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最終話 姉の恋愛偏差値は低い

「はぁ、結局リムが言っていた運命の出会いってお祖父さんだったのね」


 あれから数週間。

 祖父の葬儀を終えたケイトは新規依頼の受付にいた。

 悲しい結末であったがそれでも母と祖父を最後に和解させ上げることが出来たのは大きいと思う。

 

 そして贈られる大事なものとは、どうやら自分用の武器になった『オートクレール』だったらしい。

 指輪型という事で装着していたら誤解を生むので持ち歩かない様にしている。

 確かに強い武器だが別にあれが無くても戦える。

 いや、そもそも受付嬢なのだから日常的に持ち歩く意味などない。

 

「うーん、それにしても運命の出会いとかしてみたかったなぁ……」


 呟ていると窓口に客が来る。


「あ、あの……」


「ああ、あなたは……」


 見ればネコの捜索を依頼しに来たおどおど青年だ。

 どうやらネコが見つかったらしい。


「良かったですね」


「あの、それで聞いたんですけど……猟団の方に依頼を回してくれてたって……」


「ああ、それね……」


 青年の依頼が消化されていない事に気づいたケイトは妹の猟団に依頼を回すことにした。

 結果、数日で見つかる事となった。

 

「その……ありがとうございました。本当に助かりました。流石ケイティちゃん。昔っからそういう優し所変わらないなって……」


「えっと……え?」


 ケイトは目をぱちくりと点滅させ目の前の男を見る。

 今、彼は自分の事を『ケイティ』と呼んだ。

 本名はケイトリンで、家族はケイトの愛称で呼んでいる。

 友達などもおおむねその愛称だ。

 だが過去にひとり、『ケイティ』と呼ぶものが居た。


「もしかしてセイン?幼い頃よく遊んだあの」


「う、うんそうだよ。ていうか依頼した時に名前書いたのに全然気づかなかったんだね……」


「あはは、えっと……」


 確かに名前は見ているがかつてわんぱく坊主だった幼馴染と今の彼は全然イメージが違う。

 そういうこともあって名前と記憶が一致しなかった様だ。

 気まずさを覚えながら少し会話する。


「そ、そうだ。今度その……一緒にご飯とかどうかな」


「うん?それいいわね。想い出話とか流石に窓口じゃね」


「じゃ、じゃあ予定とか聞きたいんだけど……」


 その様子を離れた所で妹とその彼氏が眺めていた。


「ねぇ、ユリウス。あれって……多分そうよね?」


「ああ、そうだね。そしてケイト君が全く気づいていない辺りまでがセットに見えるね」


 ケイトとセイン。

 この二人がどうなっていくかはまた、別の物語である。

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