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火星で商売

火星にて資金作りを行います

ここは地球(大王側)の隣の惑星「火星」すでにテラフォーミングが

完成し当初4億人の民が移住したが生活が安定すると人口も増えて

今は8億人が住んでいる。ここを支配するのは初代火星王「ワン」


「新しい市民の方はこちらにどうぞ」うら若き女性移民官が何時もの通り

優しい言葉で移民を誘導する。


「ささ、救助された皆様はこちらにどうぞ」


「私達4人家族、フランクに住んでいたのですがなにもかも全て

失ってしまいました。どうかよろしくお願いします」アル


「はい、アルフレッドさん、この度は大変辛い思い大変お気の毒に

思っています。我々移民官も出来る限りのサポートはさせて頂きますので

どうがご安心下さい」


「よろしくお願いします」深々と頭を下げるアル


「さて、アルフレッドさん、今回火星への永住を希望いただきありがとう

ございます。生活が安定するまでサポートさせて頂きますので

どうかよろしくお願いします。」移民官


「はい、火星に移民すれば生活資金を得られるとの事で藁をもすがる思いで

参りました」アル


「ですがアルフレッドさんは中級貴族出身、農業立国の火星での生活は

なにかと制限があるかと思います」移民官


「幸いにしてブレッド商会という小さいながらも将来有望な会社の

就職試験に合格したので其方にお世話になるつもりです」アル


「はい、書類で承ってます。すでに就職先が決まってるのなら安心ですね」


「はい、早速今日は社宅に引っ越そうと思ってます」

「はい、ご案内します」移民官


「あっとそれからこちらが支度金です」移民官


「あれ?移民者には一律金貨20枚と伺ってましたが・・・」


「はい、アルフレッドさんの家屋敷と財産を不当に国が没収してしまった

そのお詫びと慰謝料も含まれてます。」


「なるほどそれで金貨1000枚・・・」アル

「申し訳ありませんアルフレッドさんの精神的な苦痛をお金で

計るなんて無粋なのですけど。国の精一杯の誠意です」移民官


「いえいえ、これだけあれば当面生活に追われることはありません

感謝しています」アル


社宅に案内されると社長のブレッド達が待ち構えていた

「アルフレッドさんようこそお待ちしてました」


ブレッド商会などと言うと聞こえはいいが社員20名ほどの零細企業

火星でも群を抜く先端技術を扱う企業なのだがまだ発展途上の会社


「移民官様ありがとうございました。」


「それでは達者で暮らして下さい悩みがあったら何時でも連絡下さい」

手を振って別れる移民官


「さて、打ち合わせしましょう」アル


社員、アルフレッド達全員が社宅に入る・・・ゾロゾロ


2階建20世帯分の集合住宅式社宅、構造は玄関をくぐると左に階段があり

階段の下は管理人室となっている管理人室に入ると管理人の住居も兼ねている

2LDKほどの狭い部屋だがクローゼットがある

クローゼットの中に床下収納があるが実は地下へと続く階段が隠されてる


「さ、地下にセキュリティルームがあります」ブレッド


「ほほう、地上部分よりも地階の方が数倍広いね」アル

「はい、上物が飾りですから、シンジ様の住まいには小さすぎです」


「これこれ、シンジとう人物は別人だから、私はアルフレッドだよ」


「大変申し訳ありませんでしたアルフレッド様・・・」土下座するブレッド

「困るんだよ、私は平社員で君は社長。土下座なんてしないで下さい」アル


「し、しかしご主人様に失礼は出来ません」ブレッド


「これは命令です私達が火星で暮らす以上君は上司、これからは私は君を

 ブレッド様と呼ぶ、君は私をアルもしくはアルフレッドと呼び捨てにしなさい」


「は、かしこまりました。それではア・・・アル!」

「はいそれで結構です」


「さて、先日お話したとおり20億民救出のためには資金不足が深刻なのです

よって今日から本腰入れて利益を上げなければなりません」


「ア・・・アル、具体的にはどうするのですか?」ブレッド


「はいブレッド様、この商社の主力商品はなんですか?」


「う、うむ、種籾の開発と改良だ」ブレッド

「結構です。それでは今日からその方面の開発に私が力を貸しましょう」


「だ、だが・・・今日から力をいれるといってもこの業界はノウハウが

あり一朝一夕でどうこう出来る程甘くはないぞ」ブレッド


「出来るか出来ないかまずはデーターを見せて下さい」


「君、渡して」ブレッドが部下の秘書に資料を出させる


社員20人みなアルの実力などは知らない。小馬鹿にしてる者もいる

尚、社員20人全てシンジが作った召喚人間だがシンジについての

詳細は一切知らされていない。ブレッドを通して存在を知るだけ


「バラバラバラ・・・」ページをバラバラめくるアルフレッド


「ふむ、分かりました」アル

「え?なにが分かったのですか?」ブレッド


「この会社の問題点と改良点と新開発種籾についてだよ」

「ば、ばかな・・・」


「まずは社員の適材適所が不十分」


「しかし、家族経営にちかい零細企業少数の社員では全てを

こなせないと臨機応変に対応出来ません」ブレッド


「いや、それでも個性は存在する。得意分野を伸ばさないと

均一にしか成長出来ません」


「なるほど・・・」社員一同


「次に折角共同開発した種籾の特許を全てアナハイムに握られてる件」


「し、しかし我々は20人の零細企業、相手は30万人の超大企業

初めから勝負になりません」


「おかしいですね、契約では両社対等の立場の筈、会社の大きさは

関係ないはずです」アル


「しかし、結局は開発資金の95%以上アナハイムの出資ですから利益配分率は

仕方の無いことで・・・」


「アイデアのほとんどはブレッド社長が出してるのに、勿体ない事」

「しかし、それでも我が社には身分不相応の高利益です」


「契約分は仕方が無いですがこれからは私が付いてます、アナハイムから

独立して利益を独占しましょう」アル


「しかし、それでは裏切り行為でどんな報復を食うかわかりません」


「だから新開発分と言ってるのです。アナハイムが一切関わらない部分で

全く新しい商品を開発すれば仕返しもなにも起きません」アル


「ですが・・・我々には研究する場所も資金もありません」


「資金は少し不足してますが研究所は提供出来ます」アル

「ど、どこにでしょう」ブレッド


「粒子宇宙船内です」アル


「ふ、お戯れを・・・」社員全員鼻で笑う

ふっと全員が立ちくらみ・・・


「ようこそ我が粒子宇宙船研究所に」アルが皆を出迎える


「こ、ここはどこですか?」

「だから私の粒子宇宙船内の研究室ですよ」アル


「ば、ばかな・・・」驚愕の社員一同


「これがアルフレッド様だけが知る粒子生体縮小体の現実です」ルイーズ

「こんな技術は火星にはありません」ブレッド

「ふふ全人類が未知の技術ですからね」アル


「アナハムが持つ1/5000縮小術は私の発案です」アル

「それは存じてましたが、その先があったのですね」ブレッド


「アナハイムに開発を凍結されたが我が独自にここまで開発した」

「お、おそろしい方・・」


「そんな事はどうでも良い事です。とにかくブレッド商会が利益を上げなければ

我々は立ちゆかないのです、だから私も本気です」


「分かりました全身全霊をもって尽くします」ブレッド

「ここにはアナハイムに一歩も引けをとらない設備が完備されてます

一緒に新技術を開発しましょう」アル


「お言葉ですが種籾関係はほとんどアナハイム社が特許を握ってまして新しい

技術開発などはほぼ不可能、今は改良に重点を置いてるのが実情です」


「はい、資料をみて全て把握してます。しかし必ずどこかに新技術は

あるはず」


「しかし、ワン式分光器がなければ何一つ出来ません」ブレッド


「分光器の性能はこれ以上上げられないのでしょうか?」アル


「うーん、今の所は不可能かと。すでに40万種以上の分光に成功してます」

「さすがワン様、確かに究極の分光器ですね」


「我々にはそれ以上不可能です」ブレッド


分光データ画像を眺めるアル


「ん?・・・」

「なにか疑問ですか?」


「画像に写り込んでいるこの傷はなんですか?」


「ああ、それはノイズの類です。宇宙放射線とかニュートリノが

映り込むときがあります。気にしないで下さい」


「君達はこのノイズを実際に調べた事があるのですか?」


「いえ、多分その類だろうとのことでほとんど無視してます」


「あのね、雑草という名前の草はないのですよ」

「は?」


「どんなデーターでも無意味はないと言う事です」

「しかし、このような成分を調べても・・・」

「やってみてませんよね?」


「申し訳ありません直ちに解析始めます」ブレッド


「すみません、貴方達の情報分析力では無理な注文でした

許して下さい」素直に謝罪するアル


「分析完了しました」イリス


「な?君はなに言ってるの?」ブレッド


「ご心配なく私の家族は特殊な才能がありさる高性能なホストにアクセス

出来る能力があるのです」


「そ、それは人間業ではないですよね」ブレッド


「余計な詮索は無用です、とにかく解析できるのです」


「99.9999%は社長の言う通りデブリでしたが残りは未知の

なにかです」イリス


「これはノイズではありません太陽光に含まれる光波長でした」エマ


「ば、ばかな新種だと?」ブレッド


「です」ルイーズ


「しかも46種類分別できました」イリス


「新光種で発育できる種籾を開発出来ればアナハイムに抵触しない・・・」

ざわめく社員達


「いま聞いたことを外部に漏らしたら即処分いたしますので」アル

むかーし昔、指パッチンで召喚人間を消滅できたダクーミという悪党がいた

アルの言ってることは脅しではない。


「ホストのシュミレーターによると№27波長は稲作に最も適してると

判明しました」エマ


「早速の特許出願とその光を使った種籾開発お願いします」アル

「はは、直ちに」ブレッド

「その前に新型分光器を開発しないとアナハイムに利益を取られます」

「た、たしかに・・しかしどうやりましょう?」


「全く別の方法で分光出来なければ無意味です」

「ワン式分光器は核心部分はブラックボックス化されていて開封すると

即時に通報されつつ分光器自身が自動的に機能を二度と失います」


「多分特殊魔石と結界魔法の応用でしょう」

「有償にて魔石の交換は可能ですがアナハイムでしか交換不可能です」

「模倣しても特殊インクで染色されてる魔石をコピーするのは不可能でしょう」

アル


「では、どのようにして?」ブレッド

「全く別の方向からアプローチして同じかそれ以上の物を作れば

問題ありません」アル


「それはそうですが実際には難しいかと、アナハイムですら開発に莫大な

開発資金と年月が掛かっています」ブレッド


「私が独自に研究した光粒子理論を使います」アル

「なんですかそれは?」ルイーズ達ですら初めて聞く話にビックリする


「光といえども粒子のひとつなのです」

「しかし、それを捉える事は不可能です」ブレッド


「ワン様の方式は光学式、つまりレンズで捉えて高性能のプリズムで

分光し解析する方式です」


「はあ、それしか方法はありえませんが?」


「私の理論はレンズを必要としません」

「ば、馬鹿な!」


「ですから捉えた光を直接粒子単位で解析するのです」

「ですが光は保存出来ません」


「当然です、しかし波長毎に分けたセンサーで反応させれば捉えられます」

「確かにその方法なら膨大なセンサーを開発出来れば可能かもしれませんが」

ブレッド


「途方もない設備になると言いたいのでしょう?」アル


「はい、砂上の空論にしか聞こえません」


「これが私の開発した分光センサーです」アル


「ま、まさかこんなに小さく出来る訳がありません」

「デジタルカメラに搭載されてるイメージセンサの発展系だよ」


「先ほどお聞きした生体縮小術の応用ですか?」ブレッド


「いかにも・・・しかし禁断の技術なので出来る範囲での応用です」

「つまり1/5000の範囲なのですね」


「うん、だからこんなに大きくなってしまった」アル

「と、言われましても従来の分光器よりも一廻り小さくて十分実用範囲です」


「しかしね、この縮小技術もアナハイムの特許だから特許使用料は結局

とられてしまうのです。」アル


「それでも我が社の利益は膨大になるとの予想ですね?」ブレッド


「はい、すでに出来上がってるので後は社長が販売するだけです」

「ワン式分光器とコスト勝負は可能なのですか?」


「勿論、コスト的に言えば特許料込みでも1/10で出来る筈です」

「もっとも分光器の需要はほとんどゼロ、種籾開発の為の副産物ですよ」アル

「デジタル分光器はアナハイム社でも開発中かしれません、今すぐ

特許申請してください」アル


「は、只今完了しました、もう我が社の特許です」エマ


「な、なんと迅速・・・」


「はい、全世界共通のデジタル特許庁は挙証資料さえ明確で他特許と

バッティングさえしてなければ即時認可が基本です、つまり早い者勝ち

エブリディエブリバディ(24時間営業)ですから」エマ


「くくくっアナハイムでは私が開発した縮小技術は物流分野でしか使えないと

勝手に固定観念で凝り固まってる。まさか分光器に応用が効くなんて思っても

いないはず」


「だとしたらこの先巨大企業のアナハイムの逆襲は熾烈でしょうね」ルイーズ


「私の利益にもなりますし」アル


一月後に合法的に販売された新型分光器と新たに46種の光種が登録された


「ブレッドさん、やってくれましたね」アナハイムの担当員が嘆く

「はい、我が社とて社員を食べさせなければなりませんので」


「しかしいつも共同で開発してきた弊社への裏切り行為ですよ」担当員

「そんな事はありません、全て合法です確かめて下さい貴社への侵害は

何一つありません」ブレッド


「しかし新技術があるのでしたらこちらに知らせて頂いても・・・」

「ですが開発を持ちかけ様ものなら貴社の資金力に当社は太刀打ちできません

結局アナハイムさんに美味しいところは全部持って行かれてしまいます」


「今までも膨大な利益を提供してる筈ですが?」担当員


「申し訳ありませんが今までの開発のほとんどが私のアイデアでした

共同開発と言われましても・・・」ブレッド


「もちつもたれつと考えていました・・」残念がる担当員


「仕方がありませんね」ブレッド


「分かりました、今日から我が社と貴社は良きライバル関係と言う事で」

担当員


「アル君、君の言う通りにしたら巨大な後ろ盾を失ってしまったけど

本当に大丈夫なのでしょうね」小心者ブレッド


「絶対に大丈夫です今までだって社長のアイデアがあっての商品でした

少しはアナハイムも反省するべきです」アル


無事円満決裂(笑)と思われた両社だったが・・・


翌日


血相を変えて火星支社社長のワンが自らブレッド商会に乗り込んで来た!


「社長はいますか?」ワン


「は、アポイントは伺ってませんが何用でしょう?」受付

これは下手したら刃傷沙汰と受付が機転を働かせたのだった


ガードマン(護衛兵)があわてて出動する


「すみません、別に怒鳴り込んで来たわけではありませんあくまでも

ビジネスのお話がしたくて飛んできました」ワン


「少々お待ちください」


社長室で受付とのやりとりをモニター越しに見ていたブレッド

「通してください」


「は、それではこちらに」案内嬢

社長室に通されたワンと秘書・・・いきなり土下座!


「な、なにごと」ブレッド


「当社の対応が誠に申し訳なく・・・」ワン


「え?」


「実は今回の件昨日まで私に情報が届いてませんでした」

「些末な取引ですからねしかたがありません」ブレッド


「そんな事はありません、どれほど我が社に貢献いただいていたか・・

しかし、内の恥を曝す様ですが担当員の悪意にて私自身が騙されていました」


「ほう?」モニターで様子を見ていたアル、ちょっと驚く


「社長の出したこれまでの数々のアイデア。全て担当員が着服してました

昨日付けで担当員は懲戒解雇してます」ワン


「我が社が不当に取得した特許は全て社長にお返しします、そして不当に得た

利益の全てを私が穴埋めしてお支払いいたします」ワン


「しかし、なぜ分かったのですか?」ブレッド


「先日販売された貴社の分光器と新光種の登録を知ったからです」ワン

「私は新聞発表で仰天し部下にブレッド商会を照会させたのです、すると

我が社と取引があったとその時点で内部資料がでてきました。」


「担当員を呼びだし顛末を説明させたらどうも辻褄があいません

で内部監査を行ったところ不正と横領が発覚した次第です。全ては私の

不徳と致すところ、全責任は私にあります。本来なら社長を辞任するべき

由々しき事態なのですがまずは貴社の名誉回復が先とはせ参じました」


「そうでしたか・・・とても人のよさそうな担当員様でしたが」ブレッド

「あのその・・・とても身内の恥を曝すようであれなんですが・・・

汗ふきふきのワン


「犯罪行為を禁ずる為の即死魔法すら不当に解除し、担当していた各社へ

理不尽な要求を行いアナハイム社の名誉を著しく損ねた逆臣にて

厳しく処分いたしました。」


「厳しく処分?ですか」ブレッド

「はい、国家反逆の大罪人です、永久に彼が世にでることは有りません」

「つまり、処刑?」


「司法に刑罰を委ねれば当然極刑扱いは免れませんが・・・・

私の独断で本人の希望もありましたので別人になってもらいました

当然記憶も家族もすべて失われてます」


「それでもお優しい方ですね」ブレッド


「私自身250年の眠りから覚めた人間ですから・・・」

「私も同じ様なものです」ブレッド


「とにかく失ってしまった信用は取り戻すことは出来ませんがどうか

両社の関係を修復したいと思ってます。当然対等の立場としてです」ワン


モニター越しにアルフレッドは少し感銘した「ワン様、さすが火星王だ」


「まずは当社が得た不当な利益を返却します、小切手ですが改めて下さい」


「ぎょっ!これはなにかの間違い、そんなに我が社は損害を受けてません」

「いえ、内部監査で精査した結果です絶対に受け取って頂きます」ワン


「しかし、こんな巨額・・・」なんと金貨100万枚1兆円相当

「勿論今後ともよろしくお願いしますとの誠意も含まれてます」ワン


「しかし、対等を望まれるのでしたらこれは不愉快です」ブレッド

「分かりました、それでは半分は貴社への株式投資につかいましょう

あくまでも貴社への投資です。これは正当ですので」ワン


「ですが、弊社はそれに見合うだけの株券など発行してません」

「いますぐ発行してください、社員も増やすべきです」ワン


「あの、すでに越権行為かと・・・」

「あはは、すいません、でも一度だした資金を引っ込められません」ワン

「我が社が投資したと判明したら一般投資家が黙ってる訳がありません

否応なしに貴社の株価はうなぎのぼりです、多分数兆円の時価総額間違いなし」


「あわわわわ・・・それってインサイダー、お縄になりますけど」


「そんな事は今いる皆さんが黙っていれば分からない事、問題なしです」


「黙っていれば分からないか・・私そっくりだ」ほくそえむアルフレッド

セキュリティルームにいたアルフレッドがルイーズに命令する


「今すぐ個人投資家としてブレッド商会の株券を購入するように」

「それは立派な犯罪行為ですが?」ルイーズ


「ですが今投資いただいたお金を私が持ち出す訳には行きません

合法的に資金を得る為です使える手はつかいましょう」アル


「ですから合法的ではありません、これは犯罪です」ルイーズ


「黙っていれば分からないとワン様も仰ってる」アル

「現に新機種販売と新光種発見でブレッド商会の株は一般投資家の注目

を浴びて急上昇中だよ、今投資すればそれに紛れて誰も怪しまない」アル


「早くしなさい、一秒遅れれば数億円の損害ですよ」アル

「わ、わかりました、とりあえず時価1200円の株券を10億円分83万枚

購入しました。」


「うむ、明日には多分ストップ高でしょうが明日も購入するように」アル


「はっ、でどのくらいまで値上がりすると予想ですか?」

「明日アナハイムの介入が発表されたら私でも予想出来ない値段に

上昇することでしょう。15万円位なら想定内です」


「う、アル様の狙いは初めからそれでした?」エマ

「当然です、新製品開発も重要ですが、今はマネーゲームの方が遙かに

率はいいのです。当然会社の信用がなければ無理な話ですが」


ワンは色々アドバイスをした後に帰っていった・・・


「ア、アル。とんでもないことになってきてるぞ」

ブレッドがセキュリティルームに駆け込んで来た。


「得た信用を今後も維持していけば良いだけです」アル


翌日約束通りアナハイム社は不当に得た特許全てを取り下げ本来の開発

会社に返還された。ブレッド社は25の特許が返還され和解金の額も公表された。

ドーンと株価がストップ高。まさに濡れ手に粟のアルフレッド


「すでに商品化されてる商品の特許料がドンドン振り込まれてます」イリス

「ワン様は実直な方だ・・・アナハイムの株もまた上がってる」

「和解金なんてあっというまに回収してしまいましたね」ルイーズ


「マネーゲームなんてそんなもんです」アル

「残念ですがブレッド社の利益を私達は持ち出せませんね」エマ


「だろう?私の言った通りです」アル


「今後は社格にそった社員規模にせざるを得ませんね」ブレッド


「そうですね、最低1000人規模は必要でしょう」

「で、次策ですが」アル


「はい、策があるのですね」

「合法的に研究所を立ち上げて頂きます、そして正式な外部からの依頼という

形で私の要望に合法的に答えていただきます、当然正当な報酬は払います」アル


「お任せ下さい、全面的にバックアップいたします」


「私は今、スーパーコンピュータの雲が必要なのです」

「く、雲ですか?」ブレッド


「雲化は私の秘匿技術でしか出来ませんが元となるスパコンは購入するしか

方法がないのです」アル


「どのくらい足りないのですか?」


「今現在300億ほど購入済、9999兆9千700億個ほど足りない」


「げげげげ・・それは無理です」


「あはは、あくまでも理想ですから出来る範囲で構いません」


「とにかく当面の資金は得ましたのでコロニーに戻りましょう」アル


「これでフランク人中級貴族とお別れですね」ルイーズ


「いや、まだアルフレッド名義でお金を稼ぐ必要があるからこのままです」


「御意、実は私この名前気に入ってました」エマ


半年ぶりにコロニーに返って来た一行

「なんか我が家は落ち着くね」アル

「ここが我が家なんですか?」ルイーズ


「うん、ここが我が家です、解決するまでここが拠点ですから」アル

「了解しました」イリス


「さて、アーカイブの解析は進んだかな?」

「ものすごく増えてますね」エマ


「あの、私思ったのですが」ルイーズ


「はい、なんでも言って下さい」アル

「新開発の光分器使えばウラシマ効果に繋がる劣化遺伝子に関わる

なにかを得られませんか?」


「ですがそれは前にも言いましたがアナハイム社が行ってるはず」アル

「しかし、大王の地球とここの元地球では光の成分は違うのでは?」


「う、・・・・なるほど、エマすぐにその件検索してください」


「は、・・・・アナハイムがこちらの地球の光生分を分析した経歴は

ありません」エマ



「うわああああ、なんだこれ!」うなるアル

「大王地球とは比べものにならない光種・・・数十倍はあるぞ」アル


「く、まさかこんなに多いとは・・・解析するだけで雲フル稼働させても

全くまにあわない・・10年ぐらいでは完了しないぞ」アル


「アル様、もっと重大な事があります」ルイーズ


「ん?なんでしょう」

「人類が滅亡したのは15000年前です」


「そうか、そうだった・・・当時の光分析が出来なければ無意味」

「アーカイブの中にありませんか?」エマ


「あるかも知れないが益々雲の稼働率が・・・」アル

「結果予想が「∞」と出るはずですね」イリス


「神様に未来に飛んでもらって分析結果報告してもらえないだろうか・・」

アル


「発想はすばらしいですが神様にコンタクトする手段がありません」ルイーズ


「どんなに努力しても山の麓なのか・・・」落胆するアルフレッド


「つまりまだ資金不足ということですね」アル

「ブレッド商会から援助願えませんか?」イリス


「勿論要請するが一気には無理です」

「株価が天井知らずで上昇中ですから含み資産は増えてますが現金化となると

一定の額以上はあやしまれますからね」エマ


「なんかこうドーンと資金えられないかな」アル

「大王とかが展開できる大魔法でスパコン作れませんか?」ルイーズ

「おおっ、なるほどやってみる価値はありそうですね」アル

「確か王立魔法院で魔法はマスターされたんですよね」イリス


「うむ、脳内の魔法粒子を探してみたところ確かに創造魔法は手持ちにあります」


「だが・・・やはりそのためには魔法カードの残高が足りないしお金の出し入れは

国につつぬけです」


「王立魔法院に今も務めているフィリップ様に頼めませんか?」エマ

「彼の持ち金では100万単位しか無理でしょうね」


「廃コロニーないにスパコン製造工場つくれませんか?」エマ

「つまり工場を作り外部に販売しつつ資金をえてその資金で増産する?」

アル


「いかがでしょう?」

「国にばれないように行うのは至難の業だね・・・」アル


「結局国に頼まなければこれ以上は不可能なのではないでしょうか?」


「しかし、コンセンサスを得られそうもない」アル


「人格者のワン様に相談してもダメでしょうか?」イリス


「ワン様がなぜ火星王なのか・・・彼は火星以外にには全く興味を示さないから

火星王なんですよ」アル


「こうなったら頼める人は只一人・・・・」







シンジはある意思を固めます


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