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結構えろこの草! ~いわゆる猫じゃらしは、エノコログサと言う~

作者: 栗野庫舞

イネ科エノコログサ属の植物で、雑草。かわいらしい形状。タイトルはエノコログサをもじりました。

「先輩。私はどうして髪を三つ編みにしているのか、分かりますか?」


 後輩の彼女に、男子高校生のあなたは聞かれた。


 学校帰り、あなたは彼女に自宅に寄ってもらった。別にやらしい意図はない。彼女が耳掃除をやってくれるらしい。


 あなたは自室で立っている彼女を見た。紺色ブレザーの制服姿は真面目(まじめ)そうで、同色のスカートは丈が膝丈ほど。


 そんな彼女はいつも、背中に垂れる濃い茶髪を三つ編みにしている。


 まさか、その三つ編みの先端で耳掃除をされるのかと、あなたは返した。


「違います。それとも、こっちのほうが良いですか?」


 彼女は三つ編みの先端を持ち、あなたに向ける。


 遠慮しておくと答えたあなたは、正解を教えてほしいと頼んだ。


「はい」


 彼女はお尻をつけずにしゃがみ、曲げた足を少し広げる。


 この姿勢では、紺色の靴下よりも上、あるいはスカートの下に身に着けた、黒一色のハーフパンツが見えてしまう。


 そのハーフパンツの真ん前で、彼女は正面に持って来た細い三つ編みをぶら下げて、細かく振った。


「正解は、猫じゃらしごっこのためでした」


 黒の前で揺れる茶色の紐。


 三つ編みを留める白いリボンは鮮明で、ちょうちょのようにも見える。


 素晴らしい光景だった。


 あなたは思わず、彼女の股の中に突入してしまった。


「きゃあんっ!」


 彼女のハーフパンツへと、あなたは接触する。


「もうっ、悪い子さんですねぇ、先輩は……」


 彼女に謝ってハーフパンツから離れるも、あなたの興奮は収まらない。


 将来結婚しよう。あなたは勢いで告白する。


「……先輩のことだから、私のペットになるって言うのかと思いました」


 じゃあペットになると、あなたは即答した。


「でも、先輩がペットさんだと、人間用の耳かきを使った耳掃除はしませんよ?」


 それじゃあ、やっぱり結婚で、と、あなたはペット化発言を早くも撤回した。


「もうー、わがままな先輩ですねぇ~」


 彼女は近くに置いていた鞄の中から耳かきを出す。


「お顔はお膝の上で、横にして下さいね」


 あなたは膝枕を手に入れた。


「では、始めますにゃ」


 語尾が猫化した。


 こうしてあなたは、丁寧な耳かきを彼女にやってもらえた。とても心地()い、有意義な時間だった。


 反対側の耳かきも終わると、


「失礼いたしますにゃ、先輩」


 あなたの頭は床へと落とされた。上を向いた状態で固定される。


 スカートの中に入れられて、太ももハーフパンツでギュッとされた。あなたに刺激が走った。


「ハーフパンツ好きな先輩は、お耳かきよりも気持ち良い感触でしたかにゃん? お次は、視覚もどうぞにゃ」


 彼女は少し足を広げて立ち上がった。ハーフパンツを見えやすいように、スカート前面をたくし上げていた。


 天井よりも気になるのは、もちろん黒いハーフパンツの眺めだった。それなりの胸部、見下ろす彼女の顔も、楽しめた。


 あと、黒いハーフパンツの隙間から白い下着も見えた。


 下着が見えているとあなたが指摘すると、


「きゃうっ!」


 異常に恥ずかしそうな素振りを彼女が見せる。一気に座り込み、スカートを押さえて防御する。


 凄まじい程に拒絶された。


「……下着を見るなんて……反則ですよぅ……っ」


 語尾のニャはどうした? と、あなたがさらに指摘すると、


「下着は見ないでください……にゃん……っ」


 彼女はスカートを押さえたまま、うつむいて小声を出した。


 同じスカートの下にある衣類でも、ハーフパンツは大胆に見せつけても気にしないのに、下着は、少しでも見られたら非常に恥ずかしがる。


 彼女は、下着を見られることは恥ずかしい、という一般的な考えを持っているから、そういう反応をするのだろう。ハーフパンツのほうは、下着ではないという認識だから、彼女は気軽に見せてくれる。あなたにとって、そこは()(がた)い。


「そろそろ、帰りますね……にゃ」


 彼女は玄関へと向かう。背中の長い三つ編みを目で追いながら、あなたも彼女について行く。


 玄関前で、彼女はこちらを向いた。


「また今度、耳かきをやってあげますにゃ」


 直立する彼女は、両手を猫の手みたいな格好にして、恥ずかしそうにたくし上げをした。(さら)される黒いハーフパンツが、やはりあなたは好きだ。


 あなたは彼女を抱き締めて、愛している、と伝えた。


「……私も愛しています。先輩」


 語尾のニャはどうした、などとは、今度は言わなかった。その代わりにあなたは、じゃれるように押して来る彼女の胸部の感触を満喫した。


 すごく大きくはないけれど、猫と違ってじゅうぶん分かるぐらいはあるので、ちょうどいい。


                    (終わり)

猫じゃらしと三つ編みの思いつきで書きました。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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