ラフ・メイカー
馬鹿みたいだ……
一度きりの告白に失敗しただけでこんなに涙が出るなんて……
しかし今の俺には涙しか流せない
そんな時ドアをノックする音が聞こえた
今は誰にも会いたくない
こんな泣きっ面を見せれない
俺は取り敢えず誰だよと問いかけた
「名乗る程じゃないけど、わたしは君に笑顔を届けにきたんだよ!」
訳が分からない
俺を馬鹿にしてるだけなのか
声の主が誰かは分かっていた
「私の事を周りはラフ・メイカーと呼ぶんだよ」
ラフ・メイカー?
冗談じゃない
俺は君を読んだ覚えは無い
俺に構わず消えてくれ
君がそこにいたら泣けないだろ
そう言うとドアの向こうから声が聞こえなくなった
そのかわりすすり泣くような声が聞こえた
なんで君が泣くんだよ
「だって…私そんな事言われるの……初めてだから…」
君が泣いちゃダメだろ?
泣きたいのは俺の方さ
俺は君を呼んだ覚えは無いよ
それから暫くの沈黙
多分俺達はドア越しで背中を合わしているんだと思う
ドアの向こうからは未だに泣き声が聞こえる
ねぇ君は今の俺をしっかり笑わせれるのか?
「勿論だよ!君を笑わせれるのが私の使命なの!君を笑わせれるまで帰れないよ!」
……そっか
俺は「彼女」を中に入れた
「彼女」の顔は涙でいっぱいになっていた
何で君が泣くんだよ
「だって…君があんな事言うから…」
はは…ゴメン
すると「彼女」も俺の顔を見てクスクス笑った
何で笑うんだよ?
「フフ…だって君の泣き顔面白いんだもん」
そう言って「彼女」は俺に手鏡を向けた
そこには自分でも可笑しな顔の俺がいた
俺は呆れたが確かに笑う事が出来た
題材は
バンプオブチキンのラフ・メイカーという曲を俺なりに書いてみました