表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/25

降伏宣言。そして新たな危機

 2日後甲府の山梨県庁に静岡県知事を呼び降伏宣言の正式な発表および静岡の統治について話しあっていた。

「静岡県知事より正式に山梨県に降伏することをここに宣言します」と渡は言って書面に起こした。それを仁に渡した。

「確かに受け取りました。報道陣にこのことを報道するよう要請してくれ。」と仁は報道部に指示を出した。

 すぐにニュース速報で静岡県が山梨降伏したことが流れた。


「これで降伏の処理は完了しました。次に静岡をどう統治するかを決めます。」と隆が進行した。

「山梨としては静岡県内の混乱をいち早く納め発展して行きたいと考えております。そして静岡軍の兵士も全部山梨軍として兵士の保護もします。」と仁が提案をした。

「私としては静岡県民の生命を守っていただければなんでも受け入れます。それだけです。」と渡は意見を言った。

「静岡県民の安全は保証します。そこは安心してください。山梨の財源を静岡にも流し経済も発展させます。」と仁は静岡県民の安全を約束した。

「知事。静岡は基本的に我々が統治しましょう。しかし静岡県知事の立場もありますし静岡県知事にもそれなりの地位を確保させるべきだとおもいます。」と隆が仁に意見を言う。

 それは仁も同じことを思っていた。静岡県知事をいきなり何もない状態にするのも静岡県民の心境が追いつかないだろうと思った。


 考えていると早苗が提案をした。

「なら愛知県との県境の湖西市の統治を任せてみてはどうでしょうか。愛知県と隣接しているので愛知県との外交や軍事の最前線となります。よって湖西市は最重要都市です。そこのトップをすることで静岡県民にとっても説明がつくと庵もいます。」と早苗が提案をした。

「同じことを考えていました。」

 隆も同じことを考えていたそうだ。確かにこれなら静岡県知事の立場も守れることになる。ただし真な重要な拠点を守らせてもいいのかと言う疑問があったがここはみんなの意見を尊重することにした。

「わかりました。湖西市の統治承りました。」と渡はこれを受け入れた。


「ではその他の地域は基本我々が統治します。静岡県を必ず発展させて行きます。」

「よろしくお願いします。」

 それぞれの知事はお辞儀をした。こうして静岡の統治に向けて話し合いが終わった。

 静岡県知事を護衛部隊つきで静岡まで送ることを指示した仁はこの後会議を開くことにした。静岡を統治する詳細な決め事と今後の山梨県の方針を決めたかったからだ。


 仁と隆、早苗、そして大将を集めて会議室で会議を始めた。

「まず静岡統治の件ですが静岡を統治するのを藤大将に任せたいと思います。そして湖西市にいる渡氏の監視役および愛知県に対する諜報、監視のために静岡西部の軍の統治を早希大将お願いします。」

 仁は静岡を統治する人員を唱えた。

「賛同します。藤大将と早希大将なら安心して静岡を任せられます。」と隆も賛同した。

「私もです。異論はありません。」

 早苗も賛同してくれた。

「静岡統治の任務承りました。」

「静岡西部の統治かしこまりました。」と早希と藤もそれぞれ賛同した。

「これで静岡統治の件は解決しました。そして次は山梨の今後の動向についてなんですが外務部の情報によりますと長野県で長野県政に対して反対運動が起きているそうです。今のところデモで済んでいますが反対運動は軍備拡張をして他県に侵攻することを狙っているそうです。」

 長野県での不穏な動きを聞いて隆が意見を言った。

「もし仮に政権が奪われたとしたら山梨に進軍してくる可能性も否定できません。ですが先に他の隣県に攻めて行く可能性があります。そこで長野県の隣県ともうまく関係を取って行くべきだと思います。」

「それもそうですね。軍事、経済ともに長野県の隣県との関係を作ることが重要になってくるので早速外務部に知らせます。」

 仁はそのことを外部部に伝えた。外務部はすぐに動いてくれていた。」


「知事。愛知県についてですが我々が静岡を統治してから豊橋に軍を集めているとの情報があります。燃料についての条約もありますように今すぐに愛知県と戦争になることは無いですが多分圧力をかけるために豊橋に軍を集めていると思います。」と隆が分析して発言を言った。

 それを聞いた早苗は少し考えた後に意見を提案した。

「我々も浜松に軍を多めに配置することによって愛知県に圧力をかけることができます。そして愛知軍をこちらに集めることにより三重県や滋賀県の方に軍を避けなくなり愛知県の領地拡大を抑えることができます。」


 仁はそれぞれの意見を聞いて考えをまとめた。

「静岡を統治したことにより我が軍勢は30万人の規模になった。軍を向ける方向は愛知県と長野県の2つに絞れます。そこで浜松に20万の軍を配備し長野と山梨の県境である北杜市に10万の軍を展開しよう。そうすれば愛知と長野両方に何かあった際すぐに行動することができます。」

 その意見を聞いてみんな納得した。

「北杜市に派遣した軍の指揮は光大将お願いします。」

「承知しました。」

 北杜市の部隊は光に託すことにした。

「信之大将と薫大将は赤備えおよび青備への育成をお願いします。両者とも五千人にまで拡大させてください。いずれは両部隊とも一万人体制にしたいと思います。」と信之と薫にも指示を出した。


 全ての指示が出し終わり会議を終えた。

 各自解散してこの日は仕事を終了した。


 光は会議の後彼氏であり山梨軍中佐であるしょうと食事をしていた。そこでは今後の山梨の方針や雑談を話していた。

「光ちゃん北杜市の部隊の指揮官になったんだね。やっぱすごいよ。」と翔はにこやかにいう。

 そう言われた光はとても嬉しそうだった。

「翔くんだって赤備えの第一部隊長として活躍してるよね。それもすごいよ。」

 両者お互いを褒めあって二人で笑顔になっていた。

「長野県の動きがすごく不安だけど戦争になんないでほしい。戦争になったら戦うけど本当は戦いなんてなくて平和がいい。」と光は戦争に対する思いを翔に言った。

「戦争したく無いはみんなそうだと思うよ。けど今は戦国時代だから戦うときは戦うしか無いんよね。知事も平和を願っているのはよく知ってる。将来の平和のために戦うと今は割り切っている。」と翔も自分の気持ちを言った。

「そうだよね。早く戦いの無い世界を目指す。」

「そうだね。一緒に目指そう。」

 そう言って二人は心に誓った。


 二人は店を後にして甲府の街中を手をつなぎながら歩いた。時期はクリスマスシーズン。街中の木がイルミネーションでキラキラ光っている。

「イルミネーション本当に綺麗だよね。ずっとこの景色見ていたい。」

 光はイルミネーションを眺めながら言った。

「本当にずっと見ていたい。光とずっとこれからも。」と翔がいうと光は照れた。

「なんか照れるけど嬉しい。ありがとう。これからもずっと一緒にいようね。」

 寒さが厳しい甲府の中に二人の暖かさがほのかに広がっていく。


 数日後仁の元に長野県で反乱が起き今の政権が崩壊したことが伝えられた。そして長野新政権はいま結んでいる同盟を全て破棄してミサイル攻撃を仕掛けると声明を出した。

 ミサイル攻撃は一般市民も多く巻き込むことから日本全国の条約で禁止されている。長野県はその条約も破ろうとしているので近隣諸県に緊張が走った。そして仁、隆、早苗、大将の計八人で緊急会議を開いていた。


「知事。長野県がミサイル攻撃を仕掛けている県ですが見過ごせないことです。このまま放置していたら多くの一般市民が巻き込まれます。山梨県は対ミサイル迎撃システムがありますけど無い県もあります。そうであっても早めに行動しないと山梨にもミサイル攻撃が来る可能性があります。」

 隆は仁にミサイル攻撃の危険性を説明した。仁もミサイル攻撃の危険性は十分に理解していた。

「ここは軍事機密とか言ってる場合ではなく対ミサイル迎撃システムを迎撃システムがない県に技術提供をするべきだと思います。一般市民を犠牲にしないためにも重要なことだと思います。」と仁は対応法を話した。

「しかし知事。ミサイル迎撃システムは山梨県にとって重要な技術です。それを他県に提供するとなるとそれを応用されて相手の軍事発展に繋がってしまいます。」と隆は否定的な意見を出した。

「確かに副知事の言っていることは間違ってはいません。けど一番に考えるのは一般市民の生命を守ることです。一般市民が多く犠牲になることは日本の今後を考えてもデメリットしかありません。それにここで技術提供をすることによに他県に対して信頼も生まれます。信頼はなかなか作れないものです。だから技術提供をします。」

 仁は隆に訴えるように言った。一般市民の生命を守る。それは山梨県民だけでなく日本国民全体となっても変わらないことだった。


 隆は考えていた。仁の言っていることもわかる。しかし今は戦国時代だ。軍事機密は戦国時代にとって重要な機密だ。それを安易に教えるのはなかなかできなかった。しかし仁がここまでいうからには仁の考えに従おうと思った。

「わかりました知事。提供しましょう。外務部に伝えます。」と隆は言って外務部に連絡をして指示を出した。その指示をした直後外務部および諜報部隊から衝撃の連絡が来た。


「長野県が富山県に大型ミサイル3発発射しました。そのミサイルが富山市中心部、高岡市、黒部市に着弾。甚大な被害が出ている模様です。」

 その報告を受けた仁は机を思いっきり叩いた。その様子にみんな驚いていた。

「ふざけるな。なんで一般市民が巻き添えにならないといけないんだ。」

 ここまで怒った仁は見たことがなかった。怖さが会議室に伝わって言った。

 少しの無言が続いていた。そしてその空気を壊すかのように再び外務部から報告があった。

「長野前政権の知事から要請がありました。新政府軍との戦いにより諏訪まで逃げて来ているそうです。そこで山梨に援軍要請を頼んで来ました」


 その報告を受けて仁は即答した。

「今すぐに諏訪に援軍を出そう。北杜市に展開している10万人の軍および赤備え5000のうち2500人も派遣する。赤備えの指揮は赤備え一番対隊長の翔に任せるとする。全体の指揮は光大将お願いします。直ちに諏訪に行く準備をお願いします。」

「かしこまりました。」

 そう言って光は北杜市に向かっていった。


 光が北杜市に向かう前早苗と二人で会話をした。

「光。この作戦は山梨だけでなく多くの県の人たちを救うための作戦なの。光なら大乗だと確信しているよ。」

「さすが先輩嬉しいこと言ってくれますね。」

 早苗と光は中学からの先輩後輩の関係だった。同じ中学、同じ高校、同じ大学を経て戦国時代になって山梨軍に入り互いに努力して今の地位に付いていた。そのため二人はとても仲が良くて二人だけの強い絆で結ばれていた。

 そして早苗と光は部下からの信頼も厚かった。それもあり今の立ち位置にいることができる。

 光ならこの役目を必ず達成してくれると確信していた。

「先輩。行ってきますね。」

「うん。必ず役目を果たしてくる。」

 二人は笑顔を交わし別れた。


 光は翔と合流して移動の中で作戦を立てていた。

「作戦なんだけど敵の軍は諏訪湖の北側の下諏訪駅周辺に軍を構えているらしい。そして旧政権軍は諏訪大社神社本宮周辺まで逃げて来ているそうだから下諏訪駅に展開している敵を叩くのが先決だと思う。そこで赤備えと私の軍で二手に別れて赤備えを国道20号線側から、私の軍が中央道から北上していって岡谷駅周辺に陣を構えるから赤備えは敵を岡谷で追い込んでそこで私の軍が一斉攻撃する。」

 光の作戦を翔は真剣に聞いた。そして翔も意見を出す。

「相手の軍は約5万人らしいので赤備えだけでその軍を追い込むのは少しきつい気がする。2万人くらいこちら側に回して2万人プラス赤備えで行けば確実に攻め込めると思う。攻撃に特化した2万人の舞台を送ってほしい。」

 翔の意見を聞いて光は作戦を変更した。

「なら2万人プラス赤備えで国道20号線から進軍して残りの部隊で岡谷駅まで回り込んでそこで敵を撃つ。」

「うん。なんとしてでも勝つ。」

 そういって二人は諏訪に進軍していった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ