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一欠片の勇気から始まるうさ耳少女の冒険〜今世こそ勇気を振り絞って友達を作ってみせます!!〜  作者: 氷河の一輪
第1章 金色の悪魔

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第46話 村の英雄

 平和だった村に異変が起きた。

 近くの廃村にオークが住み着き、集落ができてしまったのだ。

 廃村となった場は魔物が住み着かないよう燃やすか壊すのが常識であるが、その村は森が近くにあるため燃やすことが出来ず、そして力を持つ大人も仕事を頼むお金も無かったために放置されてしまったようだ。


 村の村長は頭を抱えた。

 近くに住み着いたということは食料を求めてこの村にやってくる可能性が高いということだ。もしオークが村にやってくれば、何人が犠牲になるだろうか? おそらく村にいる者全て生きてはいられない。


 オークの集落の討伐となればBランクの冒険者パーティーが数組は必要となる。

 Bランク冒険者を十数人も雇うにはかなりの金額が必要となる。そんなお金は村にあるはずが無かった。

 だが村には年寄りや赤子がおり、避難できない者が何人もいる。村長もそのうちの一人だ。

 そのため、村長は村にあるお金をかき集め、村人全員を逃がすのを手伝って貰うためにCランク冒険者を雇うことにした。

 Cランク冒険者数人ならばまだお金はかからない。村は捨てることになるが仕方ない。命の方が大事だ。

 だがCランク冒険者を雇うにしても相場にあった金は用意出来なかった。低い報酬のために命をかけて依頼を受ける者などいないだろう。



 希望もない状況の中、ついにオークは村にやってきた。

 まだ村人全員の避難は完了していない。力を持つ若い大人は全員とっくに逃げてしまった。

 戦える者など居ない。

 力のない者たちが力を合わせて作ったバリケードからはオークの太い腕が垣間見え、今にも破られそうだ。

 様子を見ようと外に出ていた者に家に戻るよう呼び掛けようとした瞬間、バリケードは嫌な音を立てて壊れ、オークが雪崩のように押し寄せてくる。



 もはやここまで……と全員が諦めたその瞬間――金色の髪をなびかせ、煌めく炎を身に纏った少女が現れた。

 少女は鋭い爪のような武器で次々とオークを切り裂いていく。

 あの少女は冒険者か……? 幼すぎる気がするが、おそらく依頼を受けてくれた冒険者であろう。きっと長寿種族か何かで幼く見えるだけだろう、と村長は考えた。実際は長寿種族でも何でもなく見た目通りの年齢であるが。


 みるみるうちにオークは数を減らしていったが、そこにひときわ大きなオークが雄叫びを上げて現れた。


「お、オークジェネラル!!?」


 村人の誰かが悲鳴に近い声を上げる。

 オークジェネラルだと!? もしそうだとしたら……勝ち目はない。オークジェネラルのランクはSSS。討伐出来る者といったら、かの有名な大三賢者くらいだろう。

 もし本当にオークジェネラルならば、常識的に考えて一介の冒険者が倒せるはずが無い。


「冒険者殿っ、あれには勝てるはずがありません!! 逃げて下されッ!!」


 村長の制止の声を気にする様子もなく、少女はオークジェネラルに凄まじいスピードで駆け寄っていく。



「――【陽焔裂爪(フレイムスプリット)】――」



 燃え盛る少女の刃はオークジェネラルの首を跳ね飛ばした。

 本当に一瞬の出来事であった。オークジェネラルが成す術なく倒され、オークも散り散りに逃げていく。


 それを見ていた村人たちは圧倒的な強さに息を呑んだ。



「大丈夫ですか?」



 圧倒的な力を前に弱者は何を抱くだろうか。畏怖、嫉妬……? 複雑な念を持つのは間違いないだろう。

 中でも、村人たちはその少女に対し“崇拝“に近い感情を抱いた。



「えっ」



 少女の声が村中に響く。

 村人たちは、村を救ってくれた感謝、あるいはその強大な力に心酔したことにより、膝をついて手を合わせる。


 村を救った少女の二つ名は“金色の悪魔(ゴールデンデビル)“。




♢♢♢




 バカリテという街に来てから5度目の冬を迎えた。

 私は12歳となり、あと数カ月後にはエトワール大武道大会が開催される。

 最近はダンジョンばかり潜っていて飽きたので、依頼を受けることにした。そんな時、危険度とは見合わない報酬のせいで誰も受けていない依頼が目に入った。お金には困ってないし、今の私なら余裕の依頼だと思ったから受けることにした。


 のだが……この状況は何だッ!?

 オークジェネラルが現れて少しハラハラしたけど、舐められているうちに速攻倒すべきだと思って始めの一撃から戦技を使い、なんとか倒したんだが……。倒し終わった後に村人を見てみたら皆私に跪いていたの!!

 怖がられることはあれど、感謝(?)されることなんかなかったからなぁ……これが普通なのかが分からない。

 なんだか嬉しいような少し面倒くさいような……むず痒いな。



 何はともあれ、もうすぐエトワール大武道大会が行われる!!

 私が今滞在している街はルーナ帝国の端にある。その大会は首都で行われるからそろそろ移動し始めないとね。ギリギリになると帝国中の参加者で溢れかえって首都行きの馬車に乗れなくなるってジェロンが言ってた。

 さすがの私も徒歩では行かないって。だって歩いたら数十日……いや、数ヶ月もかかるんだよ? 行けなくはないけど、一人の野宿は辛いって。ダンジョンでの寝泊まりは慣れっこだけど、ダンジョン外ではちょっとねぇ……。

 ほら、私って美少女だし? 奴隷商に捕まっちゃうかもしれないからね☆

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