第13話 家族の愛
「パープ、アムール、よく耐えたね」
お、お母さん‼
……よくこの白髪少年がアムールって分かったね。もう大丈夫という安心感のせいか、そんな事を考えてしまう。
「く、くそっ‼ もう来ちまったのかよ」
「あら、お前は寄生花姫じゃない。こうなるって知ってたら見逃さずに始末してたのに……‼」
お母さんの鋭く冷たい殺気が寄生花姫に突き刺さる。
「く……し、死ねぇぇえええ」
寄生花姫は高速で弓を構え、魔法も同時に放つ。私たちのときは全然本気じゃなかったんだ……。
対して、お母さんは涼し気な顔で全てを避け、髪――蔦を伸ばして寄生花姫を捕縛する。
「ぎ、ぎぁぁ……ぐ」
「さ、捻りつぶされる前に、お前を私に焚きつけた黒幕を吐きなさい」
「ぎ、ィィ……。ケ、ケケ、これだから偽物は……本物の妖花女王だったら慈悲なんか施さず一瞬で私を殺してただろうな」
「…………」
「そんなんだから、娘を二度失うことになるんだよ」
「? 何を言っているの……パープは生きて――」
「――コフ」
え……何コレ。
血……? 何が起きタ――?
「カレンデュラさん、矢が……内臓に刺さってます‼ それにこの傷口の色……毒まで……」
「――‼」
「ケケケ、その毒はこのエルフのユニークスキルによって発動したものだ。あいつは毒が効きずらいようだが……この毒なら確実に死ぬだろうな。このスキルは私の任意のタイミングで発動する。お前がすぐさま私を殺していれば、娘は死なずに済んだのになぁ? ケケケ」
「く、お前っ‼」
「ぐ、ケケケ……私を殺しても関係ない、一度発動したら最後、対象が絶命するまで毒はその身体を蝕む」
「パープ、パープッ‼ ――【回復】――‼ ち、血が止まんないし、毒も消えない……」
アムールの光魔法で一瞬暖かくなるけど、すぐにまた寒くなる。私は、死ぬの?
「なぜ……なぜそこまで私を憎む⁉」
「偽物だから」
「…………もういい、死ね」
ぐしゃっという嫌な音が聞こえる。寄生花姫が死んでも、毒は消えない。毒が消えたとしても、この傷じゃ死ぬ。
せっかく人生をもう一度やり直せたのに……友達一人できて終わりか。
「どうしてっ……どうして僕をかばったんだよぉ……お願いだから死なないでよ、、、」
「パープ、お願いだから……死なないで。パープが『お母さんを馬鹿にするな』って言ってくれて嬉しかった。今までメイラの代わりにしてごめんね。メイラの代わりなんかじゃない、パープのことを…………」
「――愛している」
泣いているの……? お母さん。
「だから、だから……っ」
「生きて――――……」
目頭が熱い。こんなに身体は寒いのに、心は温かい。これが……家族の愛か。やっと初めて感じたのに……。
「お母さん、私も……ゴホッゴホ……。お母さんのことを愛してるよ……」
愛してる。初めて言葉にした。
「私が居なくなっても、忘れ……ないでね」
もう、寒さなんか分からなくなってきたな。二度目の死だからかな、怖くはない。でも、堪らなく悲しい。
「嫌だっ、駄目っ‼」
「アムール……」
せっかく可愛い顔してるのに、そんなに涙も鼻水も出してたらもったいないぞ……。
「パープが死ぬはずないっ‼ 死ぬなんて……ないよぉ…………」
「アムール、大好きだよ。初恋の子と、仲良くするんだ……ぞ……」
「駄目……駄目だよパープ。目を、目を開けてよ……‼」
「パープ……」
「ダメ! ――【――】――‼」
もう死ぬと確信し目を閉じた瞬間、アムールの言葉にならない絶叫と共に身体が温かい光に包まれる。
身体を蝕んでいた毒が霧散し、神聖な気が身体を満たしていく。痛みも、寒気も引いていき、温かさだけが残った。
「え……あれ?」
「「~~‼ パープッ‼」」
「わっ」
二人が勢いよく飛び込んでくる。何が何だか分からないけど……助かったみたい?
とゆーか………さっきまで本当に死にそうだったんだから、そんなにもみくちゃにしないでよ~‼
♢♢♢
「さっきの謎の光のことだけど……アムールから出ていたように見えたわ」
「え、僕⁉」
そうだよね。アムールの絶叫と同時に身体が回復したし、そうとしか考えられない。
「――【鑑定】――」
【名前】アムール ♂
【種族】桃花兎(変異種)
【年齢】1
【魔力値】80/500◁200up
【体力値】90/130◁30up
【スキル】
好感Lv5 土魔法Lv2◁1up 神聖魔法Lv1◁1classup 無属性魔法Lv2◁1up 体術Lv3◁1up
【ユニークスキル】
『愛で増幅する魔力』
【称号】
無垢な女たらし 一目惚れした者 PARPの眷属 聖者
【総合戦闘力】930◁730up
【ランク】S
――愛の力で神聖魔法を使えるようになった。魔物で神聖魔法を使える者は今まで居なかったため史上初。
【神聖魔法】
――光魔法の上位スキル。光魔法は浄化系や回復系での用途でしか使用できなかったが、神聖魔法は攻防にも使用できる。また、回復力が桁違いに上がり、瀕死の傷や猛毒も一瞬で回復可能。
神聖魔法が使える者は聖女、もしくは聖者と呼ばれる。
「あ、アムール……【神聖魔法】スキル持ってる……」
「えっ⁉」
「んん⁉」
この鑑定結果を見た感じ、神聖魔法が最強すぎる。そして、アムールの戦闘力上がり過ぎでしょ⁉
「――ケホッ」
「「――⁉」」
突然、お母さんが血を吐く。
「おおおおおお母さん⁉ 毒⁉ 毒なの⁉ アムール、回復っ‼」
「う、うんっ‼」
いつやられたの? 寄生花姫は死んだはず。まさかお母さんが始末し損ねるなんてミスは犯さないはずだし……原因は何?
「待って、この血は誰かにやられたわけではないの」
アムールが神聖魔法を使う前に手で制止させる。
「じゃあ何……?」
「……長くなるから家で話すわ。もう……隠し事はしない」
やっと、お母さんの口から過去を聞けるのね……。
少しだけ怖いな。
【名前】パープ(・ステラ) ♀
【種族】兎獣人
【年齢】6
【魔力値】3/200◁40up
【体力値】120/120◁20up
【スキル】
鑑定Lv2 火魔法Lv1 水魔法Lv1 風魔法Lv2 地魔法Lv3◁1up 光魔法Lv2 闇魔法Lv1 無属性魔法Lv1 体術Lv2◁1up 暗視Lv1 毒耐性Lv2◁NEW
【ユニークスキル】
なし
【称号】
??? 転生者 王族 捨て子 神童 狼スレイヤー アムールの主
【総合戦闘力】540◁120up
【ランク】B?
――???のため、ステータスが???
ここの話、メインストーリーじゃないから、早く書き終わりたいんだよね~! でも、結構大事なとこだし、頑張るかっ‼
ということで、評価お願いします☆




