大する』という隠れた付与効果が生まれていたのだ。それは同時に、『蓮の存在に強く惹きつけられる』という感情的な効果ももたらしていた。


「フィーネさん、落ち着いてください。その熱は、僕の【全能化】の副次効果です。あなたの治癒能力が向上した結果、魔力の流れが鋭敏になりすぎているのです」


蓮が優しく声をかけるが、それがかえってフィーネを動揺させる。


「そう、なんです……。体が、いつも熱くて……。特に、神崎様が近くにいらっしゃると、全身の皮膚がザワザワして、魔力だけじゃなくて、別の熱が溢れてきそうで……」


フィーネはうつむき、自分の制服の胸元をぎゅっと握りしめた。彼女の吐息は乱れ、瞳には涙が滲んでいた。


「わ、私、どうしたら、この熱を抑えられるのか……。神崎様、私を**『治癒』**してください……!」


彼女の言葉は、単なるスキルの相談ではなかった。蓮の**『強化』がもたらした異常な高揚感を、蓮自身に『鎮めてほしい』という、切実で、そしてエロティックな願い**だった。


蓮は事態の深刻さを理解し、静かにフィーネの頭に手を置いた。


「フィーネさん。それは、無理に抑える必要はありません。この熱は、あなた自身の無限の可能性から来るものです。ただ、僕が、それを制御するお手伝いをします」


蓮は、フィーネの心身の**『冷静さ』と『理性』に対して、再び【全能化】を発動した。過剰になった感覚を、今度は『制御』**する方向に強化することで、フィーネは少しだけ落ち着きを取り戻した。


「あ……。熱が引いていく……。神崎様……、ありがとうございます……」


フィーネは安堵の表情を見せ、蓮に抱きつきそうになるのを寸前でこらえ、顔を真っ赤にして部屋を飛び出していった。


2. 光の勇者の最初の罠

フィーネとの私的な会話を終え、蓮がベッドに入ろうとした瞬間、部屋の窓が静かに開いた。


「見つけたぞ、Eランクのゴミめ」


現れたのは、佐野瑛太の私兵、**『光の団』**の幹部らしき男だった。


「光の勇者様の命令だ。お前が盗んだ名誉と宝珠、そしてリサを返してもらおうか」


男は、瑛太から渡された強力な毒薬を蓮の飲み物に仕込み、眠っているうちに宝珠を奪う計画だったが、蓮が起きていたため、強行手段に出た。


「盗んだ?何を言っているのか、理解できませんね」蓮は冷静だ。


「とぼけるな!お前が起こした全てのゴタゴタは、勇者様への冒涜だ。ここで大人しく死ね!」


男は、Sランクの剣士に匹敵する実力の持ち主だった。剣を抜き、蓮に斬りかかる。


3. 圧倒的な力の差

蓮は、ベッドサイドに置いていた**『木の枝』**を、まるで杖のように構えた。


「【全能化】は、**『戦闘能力』を強化するだけでなく、『防御力』も上げられます。僕の部屋の『空気』**の硬度を、一晩中強化させてもらいました」


蓮の部屋の四方の壁の**『耐久性』は、既に伝説の魔力金属**よりも遥かに硬くなっている。


男の剣は、蓮に届くことなく、蓮の頭上を覆う**『強化された空間』**に激突し、**キンッ!**という音と共に、粉々に砕け散った。


「なっ……何だ、この壁は!?」


「僕を**『ゴミ』と笑ったあなたたちの力では、僕の作った『空間の硬度』**一つ、突破できませんよ」


蓮は木の枝を軽く一振りした。


風圧――否、**『強化された木の枝』が放つ『超振動』**が、男の全身に襲いかかる。男の鎧は、木の葉のように引き裂かれ、意識を失って倒れ込んだ。


4. 証拠の確保と次の布石

蓮は倒れた男から、**「光の勇者」の紋章が入った短剣と、瑛太直筆の「神崎蓮殺害と宝珠奪取の指令書」**を回収した。


「ふむ。証拠は揃いましたね」


蓮は証拠を懐にしまい、倒れた男を街の衛兵に引き渡した。


翌朝。衛兵は**『光の団の幹部が、冒険者の神崎蓮氏を襲撃した』**という事実を王都に報告した。


王都は再び大混乱に陥る。


「光の勇者様が、自分より優秀な冒険者を暗殺しようとしただと!?」 「しかも、相手は王国の危機を救った**『底辺の英雄』**ではないか!」


瑛太の立場は、外交問題に続き、**『英雄暗殺未遂』**という決定的な汚点を加えることになった。


蓮は、自分の手を汚すことなく、瑛太の信頼と名誉を、確実にゼロへと近づけていった。


そして、ギルドの掲示板に、新たな依頼が貼り出される。


『王城の機密ダンジョン「禁断の魔導書庫」の調査。光の勇者への不信感により、エンハンサーズを指名する』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ