(株)火星研究所
新会社創立の機運が高まって来ましたが課題も・・
「ほう、会社を立ち上げて独立したいと?」スタージナス
「はい、火星研究員全員の希望です」シンジ
「それは大変結構、しかし現実は厳しいぞ?病み上がりばかりで大丈夫か?」
スタージナス
「はい、当然ですがスタージナス様におんぶにだっこです」シンジ
「な、なにーー!」怒るスタージナス
「しかし、考えて見れば至極当然かと」シンジ
「どうして当然なのだ!」
「はい、なによりも火星民達は15000年前のご先祖様、突然現代に
放り込んで生きて行ける訳がありません」シンジ
「うむ、であるから大王がいろいろ画策してるところじゃ」スタージナス
「研究員達はみな大人です、いつまでも他人の世話になってばかりで
納得するとお考えですか?お荷物でいいのですか?」シンジ
「む・・・たしかに我なら嫌だな」スタージナス
「ですが時というのは残酷、気骨はあってもいまのままでは自立は不可能です」
「うむ、いわんとしてることは理解出来る・・・しかしなぜ我なのだ?」
「王様からあきんどに転身して大成功など常人で出来る事ではありません」
「昔から殿様商売と言われて王様などは下々の事などわかりません、故に
世故に通じ臨機応変が必要とされる商売など出来る筈ないのです」シンジ
「ふ、それは買いかぶりという物我などは運が良かったにすぎん」
「あれ、謙虚は罪だと常日頃から仰ってますよね」シンジ
「いや、我の場合は本当の意味で側近が優秀だったにすぎないのだ」
「なにを仰いますかどんなに優秀な部下がいたところで最終決断は
スタージナス様が下したこと、違いますか?」シンジ
「いったい何が言いたい?」
「スタージナス様は人に頼られたら絶対に断らない方と言う事です」シンジ
「ぐ・・・其方我の欠点をいつ知った?」
「欠点などではありません、最大の長所です」シンジ
「しょうが無い請け負った、しかし我は厳しいぞ覚悟の上だな?」
「膝にゴブヨ君を抱っこしてそのセリフは笑止なんですけど」シンジ
「ご、ごほん・・・いつのまにかゴブヨを抱っこしてるだけにすぎん」
スタージナスは人を引き寄せる魔法持ち(笑)とくに幼女に良く効くらしい
「スタージナス様は私のひいおじいちゃん、抱っこして何ら不思議ないです」
ゴブヨ
「我の前でやりたい放題のゴブヨとスタージナス様に甘えるゴブヨ
どっちが本物なのですか?」シンジ
「あら、どちらも私ですけど」ゴブヨ
「まあ、とにかく請け負った・・配下にも連絡するのでしばし待て」
「はは、どうかよろしくお願いします」なんとシンジが土下座
「其方も大人になってきてるな」スタージナス
「は、火星研究員の身が立つまで私の責任ですから」シンジ
「会社設立の話は分かったが本題のほうの進行はどうなのじゃ?」
スタージナス
「は、ここ数ヶ月で劇的に進歩してます。結論が出次第発表いたします」シンジ
「いや、それはまたれよ、会社設立後に華々しく発表すれば一気に
会社経営にはずみがつくぞ」スタージナス
「おおおおっさすが・・お任せした甲斐がありました」シンジ
「物事全てに言えるがタイミングと言うのが一番重要なのだ」スタージナス
「で、我も株を買っておく・・・いっしっし」スタージナスがほくそ笑む
「あーー今のは聞こえませんでしたので」シンジ
数日後グフタスとタランが出向社員という名目で火星に乗り込んで来た
「我らが来たからには甘やかさないぞ覚悟せい」タラン
「まずは経理からだ出納帳と売上票!」グフタス
「あ、あの・・我らはまだ仕事という仕事などなにもしてません」タクマ
「呆れたな・・研究費は天から降ってくると思ってるのか?」タラン
「いえ、いままでの経費は全て私が立て替えておきました」シンジ
「ばかもの!大赤字ではないか!こんなことしてたら即倒産だ!」タラン
収支どころか出るばっかり収入は全く無い状態、これで会社とは呆れる
しかも社員3000人ほぼ無給状態だが国からの支援金もそろそろ底をつく頃
「お主らは研究だけ出来ればいいと思ってるのだろうが人間霞食べてばかりでは
生きて行けないぞ」タラン
「グフタス意見あるか?」タラン
「まず早急に立て直しの為の強力な製品が必要かと」グフタス
「しかし、我々にウラシマ効果研究以外に時間はさけません」タクマ
「ばかもの!3千人もいるのだから部署分けして製品開発もするのだ」タラン
「し、しかし一体何を売ればいいのやら・・」研究員D
「とにかく当座しのぎでもなんでもいいから儲かる商品お願いします」
グフタス
「簡易魔法グッズとかは?」シンジ
「なんだそれ?」タラン
「本格的な魔法は当然資格者でしか使用禁止ですが簡単な遊び程度の魔法を
セットにしてゲームとかパーティとかの余興に使える様にするとか」シンジ
「具体的は?」グフタス
「今思いついただけで具体案はありません、皆さんで考えましょう」シンジ
「ふむ、危険性とか国家機密に触れない部分なら余興として面白いかも」タラン
「例えばゴースト魔法をつかっての対戦ゲームとか」
「ふむゴーストならやられても死なないな」タラン
「しかしゲームに面白さを加味するのでしたら専門家の意見を聞かなければ」
タクマ
「確かにその分野でもMSはエキスパートだな」タラン
「すでにサイド5のアトラクションにてモビルスーツ対戦アトラクションは
アナハイムのエンタメ部門でドル箱ですね」グフタス
「あれ、恐ろしい程リアルですよね、なのに実物は非合理ということで存在
しない矛盾・・・」シンジ
「実際の戦争であのようなロボット型兵器などは無用の長物」タラン
「しかし、人間はロマンが大好き・・・面白いですね」シンジ
「しかし、シンジ現在でもVRMMORPGは進化してていまさら
ゴースト対戦など意味あると思うか?」タラン
「そうですね・・・相当な付加価値と面白みがないと苦しいかも」シンジ
「だがVRMMOはそれ相当の設備が必要だしどこにでも持ち出せる
訳ではないな」タラン
数日後打診したMSから返事が届いた
「ま、やってみましょう」
「よろしくお願いします」シンジ
数日後
「ダニア様から面会申し入れです」メリダ
「お通しして」シンジ
「其方の話を聞いたが其方は公社勤務の幹部だ、勝手に会社など
作れる立場では無い筈だが?」ダニア
「はい、特別措置で大王から許可を受けました、全ては20億民救出のため」
「其方はそれさえ言えば何でも通ると思ってるのか?」ダニア
「しかし・・・王命を受けましたので」シンジ
「このぉ・・・頭越しで物事を進めるのは敵を作る要因と思え」怒りのダニア
「ですが・・・ダニア様に具申しても同じ結果だったと思ってます」シンジ
「む、・・・」
「今火星研究員を救う事はなによりも国益に叶うこと。旧人類の意見は断絶した
現代地球科学とのすり合わせの為に絶対に不可欠、更なる飛躍のための必然です」
「む・・・確かに其方の報告書を見て我も同じ考え・・しかし」ダニア
「しかし?なんでしょう?」
「それならばアナハイムか東インド会社に取り込めば済む問題だろう?」
「それもひとつの選択肢かと思いますが私としては火星研究員は別組織にして
一大勢力にすることで両社との良きライバル関係を構築することが人類発展への
道と判断しました。当然責任者の私は公社を退社いたします」
「ならん、其方のために設立した公社を当の本人が抜けたら大義名分を失う」
ダニア
「しかし、今の私は火星研究員と共にあります、この気持ちは変えられません」
「うむ、火星研究所も其方がいなければ全員路頭に迷うは必定・・困ったな」
ダニア
「それでは公社の立場は外部顧問と言う事にしていただきたく」シンジ
「仕方が無い大王のお墨付きである以上我もこれ以上は言えない」ダニア
「だが、そのためにもMSの知恵を貸し出す以上失敗は許されんぞ、
まずは新企画絶対に成功させよ」ダニア
「はは、身命に誓って」シンジ
今回は短くてスイマセン<(_ _)>




