すぐに大仕事
次に仁が目を冷めると布団の家にいた。大きな部屋にポツンと布団だけがおかれそこに寝ていた。
「なんだここは。それにしても広いな。」と仁はあたりを見回す。その瞬間頭の中に一気にいろいろな文字や情報が入り込んでいた。そこにはいまの山梨県の情報。部下などの情報。自分が山梨のトップである山梨県知事などといった情報が送り込まれた。
「山梨県知事。本当に俺は山梨のトップになってしまったのか。」そう行っていると二人の男女が入って来た。初めてあったはずなのに名前を言える。隆と早苗だ。
「知事。おはようございます。朝食をとり公務を行ってください。」と隆に言われた。
「お、おはよう。わかった。」となんとか山梨県知事に成り切って対応する。
「知事。静岡県との関係について話す必要がありますので私のところにも来てください。」
早苗はそう言って去って言った。
朝食をとると同時に頭の中を整理した。山梨県は戦国時代となりまず食料の確保に務めた。特力を応用して食量を大量に生み出すことに成功した山梨県は隣県の県などに食料を提供して莫大な利益を出していた。そして東京、神奈川、埼玉、長野と同盟を組んでいる。同盟を組んで戦争回避をこ転んでいた。しかし静岡だけはそれに反発した。静岡県知事である忌部俊明は日本征服を狙っていた。そのため山梨県に対して進行を企んでいる説があった。そのため山梨と静岡の県交は断絶に近い状態になって言った。
「知事どうされました。何か考え事をしていましたか。」と隆が聞いてくる。
「いや。なんでもない。」と答えると朝食を引き続き食べた。
とりあえず俺は頭の中に入って来た情報をもとに今後の行動を決めることにした。とりあえず本当に戦国時代状態になっており山梨のトップであることなのは事実なのだから精一杯やってやろうと思った。
前の人生では平和に生きて人々を笑わせるのがモットーにしていたがこの世界ではそうはいかないみたい。けどできる限り争いはしたくなかった。
朝食をとり終わり仁は早苗の元に向かった。
早苗は山梨県の軍医を司るトップ(元帥)だった。そこで二人は静岡県の様子などを話した。
「知事。静岡は着々と進行する準備をしています。こちらも早めに進行された際の行動を決めないと領土が取られてしまいます。」
早苗が淡々と話す。
「静岡の全体な戦力は約40万人。こちらは集められても5万人。戦車は静岡が約5000。こちらは300。航空機も相手が500期に対してこちらは50機になります。圧倒的に戦力差があります。」
仁は考えた。圧倒的に差がありすぎる。全面戦争をしたら間違いなく負ける。そんなことを考えていると早苗は言葉を続けた。
「しかし山梨の軍は厳しいトレーニングなどを通じて精鋭になっています。ですので数字的には開いていますがいざ戦ってみるとなると善戦すると思います。」
山梨の軍は数字だけでみると少ないが戦力としてはかなり強力だ。しかし数の差で圧倒されているのでいくら精鋭でも正面衝突では勝てない。そうなると正面衝突が起きる前に決着をつけるのが一番可能性の高い勝ち方だと思った。
「元帥。戦いが起きたら善戦するだけれは意味がない。勝たなければならない。勝てなければ意味がないんよ。」と仁は早苗に問いただした。
「知事。確かにそうですよね。勝てる方法はあるんですか。」
そう言われて仁は考え込んだ。実際策はまだ思いついていなかった。
「まだ思いつかないが絶対に勝つ方法を見つける。少し時間をくれ。引き続き軍には静岡の動きを注視してくれ。」
そう指示を出して話し合いを終わらせた。自分でもなんで転成してこの話ができるのか不思議だったが頭の中に情報が全て刷り込まれているのに本当に感謝した。
仁は次に隆の元へ行った。隆は副知事でNo.2のポジションだ。静岡に対する対応など隆とも話をした。
「知事。静岡との外交はもうほぼ不可能な状態です。いつ戦争になってもおかしくないです。こちら側の話し合いを全てキャンセルされました。」それを聞いて仁は考え込んだ。戦争はしたくない。けど戦争が起きそうになっている。なんとか策が思いつくまで時間稼ぎはできないか模索した。
「神奈川にはなんらかの要請はしてあるのか。」と仁は隆に聞いた。
「もし戦争になったら山梨を支援するとは言ってますが神奈川も静岡侵攻に備えて県境に軍を配備するそうなので支援している余裕はそこまでないかと思います。」
「なるほどね。援軍はないと思った方がいいな。」
仁と隆は二人で考え込んだ。
しばらく考え込んでいると早苗が走ってきた。
「知事、副知事。富士宮に静岡の軍が集まっているそうです。その数人が20万人、戦車2000台。山梨に進軍する準備を本格的に始めています。」
早苗は焦った様子で話した。戦争まで秒読み段階。仁は考えた。そして軍の大将を集めることにした。
山梨軍には大将が3人いる。その3人と隆と早苗で緊急会議を開いた。
「信之、早希、光大将としての意見を聞きたい。」と早苗は大将三人に質問をした。
「まずこちらも富士宮との県境に軍をありったけ配置する必要があると思います。まずは守りに徹することです。」と信之が提案した。
「信之に賛成です。全力で防衛に走り進行を阻止するべきだと思います。」と早希も信之の意見に同意した。
「けれど防衛して大軍を抑えることができるのでしょうか。いくら精鋭だといえ4万人で20万人を抑え込むのは不可能だと思います。」と光は否定的な意見を出した。
「確かにこの数に対して防衛はきついと思う。けどどうしたらいいのか案が出ない。」
早苗の意見にみんなが黙り込む。
そこで仁が口を開いた。
「敵の本陣に奇襲をかけ本陣を混乱させるのはどうだろうか。本陣が責められたとなれば敵も統率が取れなくなるはずだ。」
「確かにその案はいい案だがどうやってするんだ。」
隆は仁に聞く。
「うちの空挺団を使おう。うちの空挺団は赤備えとして恐れられているしそれなりに成果は出ると思う。」
「でも安全に本陣まで空挺団を運べる確証はない。制空権も取れていないし。」
隆は仁の意見に反対する。そんな様子も御構い無しに仁は話を続ける。
「確証を求めてはこの戦いに勝てないと思っている。この状況を打開するには大胆なことをするしかない。俺は赤備えを信用している。だからこの作戦で行きたい。」
四人は黙り込んだ。そして少しの沈黙が続く。
しばらくして隆が口を開く。
「確かに知事の言った通りだ。大胆にいかなければ勝てない。この意見で行こうと思う。」
そう言って周りを見渡す。みんな覚悟を決めたようだ。
「ありがとう。責任は俺がとる。絶対に勝つ。」
仁はそう言ってみんなにそれぞれ役割をふった。
静岡の軍は続々と富士宮に集まっていている。この戦いが山梨の今後を決めることになる。転生してすぐに大仕事が待っていた。