第12話 寄生花姫との戦闘②
なんかアムール進化……ではなく変異してるし!! しかも私の眷属になってる……。魔力を注入したせいなのか……ごめん。
「ぼ、僕が相手だっ!!」
「なんだあこのクソガキィ」
まあ何にせよ、アムールが一緒に戦ってくれるなら、百人力だ。
アムームに注意がいっている今が回復のチャンス。
「――【回復】――」
傷ついた足が癒え、痛みが引いていく。よし、これでまた戦える。
「アムール、こっち来て!!」
「う、うん」
「走りながら作戦を話す、矢に注意してついてきて」
♢♢♢
即興で考えた作戦……成功するか不安だけど、信じるしかない。
「こ、こっちだ! きせーちゅー‼ お前なんかこの俺様? が、ぼこぼこにしてやるぞぉー?」
「ああ?」
……私が教えたセリフ、めっちゃ棒読みしてるー。しかもなぜか疑問形ー。アムールにはこういうキャラ、合わなかったみたい。挑発に乗ってくれるかハラハラしたけど、杞憂だったみたい。
アムールは体術スキルLv2で、私よりの近接向け。まあアムールにとって初めての戦闘だから、すごく心配ではある。でも……あの寄生花姫の猛攻を軽々と避けている感じを見れば、少し安心できる。
兎の俊敏力が上乗せされているから、実質体術Lv3くらいあるのかもね。
全ての魔力を指先に集める。作れ、鋭く……鋭く……あれを貫ける鋭利な土の槍を‼ この魔法に全てを込めろ。この魔法を放ったらきっと、私は魔力が枯渇して動けなくなる。でも、アムールがいるから……友達を信じて魔法を放つのみ‼
魔法を放てる準備は出来た。あとはアムールが寄生花姫の体制を崩してくれるのを待つだけ。
「や、やぁーい、そんなへなちょこな威力の矢しか放てないのかー?」
「はぁ? もういい、手加減は止める。覚悟しなさい!」
どんな強敵でも、強大な技を使うには溜めが必要。その瞬間に隙が生まれる。
私たちの作戦はその隙を作って倒すこと。その隙を作るには相手が馬鹿である必要があった。私は、寄生花姫が馬鹿であるという鑑定結果を信じ、作戦を決行した。
そしたら見事、寄生花姫は私の存在を忘れ、隙ができている。アムールが作ってくれたこのチャンス、逃さない!
「――【土槍】――‼」
――バリィィン
寄生花姫のバリアが音を立てて割れる。だが、私の魔法は寄生花姫に届かなかった。
魔力が枯渇し、私はその場に崩れ落ちる。
「ケケ、驚かせやがって……これがお前らの作戦か。残念だが、私には一歩届かなかったな」
一歩届かない…………それでいいの。私の役割は、寄生花姫のバリアを破ることだから‼
「アムールッ‼」
「うん! ――【光の雨】――」
♢♢♢数分前♢♢♢
「アムールは敵の引きつけ役……のように見せかけて、止めを刺して欲しい」
「…………?」
「まあ、本当に寄生花姫を引きつけてもらうんだけどね……。アムールが引きつけてくれている間に、私が魔法であいつのバリアを壊す。その後にアムールが魔法で止めを刺して。止め役が私かと思いきやアムールだった大作戦!! 裏をかかないと、敵はきっと倒せないと思うし」
「僕が⁉ パープも知ってるでしょ、僕は魔法が苦手なんだ。それに、その作戦だと詠唱する暇がないよ」
「アムール、あなたはユニークスキル『愛で増幅する魔力』を持っている。そのおかげで私の倍近くもの魔力を持っているの」
「えっ⁉」
「これほどの魔力量なら無詠唱でも魔法を繰り出せるし、新しくて強力な魔法を使えると思う」
「でも、あんな怖い魔物、一人で引きつけられるかな?」
「大丈夫、私より体術レベル高いし‼」
「えぇ……僕、どうなっちゃったの?」
「後で追々説明するね……」
「……私は多分、バリアを壊した後動けなくなる。それでも、私のことは無視して止めを刺すことにだけ集中して。それと、もしあいつを倒せなかったら、迷わず私を置いて逃げて。もとはと言えば、私がアムールを巻き込んじゃったわけだし、これ以上迷惑かけたくない」
「迷惑なわけないっ‼ だって僕はパープのことがっ」
「…………?」
「…………な、なんでもない。僕が絶対倒すから、大丈夫だよ! 最善を尽くして頑張ろう‼」
「うん!」
♢♢♢現在♢♢♢
「――【光の雨】――」
「ああぁぁぁああ⁉」
光り輝く矢が大量に降り注ぐ。何本もの矢が寄生花姫に突き刺さり、森中に断末魔が響き渡る。
寄生花姫は白目を剥いて倒れた。
「「やった……?」」
ピクリとも動かない……倒したの? 本当に倒せたの?
「「やったあ!!」」
さっきまで魔力枯渇で動けなかったけど、嬉しさのあまり魔力が少し回復したみたいで、動けるようになった。
そのままお互い駆け寄り、手を取り合って一緒に飛び跳ねる。
「さっきの魔法、どうやったの?」
あれから少し経った後、我に返り少し恥ずかしくなって離れる。その恥ずかしい雰囲気塗り替えるために、気になっていたことを聞く。
「僕にもよく分からないんだ。なぜか“出来る“って気がして、やるぞって思ったら出来てた」
「なにそれ、天才じゃ――」
背中に悪寒が走る。
嫌な予感がした瞬間、私は弾かれたようにアムールに向かって駆け出していた。アムールに覆い被さるようにして地面に倒れ込む。
「パー……プ?」
「う……」
「パープッ!?」
「ケケケ、さっきのは流石に死んだかと思った」
生きていたのか……寄生花姫。敵の生死くらい、確認しておくべきだったな……。
激しい痛みを感じる背中を確認する。やっぱり矢が刺さってる……。
でも、アムールに攻撃が当たらなくて良かった。もし気づかずに呆けていたら……アムールは死んでいたかもしれない。
それほど致命的な隙だった。
「あー、腹が立つわ!! お前らごときが私に傷をつけるなんて!!」
頭を掻きむしりながら怒鳴り散らす。
「偽物の妖花女王に偽物の娘!! ついでにクソガキ!! 偽物はどうしてこうも邪魔をするんだ!?」
アムールの身体が震えだす。恐怖で怯えているのかと思い、顔を見ると……全然怯えていなかった。むしろ凄く怒った顔をしていた。
「偽物は偽物同士、仲良く死んでくれればいいものをっ!!」
「やめろっ!!」
アムールが叫ぶ。
「偽物偽物って……二人は偽物なんかじゃない。カレンデュラさんは優しくて温かい、真の主だ。パープだって、カレンデュラさんと血のつながりはないけど、いつも仲が良くて支え合っている……二人は本当の家族だ!!」
「アムール……」
私は今まで疑問だった。
お母さんと過ごしていても、これでいいのか? これが本当の家族なのか? って不安だった。今まで家族がいなかったから……確かめることができなかった。
でもアムールが、お母さんと私は本当の家族だと言ってくれた。
だから自信を持って今なら言える。
お母さんのことをもっと知りたいことも、お母さんとの生活が心地良いことも、お母さんが馬鹿にされて怒ってしまったのも、全部……家族だったからなんだ。
「へぇ……そんなこと私に言うんだ……言っちゃうんだあ~。全然笑えないんだけど。もういいや、死ね」
ここで終わるなんて嫌だ―――
「パープ、アムール、よく耐えたね」
「お、お母さんっ!!」
「カレンデュラさんっ!!」
携帯変えたんですけど、設定が訳わからなくて挫けそう……。
評価してくれたら頑張れるかも!
え? このくだりしつこいい? これからもやりますよ?
評価お願いします!!




