堂々巡り
今後はBT星調査に行きます
「校長先生、私的な研究のため学校を一月ほど休学いたします」フィリップ
「はい、申請書類は承りました。しかし研究目的なら国も援助しますけど?」
ロッテンマイヤー校長
「スイマセン国とは全く無縁の研究なので自費で結構です」シンジ
「そうですか、わかりました頑張って下さい」ポンと決済印を押す
書類上ではフィリップ達はジェネシスに渡航して魔石関係の私的
研究をする旨の当たり障りの無い申請書。
「申請書の許可がでました。これで堂々とジェネシスに渡航出来ます」シンジ
※ジェネシス:大王地球から4.5光年離れたイリウス星αの第三惑星
コアが魔石なので利用価値無限大の「人工惑星?」テラフォーミング済
恒星間移動のHUB空港、アナハイム社の本社があり巨大都市が点在する。
「さて、宇宙船の準備はできてるかな?」シンジがメリダに問う
「は、すでに私の脳内倉庫に必要品すべての粒子が保存されています」
「まさか人間の脳内に巨大な宇宙船が収納されてるとはお天道様でも知らない
事だろうね」シンジ
「この技術は人類にとって未曾有の益と災難、双方背中合わせです」メイ
「全ての魔法は科学だと証明してるにすぎないよ」シンジ
「しかし恒星間移動エンジンだけは縮小化不可能だからある程度
地球から離れてからエンジンを宇宙船に組み込む作業を行う」シンジ
「はい、冥王星までは定期便を利用し、ジェネシスにゲート移動
その後で独自行動ですね」研究員A
「うむ、休学時間は一月しかないがら迅速な行動が求められるよ」
「通常移動の時間が勿体ないですね。」
「仕方が無いです、時空移動は未だに冥王星から先と法律で決まってるし
その間は物理の法則に縛られますから。」
「しかし、どう考えても80億民は時間操作されてますよね?」C
「その部分だけが私にも分からない、どう考えても時間操作しなくては
辻褄があわないのだが・・・一体だれがしたことなのか」シンジ
「荒唐無稽ですが神でしょうか・・・」D
「神などは絶対に存在しない!・・しかし神がやったとしか説明できない」
「矛盾ですね」リン
「うむ、多分私では解明できない永遠のテーマだと思う
しかしその件は後回し、今はウラシマ効果の究明が先です」シンジ
「プシュウゥゥ・・・」
「シンジ様こちらが元BT星の座標ポイントです」リン
「やはり思ったとおり星間物質が濃密度で漂うだけで何も無いな」シンジ
「は、この後星間物質が引力で引き合い新たなる星が誕生するかと思われますが
数万年時間が掛かることでしょう」研究員B
「解析結果が出ましたがやはりこちらにはウラシマ効果を引き起こすような
有害な成分は検出されませんでした」C
「やはり、経年劣化か・・・」シンジ
「遺伝子のなにかが破壊されてウラシマ効果が起きると思われますが
いったいなんなのか・・・わかりません」メリダ
「うむ、人類最高のスパコンでも解明できてないですからね」シンジ
「折角ここまできて調査しましたが空振りでした」メイ
「いや、消去法でいえば候補の一つが否定された、意味はあったと思います」
シンジ
「実は人類がいままで遭遇し排除したガンマ線バーストの成分データーからも
遺伝子破壊は否定されてたのです」シンジ
「つまりデーターの追証だったのですね」リン
「なにか違いがあるかも知れないと期待したがなんら変わりがなかった」シンジ
「ですが、現段階で解明出来て無いだけで未知の物質の存在は否定できません」
シンジ
「なるほど、現地でのサンプル収集出来た意味は大きいのですね」D
「さすが私の見込んだ君達、飲み込みが早いね」シンジ
「さて、サンプルもって研究室に戻ろう」シンジ
「帰りはゲート使うので冥王星まで一瞬ですね」リン
「しかし、これだけ巨大な調査船も1粒子に縮小可能とは・・恐ろしいです」
リン
「脳内に収納しとかないと当局に怪しまれるからね」シンジ
「残念ながらエンジンだけは縮小出来ないので投棄せねばなりませんが・・」
メリダ
「それぐらいは仕方ないでしょう」シンジ
「しかし、セキュリティチェックを易々と通り抜ける事が可能って
犯罪組織が使ったら国家が転覆しますよ」メリダ
「だろうね」シレっと涼しい顔のシンジ
「ここだけの話だが、もう少しで粒子以下の大きさに縮小出来る」シンジ
「つまり原子核レベル?ですか」メイ
「私の考えではこれすなわち魔法、つまり魔法は全て科学なんですよ」
「無から有が生まれるんですね」メリダ
「いや、それはちがう、無に見えるが宇宙空間に漂うダークエネルギーに
分散させているだけ、実体化させるときはその逆の手順。つまり物質保存の
法則はそのままなんですよ」シンジ
「究極はビッグバンなのですね」リン
「そうですね」シンジ
「物質をデーター化して縮小化させてるだけです」シンジ
「おそろしいですね、つまり突き詰めると宇宙全てを原子レベルに
縮小させることも可能ということですか?」リン
「今の人類では絵に描いた餅だけどね」
「その話はこれぐらいでいいでしょう。私の縮小化技術はあくまでも
20億民救出の為の技術のひとつにしか過ぎませんから」シンジ
「はい、」全員
「届け出の無い時空移動波が検出されました」管制官
「誰かがプライベートで時空移動したのだな、重大な違反行為なのだが
違反者の特定は難しいだろうな・・」管制官
宇宙法では時空移動の場合は必ず届け出をだすのが定められてるが
依然として違反者が後をたたない。取り締まりを強化してるが著しく検挙率は
低い・・
「コクレンに報告だけは出しておきましょう。」管制官
何食わぬ顔で学校に戻ってきたフィリップ、校長に報告を行う
「君が休学中に重大な時空移動違反事件がありましたが、関与してませんよね?」
ロッテンマイヤー校長
「そんなことがあったのですか、物騒ですね」ケロッとフィリップ
「そうね、君達の足取りは全てセキュリティチェック済ですからね。
ごめんなさい疑って」校長
「いえいえ、私はやましいことは一切してませんので一向に構いません」
研究員に個別に与えられてるセキュリティルームに入室して
フィリップ(シンジ)はようやく安心する。
「ふー、それにしても疲れた・・長旅は初めてだったから」フィリップ
「本当にお疲れ様でした、2~3日はゆっくり休みましょう」
「重力波を検知できるシステムがあったとは迂闊だったよ」シンジ
「ですがさすが、もしもの時のアリバイ工作は完璧でしたね」リン
「うん、念の為召喚人間に予定表通りの行動をさせていたからね」シンジ
「いったいシンジ様の影武者さん何人いるんですか?」メリダ
「ははは、そうだね5組ぐらいは作って置いた。みんな脳内に収納してる」
「しかも完全シンクロだから絶対に判別不可能なんだよ」自信満々
「いまここににいるシンジ様って本当にオリジナルなんですか?」メイ
「さーてどうだろうね(^^)、一つ言えるのは全員私です」シンジ
「さて、バカ話はここまで、さっそく今から全員でシンクロしながら
睡眠をとりましょう」シンジ
「はい」一同
「やはり、ホストに繋げて解析してみましたがなんら新しい物はありませんでした」
リン
「今の科学では発見できてないだけかもしれない。サンプルは保存しておく」
シンジ
「御意」
「遺伝子うんぬんとは全く関係ない事象と思いますが・・・」メリダ
「ん?かまわないどんな些細な事でもなにかのきっかけになるやもしれんから」
「はい、実はBT星から発生したガンマ線バーストの極微量が時空を
越えた可能性があります」リン
「む、超新星爆発時にもしかして爆縮、つまりブラックホール現象が起きた?」
「ですがそのような事例はいままで皆無ですが・・・」メリダ
「しかし、現場にはそのような痕跡は皆無だったが?」
「ブラックホール自体が時空を越えたのかも知れません」リン
「それこそ前代未聞だな」シンジ
「そうですね、いままでの通説ではブラックホールに飲み込まれた物質は
あるいは時空を越えてホワイトホールから放出されてる可能性があるとは
聞いていました」メイ
「うむ、ワームホール理論だね」シンジ
「しかしブラックホール自身が時空を越えるなんてことは聞いたことが無い」
「ですがすでに実用化されている人類の時空エンジンは正にブラックホール自身が
宇宙船と一緒に時空を越えてますけどね」リン
「む、確かに・・・」シンジ
「ということは、万が一の可能性として、たまたま時空の歪みから
突然ガンマ線バーストが飛び出てきて被害を及ぼす事もありうるわけか」
シンジ
「正に天文学的確率でしょうけど。可能性ゼロではありませんね」メイ
「予兆はとらえられないのかな?」シンジ
「このデータは私達しか知り得ない情報ですから予兆もなにも・・・」メイ
「そうでしたね、・・・うーんこれは報告が必要なのかもしれません」
「しかし、そんな事を報告したら我々は犯罪者ですと名乗り出るような物」
メリダ
「だが、万が一人類滅亡の可能性もあるわけだしなぁ」シンジ
「勝手に予知システムを開発して勝手に早期警戒システムにハッキングして
入れちゃいましょう」リン
「とんでもないアンドロイドもいたもんだ」シンジ
「いえいえ、すべてシンジ様の薫陶のおかげ」
「リン君が言うからには可能なのですね」シンジ
「はい、いつでも可能です。私達は万能メイドです」リン
「すでにプログラムは出来てるんですね」シンジ
「はい、今シンクロ中に完成させました」リン
「ま、実際に発動することは1/兆以下の確率だからね」シンジ
「御意、しかしいざ事が起きてからでは遅いです」リン
「もしかして君達は常に同じ事をしてる?」
「はい、シンジ様とのお仕事以外の時間は国家レベルで常に研究、開発、改善を
自動的に行っていますから。」メイ
「君達のポテンシャルは全く計り知れないね」
「うーん私達3人から言わせてもらえばシンジ様のほうが遙かに計り知れません
私達はあくまでも人類が作った機械にすぎませんから」3人
「まあ、とにかく人類への脅威がひとつ除去出来たのは良い事だね」シンジ
「御意」
「時空移動現象についてだが」シンジ
「はい、」
「BT星周辺の魔石が超新星爆発のときに誘因爆縮したのかもしれないね」シンジ
「なるほど」
「とにかく、この話は我々だけの秘密にしておき研究が進み次第随時
警戒システムに組み込んでいきましょう」シンジ
「はい、私達は安全、国民も安全、winwinですね」メリダ
「実に興味深い研究対象だが確かにウラシマ効果とは無縁だろうね」シンジ
「残念ですが・・・」リン
「さて、その話はそれまでにして次の案件だが」シンジ
「なにかあるのですね」メリダ
「うむ、地球の文献を調べていたら興味深い研究を発見しました」シンジ
「なにかのヒントでしょうか?」リン
「ウラシマ効果に関係あるかもしれないし全然無いのかも知れません」
「一体どのような研究なのでしょう?」
「大王の太陽系の火星での話です」
「火星でなにがあったのでしょう?」
「実は火星王であるワン様が興味深い研究をしてました」
「いったいどのような?」
「うむ、火星王は農業開発に天賦の才があります、その王がなぜ農業王に
なり得たのか・・・」
「理由があるのですね」
「うむ、王は地球光の成分を調べ農耕用に調光を果たしたのです」シンジ
「なるほど、特定の農作物に適した光成分があるとは聞いていましたが
まさか火星王の開発だったのですね」リン
「うむ、当然国家機密だから普通の検索では不可能」シンジ
「はい、私達ホストに直結してる3人でも今知った情報です」メイ
「あーーこれも首と胴体が離れる案件だからね、注意してね」シンジ
「何をいまさら・・・」呆れる3人
「要点を言えばつまり農作物の遺伝子を良化する光が存在するということ」
「分かりました、突き詰めればその逆もしかり?」メリダ
「話が早くて助かる、つまり遺伝子に影響を与える成分を見つけ出せれば
あるいはウラシマ効果治療に繋がるかも知れないと言う事です」
「・・・そのためにBT星の調査が不可欠だったのですね」リン
「うむ、それを期待して現場に行ったのだが、今の所成果はないね」シンジ
「正に堂々巡り、埒があきませんね」メイ
「今の我々は山の周辺をグルグル回ってるだけなんだよ」シンジ
「宇宙空間に大量にある宇宙放射線とかは有害ではないのですか?」リン
「もちろん宇宙放射線は有害です、遺伝子を破壊することでも知られています
しかし、ガンとかを発生させる事はあってもウラシマ効果に影響があるという
研究報告はあがってきてません」シンジ
「更に言えば冷凍冬眠してるカプセルに悪影響を与える宇宙線は普通考えられません
いくら緊急に粗雑に作った冷凍カプセルでも対処してないはずはないですから」
「すでに世界中の多くの科学者がその分野の研究はしてるのですね」リン
「事はそんなに簡単では無いという証です」シンジ
「BT星のみの固有の光線があったのでしょうか?」メリダ
「それを調査することが出来ないのだよ。タイムマシンでもあれば別だが」
「新地球(元地球)にBT星の観測データは残ってないのですか?」メイ
「なにしろ大王の方針でBT星自体が否定されてるからね。資料など
果たして存在するのかも不明なんだよ」シンジ
「どこまで行っても堂々巡りではないですか・・・」リン
「今の事態は人類自身が引き起こしてるとも言えるな」シンジ
「せめて画像データーが残っていればデジタル解析も可能なのだが・・」
落胆するシンジ
「新地球(元地球)の火星の遺跡に資料とかありませんか?」メイ
「いくら私でもあそこに侵入するのはほぼ不可能だろうね」シンジ
「しかし、国家レベルの誰かが資料を調査してるのは確かですけどね」リン
「それはそうだろうね・・・」
「なんとか大王に協力を要請出来ませんか?」
「そのためには私自身が大王からの信用を得なくてはダメだろうね」
「なにからなにまで堂々巡り・・・」落胆する4人
「放棄されているコロニーの残骸に資料は残されてないでしょうか?」リン
「うーん、危険過ぎるとの事で手つかずの状態らしいが、なんらかの
調査ロボットを開発できればあるいは・・・」シンジ
「表だっての調査は国に申請しないと出来ませんがシンジ様お得意の粒子単位の
ナノロボット作成は不可能でしょうか?」メリダ
「む、なるほど・・・それは出来るかもしれません」シンジ
「実は、極秘資料によると、コロニーは地球滅亡後も数十年は稼働していた
らしいのいです」シンジ
「え?まさか」
「なぜあれほどまでに破壊されてしまったのか・・国は隠しています」
「きなくさい臭いがただよってますね」リン
「どうでしょう・・事実を隠してるのは間違いありませんが」シンジ
「一応研究目的で王立魔法院に申請してみますね」シンジ
しかし、予想通り「研究の必要無し」との返事が返って来た
「国はなにからなにまで隠蔽体質、話になりません」シンジ
「どうやら私の資料では大王自身の性格がなぜか変化してしまってる
としか思えないのです」シンジ
「え?まさか・・・」リン
「新地球立ち上げ後どうも大王は全てのこの柄に関して消極的になってます」
「というか大王自身がめったに表に出なくなってますね」メリダ
「確かに言われてみれば・・」メイ
「ホストコンピュータの君達もおかしいと思うだろう?」シンジ
「しかし、大王も実年齢は50才を超えてます、落ち着いたともとれますね」
「ま、大王の変化は今はどうでもいいことです。要は私のやりたいように
勝手に行動させてもらうと言う事」シンジ
「犯罪ってこわいです、ひとつ犯すと二つも三つも同じになりますね」リン
「犯罪とは酷いね。見解の違いだよ見解の違い!」シンジ
「いえ、100人判事がいたら100人が有罪判決出します」メリダ
「勿論発覚したら君達も即、解体だね」悪びれないシンジ
「と、いうことで、早速メリダの意見を採用してナノ調査隊を開発します」
シンジ
「毒を食らわば皿まで・・もうやけくそです、とにかくシンジ様について行きます」
「うむ、君達だけが頼りなんですよ。お願いします」シンジ
「では、具体的にナノ調査船、どのような仕様にいたしましょう?」リン
「そうですね、まずは我々4人が乗船出来てある程度生活出来る事」
「ナノ調査船に寝泊まりするのですか?」リン
「先日も言ったが生体縮小技術は日進月歩、十分可能なレベルになってます」
「しかし、時空移動装置の縮小は絶対に不可能ですなぜならばコア自体が
超縮小体だからです」メイ
「そうだね、ブラックホールは究極の縮小体、事象の特異点だからね」
「新地球にはゲートで帰れるし、コロニー遺跡は地球から目と鼻の距離
時空移動エンジンは必要ありません」シンジ
「しかし、生活の拠点にするのならミニ太陽発電は不可欠ですが?」メイ
「それも必要無い、ダイソン球から電気を頂きますから」
「ああ、さらに窃盗罪追加ですね・・・」リン
「このさい些末な事はどうでもいいのです」シンジ
「それよりも大問題なのが現在1/10でしか不可能な生体縮小技術」
「さきほどすでに目処がたったと仰ってましたが?」リン
「うむ、実はかねてから研究していた「霊魂」の実用化が現実味を帯びてきた」
「うわ、オカルトですか?」
「冗談を言わないで下さい、科学にオカルトなどは存在しません」シンジ
「し、しかし霊魂化と言いましたよね?」メリダ
「うむ、それでは問う、なぜ人間やアンドロイドには意識があるのだ?」
「そ、それは・・・アンドロイドの場合は高度に進んだプログラムの集合体
人間の場合はナノ単位での電気信号のやりとりとの仮説がありますね」
「意識というのは物質なのか?」
「わかりません」メイ
「すくなくても現代の科学ではチップに保存出来きてる」シンジ
「データーですからね」リン
「ならばダークエネルギーをメモリーチップ代わりにしても支障ないはず」
「おおおおっ、確かに」メイ
「この技術は聖水隕石の聖水を減らさない技術としてアナハイム社が開発
したにも関わらずその後の進化がまったく止まってしまってるのです」
「確かに、あらゆる応用が可能なのに勿体ないですね」メリダ
「一時が万事、アナハイム社には宝石のように技術が眠ってるのに誰1人
振り返ろうともしていない。危機的閉塞感にすら気がついていないのです」
「お陰で私のしたい放題が可能なんですけどね」ニッコリ笑うシンジ
「セキュリティルームでの機密技術開発が逆に弊害となってます」シンジ
「どういう意味でしょう?」メイ
「つまり開発者しか知らない技術がアナハイム社には山ほど有るが
その技術を共有しようとしない弊害です」シンジ
「しかし、国防とか国益に関わる事なので仕方が無いと思います」メリダ
「だからアナハイム社は5天皇が独占して後継が一切育たないのです」
「ダニア様、ブラン様、MS2人、ワン様の事ですね」
「その5人ですら技術を隠し合ってる・・」シンジ
「まるで人類の敵はその5人みたいな言い方ですね」メイ
「敵とはいいませんが、限界に来てるのも事実でしょう」シンジ
「それにしてもどこを検索してもでてこない情報をどうやって得たのですか?」
メイ
「ふふふふ、・・・・それはひ・み・つ」シンジ
「5人の事を批判できませんね」メイ
「それは冗談です、実はこれも新しく開発した技術・・・」
「もったいぶりますね」メリダ
「泣く子も黙る黙ってる子は泣き出す」シンジ
「意味がわかりません」
「聞いて驚くなよ!」
「あ、なんだかもう聞きたくなりました、結構です」興ざめの3人
「そ、そんな事言わないで聞いてくださ~い」懇願シンジ
「大体すでに予想出来てますから」リン
「ほう?」
「ナノスパイですよね?」メリダ
「な、なんでわかるの?」シンジ
「ここまでの会話でわからい人がいたら連れてきて下さい」メリダ
「た、確かに前振りですでにバレバレでしたね」シンジ
「つまりどういう事なんでしょう」リン
「うむ、ウィルスレベルでのスパイロボットを作ったんです」
「つまりダニア様と会話するだけで仕込めます」シンジ
「もはや国家反逆罪すらも飛び越えてますね」リン
「だから、黙ってれば誰にも分からないのです」シンジ
「で、研究室に忍び込めればあとは情報抜き取り放題。他の4人もしかり」
「え?ワン様とは面識無いはずですけど」リン
「あー別人になりすました召喚人間君に火星まで商談目的でワン様と
面会しました」シンジ
「新しい種籾を扱いたいと商談をもちかけたらホイホイ応じてくれました」
シンジ
「窃盗罪に詐欺罪追加ですね」リン
「なにを言いますかちゃんと召喚人間君は商社を立ち上げて種籾ビジネスを
展開してもらってます。利益も上げてます、当然我々の資金源ですけど」シンジ
「シンジ様の闇シンジケートはどこまで展開されてるのか・・恐ろしい」
メイ
「お、シンジが行う悪事だからシンジケート?メイ君うまいね」シンジ
「寒いです」メイ
「おいといて、大願成就の為なら私はなんでもすると宣言してます」シンジ
「この勢いだとハニトラすらも平然と行いそうですね」メリダ
「必要ならなんでもするよ、私は」シンジ
「で5人から情報を抜きまくった成果はあがってるのですか?」メイ
「君は人の話を全く聞いてないね、お陰で生体縮小体の開発が出来たという
話ですよ」シンジ
「あまりにも回りくどくて主題を忘れてました。」メイ
「とにかく早急にコロニーの調査を実施する」シンジ
シンジの言う所の5天皇からいくら情報を得ても肝心のウラシマ効果の究明
にはたどり付けない。あくまでも山の麓をグルグル回るだけ。
「しかし必ず偉大な発明を組み合わせれば回答をひきだせるはず
人類がまだそのことに気がついてないだけに思えてなりません」
「ここまでして果たして我々は解に近づいているのでしょうか?」メリダ
「それは分からないが何かをしなければ決してたどり付けはしないよ」
一体真相解明に近づいているのか遠のいているのか
全く分からない状態です。