第39話 ゴブリン殲滅②
まずは見張りのゴブリンを魔法で仕留める。気づかれていないうちに出来るだけ数を減らそう。
「――【風刃】――」
よしよし、この調子で数をどんどん減らしていこう。
幸いにもゴブリンの集落が森の中にあって良かった。森なら身を隠して今みたいに魔法で遠距離攻撃できるからね。ただ、このまま魔法だけで戦うのは魔力量的に無理があるから、ある程度減らしたら肉弾戦になっちゃうなぁ。魔力量を上げるのが今後の目標になりそうだね。
ゴブリンたちが騒がしくなってきた。どうやら気づかれちゃったみたい。まあゴブリンメイジも結構倒したしそろそろ潮時か。
「――【突風】――」
ここからはスピード勝負だ。ゴブリンキングが来る前にゴブリンを殲滅する。
【突風】で目にも止まらぬ速さで集落に突入し、すれ違ったゴブリンの喉を切り裂いていく。
「グギャギャ」
「ギィ」
にしても本当に数が多いなあ。一体一体の力は弱くてもここまで数が多いと体力を消耗させられて分が悪い。
「――【グギャグギャ】――」
ゴブリンメイジによって放たれた魔法を素早く避け、隙だらけの胴体にスーシリエールを突き刺す。そこにゴブリンが束になって四方八方から襲い掛かってくる。
「……いいよ、私の戦い方を見せてあげる‼」
新装備によって強化された脚力で高く飛び上がり【水球】でゴブリンの体制を崩す。そして体勢を立て直される前に瞬時にゴブリンの喉を切り裂いていく。
今の私には必殺の魔法はない。だから魔法はあくまで補助、決して油断せず、出し惜しみなしで確実に命を奪う。
錆びたな蛇を振り下ろすゴブリンの頭に刃を生やした踵を蹴り落とし、抉るようにして刃を引き抜き血を散らす。それを目くらましとして近くにいたゴブリン数体を一気に殺す。
「グ、ギャァ」
それを見たゴブリンたちは恐怖を感じたようで攻撃の手が止まった。
恐怖は意思や判断力を鈍らせる。ゴブリンが恐怖を感じるのならそれは好都合。わざとゴブリンを無惨に殺し他のゴブリンに適度な恐怖を植え付けていく。
私にはまだ持続力が無い。筋力が無い。力が無い。まだ発達しきっていないこの体では限界がある。一対多数のこの状況で生き残るにはどんなに汚い手段でも使うしかない。
次々とゴブリンを倒している間に……奴に気づかれちゃったみたいだね。
【名前】なし ♂
【種族】ゴブリンキング
【年齢】3
【魔力値】90/90
【体力値】550/550
【スキル】
体術Lv5 斧術Lv5 盾術Lv5
【ユニークスキル】
なし
【称号】
ゴブリンの集落の主
【総合戦闘力】1200
【ランク】SS
そりゃそうか、ここまで派手に暴れて気づかないほどゴブリンキングもアホじゃないよね。
【真実の鑑定】を使ってみたけど……やっぱりSSランクかあ。生まれたてみたいだから弱いことを期待してたけど……まあSSSランクじゃないだけいいか。
「グギャァァァアアア‼」
ゴブリンキングが雄たけびを上げると、周りに居たゴブリンたちが私とゴブリンキングを取り囲むような位置に移動する。
ゴブリンは武器を鳴らし合い鳴き声をあげる。あっという間に即興のコロシアムの完成だ!
ゴブリンキングは私を嘲笑うかのようにニタニタと笑う。え、もしかして私を煽ってるつもりなの……? 『お前如き全員で相手する価値は無い』的な? 申し訳ないけど、願ったり叶ったりです。流石にゴブリンキングと大量のゴブリンを同時に相手するのはキツイからね。丁度どうやって一対一に持ち込もうかな~って考えてたところだったんだよ‼ ありがとう‼
「脆弱ナニンゲンよ。貴様ハ自分がナニをしたか分カッテいるのカ?」
喋ったー‼ やっぱりSSランク以上となると皆喋れるみたい。ご丁寧に人族に合わせた言語で……人間は魔物の言語なんか理解しようとしないのにね。
で何だっけ? 自分が何をしたか分かっているか? 勿論分かってますとも。
「ゴブリンの集落に奇襲攻撃を仕掛けてゴブリンを惨殺した」
私、考えてみたらめちゃめちゃ最低な行為してるくね?
急に集落に現れて、ゴブリンを大量に殺害。ん……言い訳とかはしない。少々申し訳ないとは思うけど、そこに居たのが運の尽き。
これから人間を殺すであろうゴブリンを見逃すなんて私には出来なかった。
それに……この戦いで勝利できればきっと私は、もっと強くなれる。
「貴様ノ罪は何だと思ウ?」
罪……? ゴブリンを殺した罪かな? でもゴブリンの集落にも法っていうものがあるのかな? 私にはちょっと分からないな。
「貴様ノ罪ハ我の眠りヲ妨げた罪ダ! 死シテ償え!」
は、はあ。それって言う必要あった? まだ『同胞を殺した罪!』って言われたなら『死して償え!』に繋がると思うけど……。
まあこんくらいの性格の方が殺しやすくはある。ゴブリンキングさん、これからあなたを殺すことになりますが、恨まないでくださいね?
子宮頸がんワクチンの副作用で熱が40度……。もう下がったけどまだふわふわしてる~




