表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リューブラント幻想  作者: まいるまいる
【2】記憶を訪ね、異世界を知る
4/71

【2】 ~2/2

 それにしてもこの月島奈津美という子は、多くの知識を学んでいるようです。彼女の記憶を探れば探るほど、この世界のいろいろな事を知ることができたのでした。


(世界大戦、産業革命、宗教改革、封建制度、帝国支配、古代文明。ふーん、全部教科書に書かれているのか。それを余すことなく覚えているとは、なんと勉強熱心な女性でしょう)


 そして、石器時代、クロマニヨン、ネアンデルタール、類人猿、…………サル。


(サル!? まさかこの世界はサルが統治しているとか! ひょっとしてこの体も?)


 寝たきりで固まってしまっている体を何とか動かし、お尻の辺りをベッドとの感覚で探ってみます。もちろん、そこにシッポなどあろうはずなかったのですが。


 引き続き頭の中を探ってみますと、すぐに"進化論"という言葉が引き出されて来たのでした。


(なるほど、面白い考えがあるものね。人間がこういう風にできていったかもしれないというのは、誰かに話してみたいわ)



 ところでメルタは、ここであることに気が付きました。


 兵器開発や産業革命など道具にまつわる記述や、宗教に関する記述があるのに、魔法についてだけ、どこにも触れられていなかったということです。


 まぶたを開くと、先ほどの心電計の明かりが目に入ってきました。自分の腕や体には、管やらいろいろなものが取り付けられています。


(そういえば魔素を感じることができないわ。ここでは怪我や病気の治療をどのように行っているのかしら)


 魔素とは、魔法を操るための根源的なエネルギーのこと。元いた世界では、酸素と同じように空間にあふれ、目では見られませんが、体内に取り込み、魔法という力に変えて取り出すことができたのでした。


 しかしここでは、その魔素を一切感じることができません。酸素が無くなると人は生きていけなくなりますが、魔素については、まったく感じられなくなったところで、死に直結することはないようです。


 とはいえ、産まれてこの方、常にともにあった魔素を感じられないというのは不自然ですし、不安を覚えざるを得ないというのが本音です。



 この先の治療については、彼女の頭の中を探ればいろいろとわかる事もあります。けれども、それより何より、この世界は元いた世界とは成り立ちからして、まったく違うことを、メルタは寝たままで理解したのでした。


(朝になったらどうなるのかしら。頼れる人がいてくれたらいいのだけど。今のままじゃわからない事だらけで…………)


 その時突然、頭の中に"転生"という言葉が浮かんできたのでした。

 

(ひょっとしたら、これがその転生!? アニメで見た……?)


 もちろんメルタ自身は日本のアニメを見たことなどありません。その知識は月島奈津美の記憶の中にあるものです。


 状況から考えてその可能性はあると考えたメルタは、すぐに記憶の中を探査し始めました。

 しかしその情報量はあまりにも多く、ひとつひとつ理解しながら調べていくのは、なかなかに大変な作業で疲れてしまいます。


 知りたいことはいくらでもありますが、現状はすでに理解の許容量を超えてしまっているようでした。


 この先は必要な時に必要な情報だけを取り出して、その都度対応していくしかないのかもしれません。


 そんな風に考えているうち、いつの間にかメルタは再び眠りについていたのでした。



【2】page 2/2

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ