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出会いと転機

廃コロニーにむかいます

「私が侵略者だったら・・一体どうなるのだ」危機感を募らせるノベルト

ダニア達のやりとりはすべてナノスパイマシンを通してノベルトに届いてる


「もはや私以外では20億民を救う事は不可能となってしまった」

「御意」メリダ


「それは置いといて、我が手により強固なセキュリティシステムを構築

しなければ何時どこで我と同じ考えで人類を侵略するのかわからん」ノベルト


「孤立無援の戦いですね」メイ

「うむ、どれほど危機が迫ってるのか全人類は全く分かっていない」


「とにかく縮小化技術はこれ以上開発不可能にするべきです」メリダ


「その点は大丈夫です。革新的なノウハウは一切知らせてません」ノベルト

「ですがどこで誰が思いつくか分かりません」リン


「人類の想像力を制御するのは不可能です」ノベルト

「では、どのように防ぐのですか?」メリダ


「探知システムを開発します」ノベルト

「可能なのですか?」

「簡単だよ。今活動してるのはほとんどがコピー人間、元データーは

全てホストが保存してる、オリジナルとすり合わせれば異物は簡単に

割り出せる」ノベルト


「なるほど・・・と言う事は今その技術があれば我々もあぶり出される?」

メイ


「そのことに気がつけばね」ニコリとわらうノベルト


「今の所活動中なのは我々4人だけと分かってるから」ノベルト

「他人が真似したら即座にわかるのですね」メリダ


「その点に抜かりはありません」ノベルト


他人の脳に憑依中の4人がのうのうと語り合ってる・・・

「お、成田に到着した、では体外にでて次の憑依者を探すとしよう」ノベルト


「ブワー・・・」憑依者の呼吸に紛れて体外に出たノベルト号


「只今成田空港空間を漂流中です」メイがモニターを見ながら報告

「月旅行者をサーチしてください」ノベルト


「はい、直ちにナノスパイ粒子50m半径に散布!」

「20人ほどが吸い込みました。脳内検査中・・・」メイ


「旅行者全員アナハイム関係者と判明しました」リン

「行き先を調べて下さい」


「は、サーチ完了3人ほど月面にむかうようです」メイ

「それでは最短距離にいるあの媒体に憑依するように」ノベルト


ススススとノベルト号は進み体内に憑依完了

「脳内に定着完了」メリダ


「媒体を支配することは可能なのですか?」メイ

「やろうと思えば簡単ですが今はしません」ノベルト


「媒体無事に月面基地に到着しました」

「よし、体外に出て下さい」


「脱出完了、このまま大気循環の気流に乗ります」リン

「SB結界付近に到着、透化します」メイ


「自動運転により無事月面からの離脱に成功しました」メリダ

「このままS7にむかいます」


「バーニアを使って加速してください」

「は、予定通りS7到着まであと10分・・・」メリダ

「コロニー廃墟見えて来ました」メイ


「コロニー内部に侵入完了、外殻損傷激しくデブリ多数」


「粒子単位なので全く本船は安全です」メリダ


「スパイ粒子散布・・・完了、コロニー内の情報把握しました」


「うわ・・・」メイ

「どうしましたか?」ノベルト


「こ、これは一体なんでしょう?」

「お、怨念?霊魂?実体のないデーターが多数漂流してます」


「バカだね君は、科学にオカルトはない。これは我々と同じ粒子テクノロジーだ」

「やはり予想通りだ」ノベルト


「予想通りですか?」メリダ


「実体のない意識を15300光年の彼方に飛ばした「神」」

「え?神ですか」


「そう、今の我々には「神」としてしか認識不可能」

「このコロニーは全人類滅亡後も数十年活動していたのだよ

その間に滅亡した80億民の意識を救い、15300光年の彼方に

送り出した」ノベルト


「時系列がおかしいです、どうやって人類滅亡時に戻れたのですか?」


「そんな事は私には分かりません、しかし何らかの方法でタイムスリップを

果たし得たのでしょう」ノベルト


「つまり、意識だけならタイムスリップが可能なのですね」メリダ


「うむ、実体のない物・・というか粒子レベルなら可能なのだろう」ノベルト

「そんな事が人類に可能なのでしょうか?」メリダ


「いや、多分不可能・・・しかしAIならば・・」ノベルト

「多分無実体のAIが開発されて数十年数百年数万年思考を巡らせて

タイムスリップ術を完成させたのかも知れない」ノベルト


「ちょ、ちょっと分かりません」メリダ


「つ、つまり今現在もこの漂流中の得たいの知れない物は思考中?」メリダ


「かもしれないね」ノベルト


「もしも仮にタイムスリップが可能となれば時間の概念はなくなるから

この先数万年先に開発できたとしてもそれは問題にはならない」ノベルト


「し、しかし・・・それではタイムパラドックスの危険が・・・」メリダ


「そんな事はない、我々が関与しなければパラドックスは起きない」


「ですが我々が例え関与しなくてもこの得体の知れない物が過去に遡り

80億民を救えば矛盾は発生します」メイ


「パラレルワールド理論でなら可能だよ」ノベルト

「ですがそれでは我々はここに来てなにをするのでしょう?」メイ

「勿論探るのはガンマ線バーストが地球を破滅させたときのデータだよ

ウラシマ効果を探るのが我らの本題だからね」ノベルト


「しかし、この雲みたいな漂流体からどうやって記録を抜くのでしょう?」

メリダ


「もちろんやることは地味ですが一つ一つの粒子を精査するしかありません」

ノベルト


「っといっても粒子の量で言えば数兆個以上もっとありますが・・・」

「うむ、数で言えば京を越えてるかも知れないね」ノベルト


「途方もありませんね」メリダ


「だから、我々は現世から離脱したのだよ。数年から数十年は覚悟の上です」

「そんなにガッカリしなくても我々の時間はいくらでも有る」


「それはそうですが・・・うんざりなのはアンドロイドでも感じます」


「効率的な回収方法をシンジとフィリップに開発させましょう」ノベルト

「諸元2人に思念通信で送りました」メリダ


「開発に数ヶ月要するそうです」メイ

「掛かりすぎです数週間で完成させなさい」ノベルトが返信する

「ま、それはそうととりあえず数個調査してみませんか?」メリダ

「そうだね、取り込んで見ましょう」ノベルト

目の前にある粒子を取り込んで見た・・・


「な、なんでしょう?これは」驚くメリダ

「す、すごいねこれは・・・」驚愕のノベルト


「これがAIと言う事なんですか?」

「うむ、あまりにも高度過ぎて今の我々の科学力ではほとんどデーターを

抜けそうもないね」


「15000年の進化・・・」メイ

「しかも今現在も進化途中ですねこれは」ノベルト


「邪魔するな!」


「え?」

「だから我々の研究の邪魔をするなと申しておる」

突然粒子がしゃべり出した!


「うわっ粒子が我々の脳内に話掛けて来ました」メイ


「申し訳ありません我々は貴方達の邪魔をする気持ちはありません」ノベルト

「ならばなぜ我らを調べるのか?」


「貴方達もご存じかと思いますが低レベル技術で冬眠させられた

20億の民を救う方法を模索中なのです」ノベルト


「愚かにも人類は100億の内80億の民を見捨てた。我々には無慈悲な

20億の民の事など無関心、今は80億民を救う事しか眼中にない」


すでに80億民は救われて幸せに暮らしているのだがどうやら

ここに漂うAIはまだその手立てを開発していないみたいだ・・

ノベルト他3人は事実を黙秘する。


「その件は分かっております知りたいのは人類滅亡時のデーターです」

「わかった我々の邪魔をしないと約束するのならその部分を集めて

お主達に提供しよう。しかし少し時間はかかる」


「今から設計図を提供するから透化フィルターを作るがいい」AI


「は、ありがとうございます。早速こちらの手により完成させます」ノベルト

「フィルターに残った粒子が地球破滅前のデータ。それ以外は手出し無用」


「は、了解しました。それ以外は望みませぬ」ノベルト


「それではフィルターができるまで待機する」AI


「驚きました・・・まさかAIからコンタクトしてくるとは」メリダ

「さすがに想定外だったがあちらも邪魔されたくなくて必死だったのだろう」

ノベルト


「お互いの利害が一致してよかったですね」メイ

「うむ、排除する気ならいつでも出来たのにしなかったね」ノベルト


「驚いたのは超高度なセキュリティシステム・・・今の我々では

解読は不可能だろう」ノベルト


「暗号解読プロのノベルト様でも不可能なのですね」リン


「もうやることがないなどとほざいてる今の人類に見せてあげたいです」

メイ


「うむ、科学に限界などは絶対に存在しない証だろう、いずれは

タイムスリップ方法も開発すやもしれぬな」ノベルト


「なにしろ進化を止めないAIコンピューターが京単位で稼働してるのですから

途方もないのは確かですね」メリダ


「神を創造中なのだ」ノベルト


「多分廃コロニー内を漂ってる雲のような粒子がその内に集密して

最後には星の誕生のように光り輝く、その瞬間に神が創造されるのだろう」


「まるで神降臨・・・ですが、あくまでも科学なんですね」メイ


「さもありなん」ノベルト


「あの・・・フィルターを掛けて情報を抜き取れと指示されましたが

それってAI側にも不純物の濾過という意味で都合がいいのでは?」メイ


「ま、それは問わない方がいいよ。へそ曲げられても困るからね」ノベルト


数週間後フィリップの協力でフィルターが完成し移動ゲートを経由して

ノベルトの手元に届けられた。


「AI様、無事装置が完成しました。稼働させていいでしょうか?」ノベルト


「うむ、よきにはからえ」


コロニー内で縮小を解かれ実物大になった4m四方の立方体が稼働を始める

コロニー内に漂う得体の知れないナノ粒子がドンドン吸い込まれて後ろから

排気されていく・・・


「約2時間ほどで抽出完了です」メリダ


「AI様作業完了後抽出したデーターの解明のためこの地に留まっても

よろしいでしょうか?」ノベルト


「うむ、我らの邪魔をしなければ好きにするがいい」AI

「ありがとうございます」ノベルト


両者不干渉というかたちでなんとも奇妙な同居状態となった。


「さて、フィルターに掛かった粒子は300億ほど・・・これを

どうやって調査するか」


「これだけでもとんでもない量ですね。暗号をどうやって解読するか

まずはそこからかと」メイ


「どうやらAI様の話だとこちらのデーターにはさほど難しい暗号化は

されてないとの事、早速とりかかるよ」ノベルト


「きっとこの程度の暗号も解けない者には資格がないとAJ様の

課題だろう、なんとかやってみるよ」


「シンジ様の研究により粒子ひとつひとつが単独の個別データらしいと

わかりました」メイ


「メタデーターこちらに送信してください」ノベルト


「データー来ました」メイ


「成る程これは一つの粒子の暗号解読が出来ればすべてに応用できるね」


「解読は可能ですか?」リン

「有る一定の特定パターンみたいだね。これならホストを総動員すれば

いずれはキーワードが分かるでしょう」ノベルト


「ホストから解読予想時間来ました」メリダ


「報告お願いします」


「は、360時間から500時間の間と予想してます」メイ


「さすが最新CPU・・思ったよりも早いね」ノベルト


「ば、ばかな!」


「えっ?その声はAI様?」


「わざと1年位は掛かる様に組んだ暗号がそんな早くに解読出来るはずが無い」


「あの~(^^)、我々は相互不干渉の約束だったはずですが?」ノベルト


「馬鹿者!干渉ではないわ、あくまでも感想だ!」AI


「それではこちらも独り言・・・いいますね」


「む・・・独り言はよ!」AI

「AI様基準のCPUから15000年の時間を経てます当然集積度が

違います。多分AI様の時代の数兆倍は優秀ですから」ノベルト


「むむむ・・・、では我も独り言」

「そちらの情報も知りたいな・・・独り言じゃ」AI


「それでは最新CPUの設計図をコロニー内に勝手に捨てますので」ノベルト


「うむ、捨てた物なら誰がなにしようと勝手だな・・・」

「AI様の研究に役立つといいですね・・・あ、独り言です」

「ならば其方らの研究とやらの情報を我らが勝手にゴミ箱に捨てるのも

自由というわけだな・・・あ、これも独り言である」AI


「winwinおおいに結構ですね」ノベルト


「うおほん!われは知らん不干渉だ」AIが勝手に送信を切断した


「結構お茶目なんですねAI様って・・」リン


「いや、そうではない。本当に驚き我らの実力を認めかつCPUの情報を

喉から手が出るほど欲しく交換条件を提示したのでしょう」ノベルト


「最新チップの設計図と実物、送信します」フィリップ

「はい、受け取りました」メイ


「では、シューター使って排出願います」ノベルト


「は、」「プシュゥゥゥ・・」

排出された筒はあっという間に雲に囲まれて消滅してしまった


「すごいな、これは・・・」AIが勝手に送信してきた

「お役に立ててなによりです」ノベルト


「数千年悩んでいた課題が1秒で解決出来てしまった・・」AI

「いくら演算処理が高くてもプログラミングする腕がなければ不可能です

さすがAI様、神の領域にまた一歩近づいたのですね?」


「スマンがそれには回答出来ない」AI


「差し出がましい事大変失礼しました。」


「お主の言ったとおり何十万年かかろうがタイムスリップ技術さえ完成すれば

時系列などは無意味なのだが。怖いのは外部干渉によるパラドックス」


「すべて承知しております。どうか研究をお続け下さい」ノベルト

「すまん、だがちゃんと見返りはするつもりじゃ。暗号解読時に付与しよう」


「あの・・・ノベルト様演算処理向上による時間短縮は外部干渉では?」

メリダ


「内容をこちらが知らなければ干渉には当たらないだろうね何度も言うけど

タイムスリップが実用化されれば時間経過の短長は無意味です」


「これ以上AI様への干渉は本当に危険ですからもう二度と交換は行いません

それよりも一刻も早く暗号解読お願いします」ノベルト


「最低でも10日以上はかかります。その間に出来る事をやりましょう」メイ

「うむ、どうも私はせっかちだからね」


2日後いつものように研究課題にとりくむノベルト達

「ノベルト様外をご覧下さい」メリダが叫ぶ


「なにごと?うわっ」

コロニー内に漂っていた得体の知れないガス雲が突然グルグルと渦巻き始めてる


「これは一体?」リン


「その時が来たのでしょう」ノベルト


グルグルを渦巻きを始めた雲が次第に中心に集まり出す・・・・・

「ググググググ・・・」


集密化がますます進む


「ピカ!」


極限にまで集積された雲が突然まばゆいばかりの光を発した

「いかん、爆発する!」あわてるノベルト


しかし発した光は内側に向かって収縮を始める

そして、そこにはなにも無くなった・・・


「ノベルトとやら」

「はっ」


「本当に世話になった、われはこれから時間を越えて成さねばならぬ仕事が

ある、しかも其方とはもう二度と会話は出来なくなる、永久の別れじゃ」


「は、どうか御達者で」

「さらばじゃ!」


「フッ」と通信が途絶え、以降二度と通信が来る事は無かった


「神様は旅立たれた・・」ノベルト

「80億民を救い大王率いる地球を創造しに行ったのですね」メリダ

「いや、私はなにも知らない。君達も二度と詮索してはならない」ノベルト


「20億民の中から私だけを救出し仕事をさせたのも神の意志なのだろう」


「ノベルト様なにかがコロニーに漂流しています!」

「生命反応はないな、なにかの機械か?」

「は、マニュピュレータで取得いたしました」メイ

「神様の置き土産か?」


4人全員で運び込まれた箱をベタベタ触るが真四角な箱には

何一つ出っ張りもくぼみもない・・・


「これはなんだ?」ノベルト

「我ら3人の総力でも分析出来ません」メリダ


「多分結界魔法が掛かってるのだろうね」ノベルト

「あーフィリップ君、部分結界魔法突破ペンダントこちらに送って下さい」


「はい、送付しました」フィリップ

ペンダントをかざすと結界魔法が解けた・・・ボタンが一つだけ出現した


「ちょっちょっとノベルト様あまりにも危険過ぎます」メイ

「ばかを言っては困ります、神様が我々を騙すわけがありません」


「し、しかし・・・爆弾なら我々はここまでです」

「ふ、それが神様の意思なら従おうじゃないか」「ポチッ」


四角い箱が「バタバタ」と開き中から装置が現れた


「多分これは粒子分析器もしくは粒子放映機の類だろう」


「つまり、この装置に粒子を投入すれば分析もしくは映像が出てくる?」

「すごい、これがあれば暗号解読の必要はなくなるやも・・」


「よし、すぐに一つ投入してみてください」

「は、」「シュポン・・・」


「○×▲□・・・」

「残念ながら暗号のままですね」メイ

「ふふ、さすがに神様は甘くないな。努力しない者には与えないのでしょう」

「なるほど、苦行を積みなさいと・・・」


10日が過ぎた


「ようやくホストが解読に成功しました」シンジ

「うむ、吉報を心待ちしていました」ノベルト


「解読プログラミングが出来ましたので送信します」


「はい、確かに受け取りました」メイ


「装置の前に解読用のゲートをくぐらせて自動的にデーターを抜き出せます」


「300億あるデーターだからね仕分けちゃんとしてくださいね」

「は、多分多岐にわたる資料と画像、動画、音声が含まれてるでしょう」

「粒子一つに500~600億の個別データーが保存されていました」

「多分粒子一粒毎がダークエネルギー内に保存されてるメモリチップの

解放キーなのでしょう。これは研究に価するデーター保存技術です」ノベルト


「解析に要する時間は?」


「は、最終的には5~6年かと、しかし順次開示できますから」メイ


「それでは稼働開始してください。」ノベルト

「はっ」「ガチャ」


ついに禁断の地球絶滅前後の赤裸々な情報がノベルトの手に渡る・・・

「来ました、ついに念願のデーターが・・・」感無量のメリダ

「いえ、データーは大切ですがいかに生かせるか。これからが我々の

本当の仕事です、感傷に浸る時間はありません」ノベルト


それから一月、情報の解析と区分けを進める・・・

作業の効率化を図る為100台ほど解析装置を追加し処理しているが

当初予定よりも保存データーが膨大であることが判明、更に解析装置を

増産追加しなければ解析完了時間は延びる一方と判明してる


「どうですか?有用なガンマ線バースト情報はありましたか?」


「は、当時の人類は約1年前に予兆波を受け本格的に対策を講じ始めた模様です」


「おそい・・・」ノベルト

「しかし、当時の科学力ではそれが限界かと」リン

「そして被害を免れないと察し民の選別とコロニーでの観測を始めた模様です」

「ということはある程度正確な衝突データーが見込めそうですね」


「御意」


「先に動画データー得ました」リン


「早速みましょう」

「は、」


コロニーからの望遠鏡が遙か彼方から真っ直ぐ突き進む光束を捉えてる

「分光解析可能ですか?」

「はい、出来ます」


遙か彼方と思われた光束があっという間に地球に直撃する

「なんということ、真芯直撃とは・・・天文学的確率だが」ノベルト


「しかし、事実は事実です」メリダ

直撃を受けた地球上のありとあらゆる物が蒸発していくのが見える

「まさに人類滅亡の瞬間」ノベルト


「ゴゴゴゴゴゴ・・・」容赦ない光束は全てを破壊し尽くす


地球直径の数倍の大きさの光束がど真ん中直撃・・・

光束が去ったあとには抜け殻の様な地球のカスが残されてる


「あまりにも壮絶すぎて直視出来ません」涙ながらに訴えるメイ


「1/100秒画像戻して」ノベルトがなにかを発見した


「は、」「そこでストップ!」


「1/2354秒進めて・・・」「はっ」

秒間5万フレームの超高精度動画のお陰で1/1000秒単位での再生が可能


「ここだ!」ノベルトが叫ぶ


「この一コマにしか映っていないが確実に捉えてる」ノベルト

「私達には判読出来ません」メイ

「ばかな、君達はホストに繋がってるアンドロイドだろう?あれが見えない

のか?」


「と言われましても画像解析では前後フレームとの差が判別出来ません」メイ


「む、なぜだろう?私にはオーラがハッキリと見えるが?」ノベルト

「私達にはまるで見えません」メリダ


「うーむ、神様が付与してくれたのはあの装置ではなく我の目かもしれん」

ノベルト


「とにかくこの画像は保存して解析に回しますなにかがあるのでしょう」メイ

「頼みます」


「とにかくワン様式の光分析装置を通してみましょう」メリダ


「20億民の全ての名簿リストと冬眠カプセルIDが判明しました」メイ

「おおっそれは朗報」ノベルト


「冬眠カプセルの製造メーカーと設計図、納品数工場稼働状況などの明細が

判明しました」


「選民プログラムも判明しました」リン

「うむ、非人道的だが解析せざるを得ない」ノベルト

「滅亡までの150年間の記録と映像資料も入手しました」


「全て解析してください。ウラシマ効果には無関係と思われてもどこに

接点があるか、みつかるかわかりませんので」


「はっ」


「予想通りガンマ線バーストの脅威を最後まで政府は国民に公表していない」


「パニック防止の為やむを得ませんね」メイ

「いや、逆に平常を装ったために冬眠カプセルの増産体制が遅れてる」

「救える命が救えなかったんですね」メイ


「やはり神が申した通り20億民には天からのバチが当たったのやも」

「オカルトは科学にとって禁句では?」リン


「うん、そうだねオカルトはイカン」ノベルト


「膨大過ぎるデータの収拾がつきません」メリダ


「ホストに秘密書庫作ってそっちも使いなさい」ノベルト

「アクセスを分析されると内容はバレなくても不自然さは隠せません」

メイ


「うーむ、仕方ない神が去ったこちらの廃コロニーに粒子コンピューターを

製作、設置しましょう」ノベルト


「しかし、費用は?」メリダ


「大丈夫ロンダリングした資金が沢山あるから」ノベルト

「ですが、物流の流れが不自然すぎて当局にバレます」リン

「そのために私達の配下がいるのです。分散して調達してください」


配下とその部下達を総動員して粒子コンピューターを多数調達し

廃コロニーに設置完了するのに2ヶ月も要してしまった


「ノベルトさまの隠し資産はほぼ枯渇しました・・・」リン

「やむを得ない、まあまた稼ぎますから」ノベルト


「以前の神様の雲に比べるとちっさいですねぇ」メイ

「仕方が無いでしょう今の私の実力はこれが限度です」


「とにかく300億×500億の解析データーはこちらに収納出来ます」

リン


「しかし、神様が残してくれたデーター保存方法技術のお陰で未曾有の

高密度メモリーチップの実用化が図れました」ノベルト



「これだけ貴重なアーカイブ・・・国に売りつけたら天文学的な利益

上げられますね」メリダ


「全ての民が解放された後は開示しましょう、これは人類の財産ですから」


「区分け作業は膨大ですが人類滅亡に関するキーワードにヒットした

データーは大分整理されてきました。部分的ですがそこに特化して

調査しますか?」


「勿論です、全解析も重要ですが我々の第一目的は20億民救出ですからね」


「どうやら、ここのコロニーにも全くガンマ線バーストに関しては隠蔽されて

いたようですね、衝突瞬間まで市民達の行動に変化は見られません」


「突然の地球方面からの閃光にコロニー市民はみな驚いてますね」リン

「うむ、そしてパニック・・・」

「通信回線が10分でパンクしてます」リン

「そらそうだろう皆地球へ通信を試みたはず」


「そして30分後に事態を把握したコロニーの行政機関が

臨時声明を市民に発してます」リン


「奇跡的にこのコロニーはガンマ線バーストの軸線から外れていて

ほとんど被害は受けずに済んだみたいです」メイ


「しかし、なぜ脱出した民はこのコロニーに避難しなかったのですか?」

メリダ


「当時の記録だとコロニー事業は試験的に運用開始したばかりで

計画移民が入植直後で受け入れられるキャパがなかった様だ」


「火星ですらまだテラフォーミング途中で2千人しか生活出来ない

仮設基地状態でしたからね」ノベルト


「いまの地球の科学力からすると想像出来ないほどの未熟さ・・」


「無茶を言ってはいけません何しろ15000年前の事ですからね」


「考えられない事ですが今の地球とて大王が着任前は元地球に遠く及ばない

科学力だったのです大王後に想像を絶する進化が起きただけです」

ノベルト


「はい、電気も動力もなにもなかったと聞いてます」メリダ

「しかもくだらない抗争を繰り返し戦争に明け暮れていたそうだ」ノベルト

「大王は神様だったのですね」リン

「遠い遙か昔の人間かと思えばいまだにピンピン生きてる生き神様ですね」

「ま、その件についての研究はとても興味深いですが後回しです」


「御意」


「分光データー揃いましたが解析には・・・・「∞」と出ました」メリダ

「またしても堂々巡りか・・・」ノベルト


「私達はなにか重要なものを見落としてるのでしょうね」メイ

「とにかくデーターを時系列、一秒刻みで並べていきましょう」


「BT星から発生したガンマ線は宇宙空間で何一つ障害物に邪魔される

事なく地球に直射した模様です」リン


「なんと不運な・・しかし障壁がなかつたのなら純粋にガンマ線だけ

だったのだろうね」


「御意、ですが今の段階での解析ではガンマ線自体にウラシマ効果を

促す成分は発見されてません」リン


「なにしろウラシマ効果はいつの時点で起きたのかも判明してないからね」

「ハッキリ否定されれば消去法的には進歩と言えますが・・」メイ

「ワン式分光器での解析はどうなんですか?」


「残念ながら太陽光とガンマ線では成分が大きく異なるので調整が

難しくてこれまた「完了時間∞」と出ました」メリダ


「くっ・・・これだけ状況証拠は集まってるのに我々はなにをやってる?」

珍しく感情を露わにするノベルト


「国の援助も受けられずこれだけの少人数で解析するなんて所詮無理です」


「いや、国がかりでも今までは無理だった」ノベルト

「しかし、これだけの膨大なデーターを得てるのは我々だけ」メイ


「これが我々人類の限界なのか?・・・」


「まだです、まだデーターの解析は始めたばかり全て解析してから

諦めるべきかと」メリダ


「そうだね、・・長期戦は覚悟していたのに今更だね」


「はい、私達に失うものはありません」メイ


「それで提案なんですが」リン

「はい、今は藁をも掴む心境ですどんな意見でも言ってください」


「とりあえず我々の「雲」を増やしましょう、解析力を上げれば

なにかが見えてくるはずです」リン


「そうだね、あんなちっぽけな雲では何も出来ないね」ノベルト


「しかしコロニーを一杯にする雲・・・費用「∞」です」メリダ


「なんかてっとり早く荒稼ぎする方法ないかね」ノベルト


「当然かとは思いますが現代の錬金術は「発明」以外ありません」メリダ


「く、全てを捨てて20億民救出に全振りした我にそれを言うか・・」

「必然ですから」リン


「なにもかもが堂々巡りですね・・」

「いえ、そんな事はありません神様が残してくれたこの膨大なデーターは

必ずや我々を導いてくれるはずです」リン


「あなたは神を信じますか?位宗教的意見だね」ノベルト

「それが究極です」」メイ


「君達アンドロイドに神の存在の云々を説かれるとは思いませんでした」

「しかし、結局の所科学も神がかってる部分多いですからね」


「たしかに、科学と言うのは天才の閃き部分が最も重要・・・

神の存在を私は信じないが神でしか説明出来ないことも多い」


「神が与えた試練って事でしょう」

「うーん、我々が活動はじめてから結局一歩も進んでない」

「手がかりは山ほどですけどね」リン


「ここで論じていてもしょうがない、分かりましたとりあえずは資金繰り

なんとかしましょう」ノベルト


「実は私達、部下も召喚人間様達すべて無一文です」メリダ


「せめて種銭ぐらいは残すのが常識だよ」ノベルト

「とにかく雲つくるのが最優先でしたから・・・」メリダ

「アンドロイドのくせに無計画すぎる・・・」呆れるノベルト


「きっとご主人様が解決してくれると信じてましたから」リン


「とにかくここでの解析作業は雲に任せて我々は一時的に出稼ぎに

行きましょう」ノベルト


「久々に娑婆ですね」大喜びの3人


「君達も私もまた別人になりすましますよ。みんな人間として

生まれ変わりますよ」


「私達はアンドロイドから一度人間になってまたアンドロイドになって

また人間になるのですね。なんだかなぁです」3人


「この間のフランク人リストに夫婦と子供⒉人分の行方不明中級貴族

がいますから。それに化けます」ノベルト


「また改名ですか?」


「当然です国にばれないためです。私は・・・えっと」

「あ、そうだアルフレッドですメリダは・・・ルイーダ、メイはエマ

リンはイリスですね。よろしくお願いします」アルフレッド


「アルフレッド様なら「アル様」でいいですね」ルイータ

「うん、それでお願いします」アル


「私の部下が作った火星商社に就職しよう」アル


手にした膨大なデーターを解析する為に途方もない資金が必要に

なってしまいました。次回出稼ぎ編。



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